初めての電車
夏休み、おばあちゃんの家に行くために、電車に乗ることになったんだ。
パパとママが、きっぷの買い方を教えてくれる。キラキラのお金を入れたら、パネルにタッチ。小倉ってところをさわるんだって、パパが教えてくれた。さわってしばらくしたら、小さなきっぷが出てきたよ!
「パパ、ママ、見て!」
「良かったわね、なくさないように、大事にポッケに入れておきなさい」
ママに言われて、ぼくはぎゅっときっぷをにぎる。
「こらこら、そんなにぎゅってしたら、しわくちゃになって使えなくなるぞ」
ぼくはあわててにぎるのをやめた。そぉーっとポケットに入れる。なんだかちょっと温かい。
「ほら、ここに入れるんだ。そしたらこっちから…」
パパが改札口にきっぷを入れた。改札口がパカッと開いて、パパはてくてく進んでいく。あっ、きっぷが出てきてる!
「こうやるんだよ。さ、やってごらん」
よーし、それじゃあ行くぞ!
まず、きっぷを入れて…あっ、きっぷが消えた!それに、改札口が開いたよ!
「ほら、早くこっちにおいで」
ぼくはつまずきそうになりながら、なんとか改札口を通った。
「ほら、きっぷきっぷ!」
ママに言われて、あわててきっぷを取る。はー、ドキドキした。
「ちょっとした冒険だったな」
パパが頭をガシガシとなでてくれた。そっか、ぼくは冒険家だ! なんだか楽しくなって、ぼくはパパにぎゅっと抱きついたんだ。さぁ、冒険に出発だ!