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1.投稿日

 暇潰し、日課、趣味嗜好で動画サイトを見る不特定多数のルックマン。


 大手動画投稿サイト、コミュティカル。この動画投稿サイトはひと味違う。


 自身の意識を分離して、ネットワーク上にある現実の体をコピーされた容姿で、ルックマンの貢献度によってお金を稼ぐ。


 貢献度とは、投げ銭、閲覧時間や閲覧数で決まり。貢献度の高いアカウントには、広告契約が結ばれる場合もある。


 動画を投稿するコミュニティ同士でコラボしたり、徒党を組むことで、貢献度を上げる工夫がされている。


 コミュティカルは会員制で、月額料金は八百円。追加オプション等もあり、運営する会社の名前は、アルテミスという。


 アルテミス社は、大学生のみのメンバーで作られた会社であり、創業して二年という短期間で、その売上高は二十億。


 馬鹿みたいな程、この会社は稼いでいる。その収益となっているのがコミュティカルなのだ。


 何を隠そう、僕もコミュティカルに投稿するコミュニティストなのだ。


 …嘘言いました。今日から、コミュティカルで投稿を始める新人です。


「たーっくんてさ、何か目立たないよね」


 この幼馴染みのひと言により、悔しくなった僕は、人気者になりたいのです、はい。


 幼馴染みの火華(ひばな)は、クラスの人気者であり、読者モデルをやっている。なので、それなりに可愛いと思う。


 勉強やスポーツは、あまり得意ではない。よくいるクラスの隅っこにいる陰キャが僕だ。


 僕と火華は幼馴染みだが、住んでいるセカイが違う、よくそう感じる。コミュティカルを始めるのは、そんな火華に少しでも近づきたくて、という理由もある。


「よし、これでいいんだっけ?」


 コミュティカルへのログイン機器の設備は、思ったよりも簡単で、拍子抜けするくらいだった。


 あとは、頭と足にチップの入ったバンドを着けるだけ。だけなのだが、やっぱり辞めようかな、今さらながら緊張してきた。僕みたいな陰キャがやっていいことなのだろうか?


 そんな考えばかりが、頭を回らす。だから僕は、陰キャなのだろう。


 こんなんじゃ、君のとなりに立つ資格がない。


 ぱあーっん。


 両頬を叩き気合いを入れる。


 僕は変わるんだ。


 まずはこの邪魔な前髪を切ろう。


 手鏡を見ながら、じょきじょきと髪を切る。あれ…変かな?切りすぎたかも!


 でも、視界が広がった気がした。


 よし、準備万端。僕も今日からコミュニティストだ。


 バーチャルリアリティダイブスタート。


 意識はバーチャルワールドへと向かい、コミュティカルへと移る。


 ここがコミュティカル!!


「なんもないね」


 何もない空間に、あるのは床と壁だけ。部屋に置く、備品等は有料コンテンツなの忘れてた。

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