2ページ 疑問④
ネモフィラはハサミを持って走っていた。
どこにいる。
背後から魔力を感じる。
後ろに跳ぶ。渦を巻く風が襲ってきた。
すぐに離れてよかった。
風からドロシーが足を伸ばして飛び出す。
ハサミを盾にし、ドロシーの飛び蹴りを防ぐ、
ドロシーから風が吹き出す。
風で背後に吹き飛ばされ、地面にたたきつけられる。
上から牙をむいた大きいイヌが迫ってくる。
咄嗟に横に転がりながら態勢を取る。
「ち!あとすこしだったのに!」
「しかも回復しているし」
ドロシーに大きいイヌがいる。
確か、ドロシーには子犬のトトがいた。
なんで大きくなるのよ。
「なんで・・・」
ドロシーの表情が変わる。
「え・・・」
「あなたが・・・」
その時、ドロシーの左目に弾が当たる。
「ああ!」
ドロシーは左目を抑えながら叫ぶ。
「大丈夫か!」
背後からチャールズが現れた。
「うん」
「他の3体はマークたちに任せた。一気に攻めるぞ」
「ええ」
今は仕事に専念する。
「なめるな!」
目を抑えながらドロシーが嵐を放つ。
ネモフィラはハサミを大きく払い、衝撃波を放つ。
嵐と衝撃波がぶつかり合う。
ネモフィラにトトが襲いかけようとするが、チャールズは剣でトトの腹を刺す。そのまま銃を腹に向けて撃ち続ける。
チャールズがトトの相手をする。
その時、大爆発が起きる。
土煙が視界を奪うほどに舞う。
ドロシーの場所は、魔力で感知できる。
ハサミを構え、走り込む。
視界が見えた時には、ドロシーの首に向かってハサミを振るう。
ドロシーが原本に戻った。
「大丈夫か」
チャールズが駆け付ける。
「うん・・・」
「腕。どうした・・・」
チャールズが心配そうに話す。
「戻ったの」
チャールズに腕を見せる。
「切っても痛みもあの赤い液体も出ない」
それでもチャールズが浮かない顔をしていた。
「目的は達した。戻ろう」
「そうだね」
今回も仕事が終わった。
翌日。
ネモフィラは、手の甲に切る。
感覚もなく、液体も流れない。
「やっぱり・・・」
あの瞬間はなんだろうか。
刺激。人間がいう痛みに似ていた。赤い液体。人間から出る血に似ていた。
管理人は、痛みも血もないはず。人間ではない。
――だとしたら、私は一体何だろうか。