5ページ 殺人鬼⑤
何かが見える。
台についた鏡に女が映っている。
長い茶色の髪をした女だった。
「なあ。エリカ」
あの男の声がしたと思えば、鏡に男が映る。
若い姿をしたあの男だった。
鏡に映った女をエリカと呼ぶ。
「そうね。マイケル」
あの男の名前はマイケル。
エリカと呼ばれる女が返事した。
あれ。
その女がエリカだとしたら、今見ているものは何。
ガシャン!
ガラスの音で目を覚ました。
急に首が軽くなった。
マイケルが視線を向けた瞬間に、頭に短剣が刺される。
マイケルは倒れ、何かが飛びつく。
「ぎゃははは」と何度もマイケルを刺す。
何度も何度も。死んでいるのに、それでも何度も刺す。
後ろ姿だか、マイケルを刺している男は、青髭だった。
人間を助けなくてはいけないのに、体が動けない。
どうして。
また、何かが映る。
「やめて。やめて。やめてぇえええええええええええ」
女の叫び声が響く。
「エリカ・・・」と男の声がした。
あの時、夢で見た映像だった。
「おまえが悪いんだ・・・」
目が暗くなりながら、赤く染まったマイケルが見下ろす。
マイケルがエリカを刺している。
殺している。
さっきから何を見ているの。
体が重い。
体が震える。
体が動けない。
感じたことのない。この感覚は何。
青髭が振り向く。
狂気な目で近づく。
戦わなければいけないのに、動けない。
どうやって戦うのかも思いつかない。
このままでは壊れる。
青髭が短刀を振るう。




