5ページ 殺人鬼④
「お~い。お~い。起きてよ~」
ネモフィラは目を開くと、目の前に浮いた猫がいた。
木に背中を預けて、寝ていた。
一瞬にして今までの状況を思い出す。
今回のターゲットである青髭を逃がした。
夢に見た男と会えた。
そして男を追いかけようとしたチャールズに気絶させられたんだ。
「チャールズ!」
「あの管理人なら、探しに行ったよ~ん」
「え!」
「早く行ったほうがいいんじゃない。さっきのキャストも逃亡中だしー」
「行かなくちゃ・・・」
「ぼくっちは、あの男の家。知っているけどね~」
「どこ!」
猫の案内でひとつの家に着いた。
周りに家がなく、森に囲まれている家だった。
家を見つけた途端に猫の姿がない。
――本当にあの猫は何者だろうか。
普通の猫ではない。
けど、今は。
窓を覗けば、家の中に男がいた。
ソファーに寝ている。
かなり疲れているようだ。
奥にある暖炉の上に写真が立っている。
遠くで見えないが、二人で撮っているようだ。
その時、男と目が合う。
急に顔色が変わった。
顔が青ざめていく。
おかしい。様子が違う。
知っているなら逃げないはず。
「ねえ。話をしたいの。話をしたいだけ・・・」
そういえば、人間と話すのはこれが初めてだった。
「私のことを知らないですか・・・」
「は?」
自信はないけど。
「私。エリカです」
「はあ・・・」
「エリカです・・・私。記憶がなくて、もしかしらたら、あなたとなら思い出すかもしれないの・・・」
「エリカ・・・」
言葉が出なかったが。
「そうか。エリカか」
男が落ち着いた。
理解してくれたようだ。
扉が開いた。
「入ってくれ」
男は笑っている。
家に入れる。
「私・・・」
振り向いた瞬間、首を絞められる。
「え・・・」
そのまま押し倒される。
「エリカは10年前に殺したんだ!今更捕まってたまるか!」




