4ページ 日本童話⑥
それが真実ならあまりにも受け止めきれない。
「それって・・・」
「これでウソをついていると思う。真実よ。管理人のくせに知らないってバカらしい」
「かぐや様!」
飛び出したのは桃太郎だった。
「浦島が回収されました!」
チャールズが回収したようだ。
「浦島もか」
かぐやと目が合い、肩を落とす。
「引くよ」
かぐやは桃太郎と一緒に去る。
追いかけるべきだか、足が動けなかった。
「おい!」
チャールズが来た。
「大丈夫か?右手は?」
「うん・・・チャ・・・」
言いかけたがやめた。
「大丈夫。金太郎は回収できたけど。ごめん。逃がしちゃった・・・」
「今回は2冊回収できただけで良しとしよう。帰ろう」
「うん・・・」
チャールズの左腕の一部が切れ、赤い汚れがついている。
「腕・・・どうしたの・・・」
チャールズが左腕を掴む。
「これは・・・汚れだ・・・」
汚れ。本当に。
以前見た赤い液体と似ているような。
管理人は赤い液体は出ないはずなのに。
かぐやと桃太郎は歩いていた。
「浦島と金が回収されたか」
「へい。でもこれでかぐや様を独り占め!」
桃太郎が言いかけたところで頭にチョップを与える。
「わざとか」
「違いますって!」
桃太郎が頭をさする。
「そういえば、管理人の男。血が出たんですよ」
「血が?」
「だから、浦島が玉手箱で年を取らせて弱ったところで訊こうとしたんけど。年を取らなかった」
「そう・・・」
女の管理人も感情的だった。
あの管理人はいつもと違っていた。
どちらにしてもこの時代の人間ができるとは思えない。
科学を進んだこの時代でまだ生き残っている。だとしたら。
――私たちを回収して何をするつもりだ。
かぐやは改めて前を向く。
「なんだ?お主は・・・」
ネモフィラとチャールズは図書館に戻っていた。
「どうした?」とチャールズが声をかけてくる。
「え?何が?」
「何があったのか?」
「なんでもないよ。全部回収できなかったことに悔しかっただけ・・・」
「・・・そうか」
チャールズはこれ以上話すこともなく歩いていた。
言えるわけがない。あんなことがあっては。
ネモフィラはかぐやとの会話を思い出す。
「私たち、キャストは登場人物に合った魂。つまり大半が人間だってことよ」




