3ページ 木の人形⑤
叫び声がした。
ネモフィラは急いで向かう。
その先に、頭を抱えこむピノッキオがいた。
だか、様子がおかしい。
何かに怯えているようだった。
「ああああああああああ。くるなあああああああああああ」
ピノッキオは手から糸を出す。
ネモフィラは大ハサミで糸を切る。
「くるなくるなくるなくるな!」
怯えが尋常ではない。
「僕をどうするつもりだ?」
「本に戻すだけよ。人間に被害を与えないように私たちが本にもどして管理するだけよ」
「人間に被害を与えるだと?」
「そうよ。存在を消さないように人間の魂を捕食するキャストから守るためよ」
「ふざけるな!」
ピノッキオは怒鳴る。
「僕たちは・・・」
バン。
ピノッキオの頭が弾けた。
倒れていく体が原本へと変わった。
銃声がなった。
奥にチャールズが銃を構えていた。
「無事か・・・」
チャールズが駆けつける。
「うん・・・」
「シンデレラは?」
「逃げられた。そっちは?」
「こっちも逃げられた」
本になったピノッキオに見つめる。
チャールズは原本を拾い、印鑑を押し、図書館へ転送した。
「どうした?」
「なんでもない・・・」
ピノッキオは何を言い掛けたのだろうか。
「なんで急に油断したんだ」
シンデレラに話かけられたのは、『水晶玉』のキャストのロイドだった。
「意外な相手がいたからよ」
「え?」
本当になぜ、あそこにいただろうか。
近くにあいつはいなかった。
「お待たせ」
別の男の声をしたと思えば、シンドバットが戻ってきた。
「その様子だと、勧誘はできなかったみたいだな」
「見ての通りでしょ」
「まだ無駄骨か」
シンドバットが肩を竦める。
「そうでもないけど」
「見栄を張るなよ。もう仲間を集めるのはここまでにした方がいいじゃないか。ほとんど管理人に狩り尽くしている」と真面目な声で話す。
「そうね」
確かにキャスト化している原本は少ない。それに戦力で仲間になりそうなキャストもいない。
そういえば。
「いや、あいつがいたな」
シンデレラが言う。




