3ページ 木の人形④
いくら図書館に連絡しても返事がない。
S級のキャストが2体も現れているんだぞ。
もう応援は期待できない。
男のキャストは、金の杖を振り回す。
距離を取っても、すぐに目の前にまで詰めてくる。
でも、正体は分かった。
「金の杖。白のターバン。シンドバットか」
『船乗りシンドバットの物語』
千夜一夜物語の中の一つ。
船乗りであるシンドバッドが海を冒険する物語。
「やっぱ有名人は苦労するわ」
シンドバットは金の杖を肩に担いでいう。
「正体が分かったからで勝てると思うなよ」
シンドバッドが目つきを細める。
「時間稼ぎのつもりか」
「さあな」
シンドバッドが迫ってくる。
金の杖を振り回し、剣で払いながら、銃を撃つも避けられる。
その時だった。
胸が苦しくなる。
すぐに距離を取り、胸を押さえる。
こんな時に・・・
顔を上げれば、シンドバッドが目の前にいて、大きく振る金の杖が顔に入る。
チャールズは飛ばされる。
「なんだ?」
シンドバットに火の鳥が飛んでくる。
「頃合いか」
シンドバッドは森の奥へと走っていく。
逃げられた。
けど、今は。
懐から緑色の宝石を胸に当てる。
「くそ・・・」
「もうなんなんだよ・・・」
ピノッキオは森の中を逃げていた。
「変なお姉ちゃんに・・・それに・・・」
ピノッキオはシンデレラに連れられたことを思い出す。
「仲間に入って」
シンデレラに抱えながら言った。
「なんだよ、仲間って。僕たちキャストは役目があるだろ。なんで仲間が必要なんだ?」
「そう、気がついでいないのね」
あの女に襲われたことで話が切れた。
気がついていない。
何にだろうか。
急に頭が痛む。
何。
頭に何かがよぎる。
悲鳴が響き、肉や血が散る。
「あああああああああああああああああああああ」




