3ページ 木の人形②
ネモフィラは森の中でピノッキオを探していた。
背後から魔力を感じる。咄嗟に横へ避ける。
振り向けば、木が人のような形となり、拳を下ろしていた。
「動かないでよ」
木の人形の背後にピノッキオが枝の上に乗っている。
月の反射でピノッキオの手から糸が伸びていた。
どうやらピノッキオの魔法は、人を人形にするだけではないようだ。糸を繋げたものを人形にして操るといったところか。
「殺しちゃえ!」
ピノッキオの声で周辺の木が人型となり、襲ってくる。
ネモフィラは、木の人形をハサミで次々に倒していくが、それでも木の人型が次々に現れる。
切りがない。
「意外にしぶといね」
「これならどうだ!」
ネモフィラが大きくハサミを振るい、衝撃波を放つ。
衝撃波が木の人形を薙ぎ払い、ピノッキオへと向かう。
ピノッキオは空へ跳んだ瞬間に、銃声が鳴る。
チャールズが撃ったのだろう。
「うわ!」
ピノッキオが落ちた。
ピノッキオの胸に穴が空いている。
「イタイイタイイタイ!」
胸を押さえて痛がっているようだ。
そのピノッキオに銃を向けていたのはチャールズだった。
「先走りするな!いくら人を巻き込ませないからって、結界も作らずに行くな」
結界は、キャストの逃亡対策と人への巻き沿い対策で使っている。
「それはごめんさない・・・」
「けど、ターゲットは捕まえた。回収するぞ」
「そうね」
弱っているピノッキオを見つめる。チャールズの銃の引き金を引き、ネモフィラが大ハサミで振るが。
空から魔力を感じる。
チャールズと同時にピノッキオから離れる。
ドンっと何かが落ち、土煙が上がる。
土煙で姿は確認が取れない。
「気をつけろ!こいつは、桁違いだぞ!」
チャールズが慌てるのも分かる。
今まで見たキャストの魔力が違う。
相手はS級のキャスト。
ネモフィラは大ハサミを構え直す。
土煙が晴れた。
白いベールをつけた長い金髪。青い瞳。ガラスの靴が見える白いドレスをなびかせた女だった。
明らかに彼女はキャストだった。鋭い目で見つめる。
「悪いけど、こいつは私が引き取るから」




