第26話 モニカからのお願い/ヒメカ
「フフフ、魔力値ゼロなんて関係ありませんわ。あれだけの剣術能力があればそれで十分じゃないですか。私にはわかります。あの剣術大会……カズヒト様は全然本気を出されていなかったということを……」
「えっ?」
「もし本気を出されていればカズヒト様と対戦された方々は全員大怪我をしされていたでしょうねぇ? なので私にはカズヒト様の強さと優しさがヒシヒシと伝わっていましたよ。なのでそういった振る舞いを見て私はカズヒト様の大ファンになったのですから……」
うーん、やはり分かる人には分かるのね。さすがはこの若さで最上級神官になっただけのことはあるわ!!
でもカズヒトの大ファンを公言するのだけは止めてくれないかしら。
「あ、ありがとうございます。モニカさん……いえ、モニカ最上級神官様」
「うーん……」
ん? モニカが目を閉じて何か考え事をしているけど、どうしたのかしら?
「カズヒト様!!」
「え? な、なんでしょうか?}
「カズヒト様に私から2つのお願いがあります」
「え、俺にお願いですか?」
な、何!?
カズヒトに何をお願いするのよ!?
「はい、私からのお願いですが、私達は同い年なのですから今後、私のことは『モニカ』と呼び捨てにしてください。そして私との会話では一切敬語はお止めくださいませ」
「え!? で、でもあなたは俺に対して敬語を……」
「私はいいのですよ。この話し方は幼いころからで、昔から誰に対しても敬語でお話をしております。今更、変更は無理でございます。ですからカズヒト様はどうか、お気になさらず私には『ため口』でお話しいただきたいと思います」
なーんだ。大したお願いごとではないみたいで良かったわ。
「でも……」
真面目なカズヒトだからいくら本にからの希望でも困惑するよね。
「是非、お願いします!」
でも最後にモニカからの力強い言葉に根負けしたカズヒトは……
「あ、ああ分かった……そうさせてもらうよ……モニカ……」
「キャーッ、カズヒト様に呼び捨てされるなんて嬉しいです♡ 」
最上級神官が「キャーッ」って言いながら飛び跳ねないいでくれないかしら!?
あなた実はそんなキャラだったの!?
い、違和感が凄過ぎるわよ!
あ、そうだ。そういえば私もモニカに確認したいことがあったんだわ。
「ところでモニカ? もし良ければあなたの各能力値を教えてくれないかしら? 最上級神官の能力値って凄く興味があるし……」
「ええ、別に構いませんよ。隠すほどのことでもありませんので……私の魔力値は97ありまして身体能力値は68でございます。そして私が得意とする魔法は『回復魔法』全般です。ただ、それとは別に私は生まれつき『自然を操る力』も持っております。これに関しては言葉では説明しづらいですが……あとここ数年はこの世界で使用する人間が存在していないと言われている二大魔法の1つ『蘇生魔法』を取得すべく日々、修行に励んでおります」
「そ、蘇生魔法だって!?」
カズヒトが驚くのも無理ないわ。
私も彼女に聞きたいことが増えちゃった感じがするし……でももうそろそろミサが始まる時間だし、それに今日はミサ終了後、用事があるから直ぐに宮殿に帰らないといけないし……うーん、どうしよう……
よし、とりあえずは……
「凄いわね、モニカ……もっとあなたのことを深く聞きたいのだけど今日は時間が無いから今度、時間がある時に王宮に来てくれないかしら?」
「えっ、構わないのですか!?」
「ええ、構わないわ。是非来てちょうだい。あなたが言っていた生まれつき持っているという能力や『蘇生魔法』について色々と話を聞いてみたいから……」
私がモニカの能力に興味を持った理由……
それはいずれ来ると予言されている大きな戦争、それにそのあと絶対に避けられないと書き記されていた大陸滅亡……それ等の阻止に彼女の能力が必要不可欠になるのではないかと直感したからだ。
だから私はヤーマ連合王国の王女として、モニカがカズヒトのファンだという許しがたき部分を差し引いてでも彼女とはこの先も交流はしておくべきだと思った。
「それでは喜んで王宮に行かせていただきます! そしてその際には是非ともカズヒト様にも会わせてくださいませ~っ!!」
「それは無理ね」
「え――――――っ、何でですか~っ!?」




