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第25話 妖艶の美女モニカ/ヒメカ 

 ムーア教・最上級神官『イズー・モニカ』……


 カズヒトとアスカール教会のミサにお忍びで訪れたけど、まさか、あんなにも妖艶な美人神官が赴任していただなんて……


 それもカズヒトの大ファンを名乗るだなんて……


 最悪だわ。


 大陸滅亡阻止を絶対神ムーア様にお祈りする為にカズヒトにも無理を言って一緒に来てもらったけど……来るんじゃなかったと思っている今の私はバチが当たるのかしら?


 いえ、当たるのかしらじゃないわ。


 このムチムチボディーのモニカの登場こそが、さっきカズヒトが言っていたバチに違いないわ! そ、それに何故だかアルスまでこの場に来ているし……


 妖艶の美女と美少年のコラボなんて……やっぱり最悪としか言いようがない。



「それでカズヒトは自分だけでは私を護衛するのが不安に思いアルスにも陰からの護衛を依頼したということなのね……?」


「ああ、そういうことなんだ。黙っていてごめんよヒメカ……」


 私に黙って護衛を頼んでいたのはちょっと気に入らないというか寂しい気持ちがする……それに私はこの国で魔力値が2番目に高いのよ。護衛なんていらないというか、カズヒトが傍にいてくれるだけで十分だったなのになぁ……


 でも……


 アルスを護衛につけてくれたのは私を想う彼の優しさからだし……カズヒトは自分が魔力値ゼロだということを常に気にしているから護衛に関して、特に宮殿の外となると不安があるというのも分からないわけではないし……


 そうよね。これくらいのことで私が目くじらを立てて文句を言ってしまったらカズヒトを傷つけてしまうかもしれないし、最悪もしカズヒトに嫌われでもしたら……


 喜ぶのは『自称カズヒトファン』のあの女だけじゃない!!

 それだけは避けなければ。


 だから……


「ううん、私のためにアルスまで借り出してくれて逆にお礼を言わないと。ありがとう、カズヒト……それにアルスもありがとね。ミサが始まったらアルスも少しは休憩しなさいよ」


「ヒメカ……」「ヒメカ王女……」


 2人とも瞳がウルウルしているけど、なんだか罪悪感が……もしかして私は腹黒王女なのかしら……? 私の方が少し凹みそうだわ。


 そんな複雑な心境の私にモニカが笑顔で話しかけてくる。


「さすがヤーマ連合王国王女ヒメカ様です。心がお優しいといいますか、心がお広いといいますか、わたくし、感銘いたしましたわっ!!」


 なんか歯に衣着せぬ言い方に聞こえるけど……


「こ、これくらいのことを言うのは王女として当然のことだわ」


 それにあなたに感銘されても全然嬉しくないんだからね。


「なるほど、申し訳ございません」


「いえ、気にしないでちょうだい」


「はい、ありがとうございます、ヒメカ王女。それでは、そろそろミサが始まる時間でございますのでどうぞ教会の中にお入りください。本日はヒメカ王女とカズヒト様のために最上段に席をご用意しておりますので……」


「分かったわ。それではカズヒト行きましょうか?」


 ん? カズヒトが何か言いたげな表情をしているけど、どうしたのかしら?


「あ、あのぉ……モニカさん?」


「何でしょうか、カズヒト様?」


「それ、それですよ。何で俺のことを『様づけ』するのですか? 俺はヒメカ王女の護衛役をしている一部下です。それに比べてあなたは最上級神官様ですのに……」


 なるほど、カズヒトは彼女の自分に対しての呼び方に違和感を感じていたのね。

 しかし、ほんとカズヒトって真面目な人だなぁ……

 まぁそういったところも含めて大好きなんだけどね。


「フフフ、私は幼き頃から尊敬する方には自然と『様』をつけてしまうのですよ。だからどうぞカズヒト様はお気になさらないでくださいませ」


「いや、気になりますよ! 俺は剣術大会で優勝はしましたがご存じの通り、この国唯一の『魔力値ゼロの男』なのです。最上級神官のあなたに尊敬されたり様付けされる資格なんて到底ないというか……」


 うわぁ、カズヒトはやっぱりソレを気にしていたのね!? 

 魔力値が0でもあれだけ強いのだからそこまで気にしなくてもいいのに……



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