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第24話 最上級神官/カズヒト

 俺達は事前に裏門から入ると教会関係者に伝えていたので教会正面の大きな門からではなく裏門へと向かっていた。そしてしばらく歩いていると裏門が見えてきたが、その門の前に神官らしき人間が立っている。


 ん? あの神官……女の人だな。

 それも……かなりの美人でスタイル抜群……


 長い黒髪がとても良く似合う『日本人』に近い顔……でもやっぱり黒髪が一番似合っているのはヒメカだけどな。


 俺達に気づいた女性神官は深々と頭を下げているので俺達も顔を隠していた布を外してから軽く頭を下げた。そして彼女は俺達に声をかけてきた。


「お待ちしておりました、ヒメカ王女。今日はよくいらしてくださいました。それにお連れのカズヒト様も……」


「え? 俺のこともご存じなのですか?」


「はい、勿論存じ上げております。私はカズヒト様の大ファンのですので」


「 「えーっ!?」 」


 俺だけではなくヒメカまでが驚いた声を出していた。するとヒメカは俺の前に立ち、俺がのちに名付けた『超警戒オーラ』を発令しながら彼女に声をかける。


「あ、あなた見ない顔ね? 前の『上級神官』が体調を崩されて新しい神官が総本部から派遣されたと聞いていたけど、まさかあなたが……」


「申し遅れました。私は先日、この『アスカール教会』に赴任してまいりました『最上級神官 イズー・モニカ』と申します。まだこの街に来たばかりですので分からないことが多くご迷惑をおかけすると思いますが何卒よろしくお願い致します。ヒメカ王女……それにカズヒト様……」(ニコッ)


「 「!?」 」


 何だ、最後の俺に向けた笑顔は!?

 特にヒメカの前では止めてもらいたいのだが……


「コホンッ」


 ヒメカが軽く咳ばらいをしているが、これはヒメカが心を落ち着かせるためによくするクセだ。まぁ、こんな美女が出会って直ぐに俺のファンなんて言えば心も動揺するだろう。


 俺だって目の前にヒメカのファンが現れ言い寄ってでもした日にゃ魔剣に手が伸びて……って、せっかくグリゴスが作ってくれた魔剣で初めて切った相手がヒメカのファンというのもどうかと思うが……


 いずれにしてもヒメカは目の前にいる『イズー・モニカ』を最大のライバルと認証したのだろう。でもここは王女らしく振舞うべく心を落ち着かせ少し引きつった笑顔でモニカに話しかける。


「最上級神官がアスカール教会に赴任されるなんて珍しいわね。それにしてもあなたお若そうに見えるけどおいくつなのかしら? 私が知っている最上級神官達は皆、年配の方ばかりだったから……」


「はい、私は現在25歳……そちらのカズヒト様と同い年であります」(ニコッ)


 だからその笑顔を俺に向けないでくれ!!

 で、何で俺の年齢を知っているんだ!?


「コホンコホンコホンッ……へ、へぇ……25歳……しかし20代で最上級神官だなんて凄いわね。ヤーマ連合王国初じゃないかしら?」


「そうですね。私は23歳の時に最上級神官に任命されまして、昨年までは私が最年少最上級神官の記録を持っていました。しかし今年の春に同じ連合国『アトラ王国』出身である22歳の若者が最上級神官になられましたので私の最年少記録は破られてしまいましたが……」


 22歳で最上級神官!?


 俺は『絶対神ムーア』を信仰しているわけではないので最上級神官がどれだけ凄いのかはよく分からないけど、ヒメカが言っている通りならある程度の年数をかけないとなれないレベルなのは分かる。


「そ、それで『本題』に入るけど……」


「え? 今のが本題ではなかったのですか?」


 モニカ、君は甘いな。ヒメカが本当に聞きたいのは……


「で、あなたは何でカズヒトのファンなの? 見る限りカズヒトと何の接点も見受けられないんだけど!」


「ああ、カズヒト様のことですか? フフフ……理解しました」


 モニカは何を理解したんだ?


「何を理解したっていうの?」


「ですから私が何故、カズヒト様のファンなのかですよね? それは前に行われていました『剣術大会』でカズヒト様の雄姿を見てっても感銘を受けまして……今でもあの雄姿を思い出すと身体が震えてくるといいますか……」


 オイオイ、モニカさん、最上級神官とあろう人がそんな、グラマラスな身体をグネグネ動かすもんじゃないだろ?


「あ、あなたもなの!? ってか、そんなに身体をグネグネ動かさないでよ!」


「え? ヒメカ王女もですか?」


「わ、私は違うわよ!(私は出会った時からよ!) 他にも彼の剣術を見て弟子を懇願してきた子がいてさ……」


 サッ!!


 ん!?


「その弟子を懇願したの、僕、僕のことだよお姉さん!!」


「アルスお前!?」


「な、何でアルスがここに居るの!?」

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