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第15話 滅亡と救世主/ヒメカ

 宰相からお母様の死の真相を聞いた時はとてもショックだった。


 お母様は最初からお父様の身代わりになるつもりで……

 そして私も含めたオーガ一族の血を守ってくれたのだ。


「セリカはこれから起こるであろう『最後の未来』も私同様に知っていた。だから彼女はオーガ一族の血を守るために自らを犠牲に……」


「え、最後の未来とはどういうことですか?」


「ヒメカ、予言書に書いている2045年から2051年の予言を読んでみてくれ」


「はい、分かりました」


 私はお父様がおっしゃった2045年から2051年の予言を読んだ。すると……


「えっ!?」


 私は書いてある内容が衝撃過ぎて予言書を持っている手が震えだす。


 ●2051年、ヤーマ連合王国は大きな戦いで敗戦し滅亡する。

 ●2052年、ムーア大陸は消滅し全ての人類は滅亡する。

 但し、オーガ一族の血が絶えていなければ異世界人が『救世主』となり戦争に勝利するであろう。また大陸の消滅は免れないが人類滅亡だけは『救世主』と『オーガの血』により奇跡が起こり免れるであろう。



 ヤーマ連合王国が大きな戦争に負けて滅亡するですって!?

 それにムーア大陸が消滅して人類滅亡ってどういうことなの!?

 でもこれ等を免れる方法も書かれているけど……


 異世界人が救世主?

 異世界人って誰のこと? もしかしてカズヒトのことなの?

 カズヒトがこの国の『救世主』ってことなの!?


 それと人類滅亡を免れるのは『救世主』と『オーガ一族の血』……

 これはどういうことなのかしら……全然意味が分からないわ!!


 私は頭の中が少しパニックになっていた。


「ヒメカ……この予言を読んで色々と思うところ、言いたいことがあるだろうが、その前に私の話を聞いてくれないかい?」


「は、はいお父様……」


「予言書の内容は理解はしただろうがヒメカにとってショックな内容だと思う。私もこの予言を知った時はショックだったからね」


「そ、そうですね。かなりショックです……」


「これだけ科学技術が発展しているこの国が……11ヵ国もの国で成り立っている超大国の連合王国が来年に起こるとされている大きな戦いで敗戦し滅亡する。これだけでも衝撃だが、その1年後にはムーア大陸全体に何らかの異変が起こり、大陸消滅と共に人類が滅亡してしまうとは……」


「は、はい……想像しただけで恐ろしいです」


 でもそれらを免れる手段も予言書には書かれていたけど私には『オーガ一族の血』と『異世界人の救世主』がどうすれば奇跡を起こせるのか、また奇跡とはどんな奇跡なのか考えることができない。


「5年前、私は彼に出会った時から戦争でこの国を救ってくれる『救世主』はカズヒトだろうと思っていたんだ」


「え、そうなのですか!?」


「ああ、そうだ。ヒメカも薄々は感じているだろう? 彼の身体能力値が未だかつてないほどの999……この数値が全てを物語っている。これだけの能力があれば魔法など必要ないだろうし、剣術も先日の大会を見て分かる通りおそらく大陸トップクラスだ……」


 私はカズヒトを……


 自ら好んで異世界からこの世界に転移して来たわけではない彼を……心から愛している人を危険な戦争に巻き込みたくないという気持ちが沸いてくる……だから……


「で、でもお父様、予言書にはそう書いていますが、ヤーマ連合王国は敵対国には無い科学技術があり兵器も攻撃魔法に匹敵する能力があるのに何故カズヒトが戦わなければ戦争に勝てないのでしょうか!? これまで2000年もの間、一度も外敵との戦争で負けたことのないヤーマ連合王国が……私には想像ができません!」


「私だってこの国が戦争で負ける想像はできないよ。でも予言書に書かれているということは私達が予想もできないようなことが戦いの中で起こり、それが原因で敗戦してしまうのではないかと私は解釈している。ヒメカも予言書は絶対だというのは理解しているのではないか?」


「……は、はい、それは……そうですが……」


「それと口に出すのも嫌ではあるが、仮に戦争相手が魔族帝国や魔法連邦国だった場合、我々ヤーマ連合王国の人間は一人残らず殺されるか生かしてくれたとしても全員、奴隷にされるだろう。だから予言書には『滅亡』と書かれているのだと思う……」


「しかし戦争に負けたとしてもその後に待っているのはムーア大陸の消滅、人類滅亡なんですよね!? この予言も絶対なら戦争に勝っても負けても私達は1年程度しかこの大陸で暮らすことができない……」


「そうだ。おそらく『消滅』という表現を使っていることからして何らかの自然災害、もしくはそれに近いことが起こるのではないかと推測できる。自然災害だけはいくら科学技術が発達してもある程度は防ぐことができても災害の発生を止めることはできない。大陸が消滅するほどの何かだからな。これは強力な魔法をもってしても到底防げないだろう」


 ただそれらを防げる方法も予言書には書かれている……でも……


「予言書に書かれている『大陸の消滅』は免れないが『人類の滅亡』は『救世主』と『オーガ一族の血』の奇跡によって免れることができるという意味がどうしても私には理解できません」


「今のヒメカには理解できないかもしれないな」


「え? お父様はこの件に関しても理解なさっているのですか?」


「まぁ、ある程度はな。でも私の考えが絶対とは言い切れないのも確かだ。でも『ヤーマ連合王国滅亡』そして『人類滅亡』を免れるための鍵を握っているのは異世界から来たカズヒトとオーガ一族の血が流れる……おそらく私ではなくヒメカ、お前達2人だと思っている」


 な、何ですって!?


 カズヒトだけではなく、私も鍵を握っているってどういうことなのかしら……?


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