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鎧を強化、大ネズミの革鎧。

 大ネズミが走る、それを追って走るユノ、山賊の鎧を着て走るユノは全身鎧のフォルスより速く、魔法使いが先頭を切って走っている。


 シャァ!

 ナイフを片手に猫の様に飛び掛かるユノ、その一撃がネズミの目を突き刺し、深々と刺さる獲物を引き抜き、息を吐いた。


・・・「っておかしいだろ!私、魔法使いだぞ!

 なんでこんな獣みたいな戦い方をしなきゃいけないんだ!」


『仕方ないだろ?大ネズミの皮が必要なんだから』

 オレ[鎧]を手っ取り早く強化する為だ、ほかにも洞窟かたつむりの殻とか、素材はいくら有っても足らない。


(今は何でも取り込んで見たいんですよ)

 生まれたての赤ん坊のように、喰える物と喰えない物の区別が付いていない。


(それどころか反応が有る物すべて、喰って吸収したいって思ってる。まるで貪欲な魔物みたいだな・・・)


 本当に人間じゃ無くなったんだな・・・おれは。

 それとも元々人間じゃ無かったのか?

 鎧のオレが人間になった夢を見ていたのか、それとも死ぬ前のオレが鎧になった夢をみているのか・・・


「オイ!大ネズミが片づいたぞ!皮ってどうするんだ?そのまま取り込むのか?」

『すまん少し考え事をしてた、、ってユノくん、オレは大ネズミの死体が欲しいんじゃなくて、大ネズミの皮が欲しいんだ。ちゃんと解体して皮を剥いで貰わないと』


「・・・・・・」

 すごい悪感情、嫌悪とか拒否感が『ざわ・・ざわ・・ざわ・・』って感じますが。


『嫌だと言われも困るぞ、鶏を食う時は殺して羽根を毟る、豚を喰う時は殺してバラす、大ツノ鹿とか大兎とかも殺して解体して喰うし皮とか角とかを利用するんだろ?

 大ネズミはダメとか、お前は動物差別主義者か?』


 あれはダメこれは嫌とか、子供じゃないんだ、我が儘はだめだぞ?


『正し猫はダメだ!猫を虐めるヤツはオレが・・世界が許さん!

 猫という至高の生き物は可愛がる物であって、食べたり虐めたりする事は万有引力と質量保存の法則が許さんからな!』

 耳とか肉球とか口に入れて、はむはむしたいと思う感情は理解するがね。


「・・・お前の言う事は、平等主義なのか差別主義なのか解らんな」

『お前バカだろ!差別と区別は違うんだぞ!

 猫!可愛い!柔らかい!暖かい!つまり良い生き物!至高!


 それ以外の生き物・・・喰えるか喰えないか!肉。

 その程度の事も解らないのか?』そんなのバカだと思われても仕方ないぞ?


 言訳する前に手を動かすんだ、喉の所にナイフを入れて横にして・・次ぎはTの形になるように腹を縦に・・尻尾はちょん切って。。。


 感情が死んだようなユノは、無感情のままで手を動かし皮を剥ぐ。


『頭は残しても良いぞ・・・まあこんなもんか』

[大ネズミの毛皮]

 内側にはまだ脂が着いているから、石灰水か灰水で良く洗って欲しいが、あまり手間を掛けても、結果が良く無ければユノがブチ切れるかも知れないし。


(手間と結果・リスクとリターンが釣り合って無ければ、仕事ってのは喜びも達成感も意味も無いから)


 [べとっ]とか[べちょ]って質感の大ネズミの毛皮に意識を集中。。。


 洞窟の床に紫の法陣が浮かび、毛皮が沼に沈むように落ちて行く。

[大ネズミの毛皮 品質・普通]1


『あと2匹分頼む、解体は丁寧にな』

「てめぇ!ブッ殺すぞ!」

 すごい怒ってる、なんだ腹が減っているのか?ネズミ肉は喰わない方がいいぞ?


『自分の鎧を叩いたり、無理に剥がそうとしたりして、無駄な事を』

 契約してるんだ、一方的な破棄など許される訳が無いだろ?

 約束は守る物であって、一方的に破棄して良い物じゃないんだよ?


「は~は~は~・・良いか、これでくだらない強化だったら絶対に燃やしてやる!

 部屋に帰ったら、スペアの杖で鎧の端から燃やしてやるからな!」


 自分の装備を燃やそうとか、それでも魔法使いですかねキミ。

 魔法使いは常にクールで冷静に状況判断しないといけないんじゃないのか、解らない。


「まあいい、大ネズミを探すぞ」

「それは大丈夫だユノ、大ネズミなら私が狩って来てやったからな」

 ズルズルと肉袋を引き摺ってきたフォルスさんは、血塗れの肉袋[大ネズミの死体]×3をユノに引き渡して・・1歩下がった。


「・・フォルス、解体を・・」

「それは勘弁してくれ、バッチイから」

「そのバッチイのをやらされているんだけど・・・」


 さらに距離をとるフォルス、全身鎧の重装備でなんいう素早さだろうか!


『解体する前に死体の状態を見ていた方が良いぞ、毛皮に傷が有ったら品質が下がるからな』

「・・・・」返事がない・・・感情を殺した屍のようだ!


・・・・・・・・・・・・

『と言う訳で、死んだ大ネズミには感謝を!

 キッチリ成仏したら、来世は愛されるネズミになってくれ』

  

黄色い電気ネズミとか、世界中にランドを持つ市長ネズミ・・とまでは言わないが、寒くなったら温泉に入る大ネズミくらいには愛されネズミになれるといいね。


『・・やっぱりか、ローブの素材じゃなくて鎧の方の素材だったか』

 素材を吸収し強化した鎧は

 [貪食な山賊の鎧 並]防御+4俊敏+5[斧装備・腕力補正 弱][毒耐性][病耐性]だった。


 肩や背中、腕と足に大ネズミの毛皮が張り付き、防御力と俊敏さが上がっていた。

「なぁ!私は魔法使いだぞ!わかってんのか!」

『良いじゃ無いか、毒耐性だぞ!病にも耐性があるってすごい事だぞ!』


 毒はヤバイ、体力は奪われるし動きだって鈍くなる、治すには[解毒]の魔法か早い段階での毒消し、しかも草木の毒だけでも数種類も必要なんだぞ。


『ゴブリンの使う腐毒・茸の菌毒・蟲の毒だってあるんだからな!』

 とくにゴブリンの毒はヤバイ、あいつら自分の糞と小便で動物の内臓を漬けて腐らせた腐汁を武器に塗ってくる、その毒が傷口から侵入したら普通に死ぬぞ?

 

 運良く助かったとしても時間がかかれば後遺症が残る、アレルギーで身体の一部が麻痺したり弱い毒でも全身に痒みが出たりするんだ。


「・・わかったよ、ったくこの鎧は変な知識ばかり・・」


 説得に成功したオレは自分の内側を確認、毒耐性以外に何か無いかなぁ~~って


(?[貪食]?スキルポイント15も使うのか、なんだろかこのスキルは。

 気になる・・すごく気になる、けどスキルポイント15か、、こう言うのって最初が大事なんだよなぁ)

 レベル5で壁があるらしいし、他の魔物を取り込んで強化したらもっと凄いスキルが現われそうな気もするし。


『保留だな』後は山賊の鎧と同じ[脅し][大声][銭の匂い][山の知識 下級]

 それと・・[憑依]の強化、[憑依洗脳][憑依傀儡]今はいらないスキルばかりだった。

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