怪盗ドリームキャッシュ
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「あなた、一体なんなんです?私達以外にあの空間に出入りできる存在なんて、いないはずですよ、それをあまつさえ入ってきて見ていたなんて、正気とは思えないです。世界の理が許しませんよ」
「そうだろうか?君は世界のことをどこまで知っている?宇宙が産まれた瞬間のことは?ビッグバン理論を信じているか?実際に見たことは?
まさか実際に見てないのに信じてるなんて言うんじゃないだろうな」
「それは……」
「その逆だよ、どれだけ理屈を捏ねようと、理論を述べようと、事実がそうではないと言っている、それこそが絶対の真実だよ」
「あなた、変な人です、超人を守る存在だって言ってたけど、あなた自身はどうなんですか?]
「俺は超人じゃない、ただの君たちのファンさ。俺が何故君たちの前に現れたのか、それは、君たち所謂魔法少女の夢のエネルギーを奪う存在が現れ始めているからだ、
その名は怪盗〈ドリームキャッシュ〉これも実際に見てみないと信じないだろうが、君たちの夢のエネルギーを金に変換出来る装置を発明した輩たちだ。
これに世界各地の魔法使いたちが迷惑しはじめている。魔法使いたちだけじゃない。魔法を使う人間たちと敵対する異形のモンスター、それが現実に侵食し始めているという弊害も出つつある、
これはなんとかしなければ我々の世界は侵略され、現実が崩壊する、これを止められるのは、君たちと俺たちだけだ」
「俺、たち……」
「そう俺たちは『超人機関』『超人を守る存在であり』世界の幻想を守り、それによって現実の平衡を守る存在だ」
「なんだか突拍子もない話ですね……」
「信じてくれなくても構わない、だが、これから君たちの前に現れるだろう、ドリームキャッシュは世界の為に排除しなければならない存在だ、俺はその為に君を監視下に置かさせてもらう、
構わないな」
「構わないなって……拒否権は無いんでしょ」
「ご明察」
「分かりましたよ、私はこれから学校ですご自由にどうぞ、でもプライベートまで監視するのはめっですからね」
「善処する」
「全く」
少女はそう言うと駅の中の人混みに消えていった。少年はその姿が見えなくなるまで、少女を見つめいた。