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少女人質籠城事件(前編)

連載開始の為の登場メンバー紹介的な話です。

すご腕メンバーの無駄遣いな感じ、いや女の子にとってはかなり大変な事態です。

トリプリンセスの活躍、楽しんで頂けたら嬉しいです。

(1)


籠城事件発生から約1時間。


「おっちゃんがコンビニ強盗に失敗して逃げた。

 で、逃げる途中に捕まえた子供を人質にして、つぶれたパチンコ店で籠城中なの。」


と、チーム「トリプリンセス」のリーダー、コードネーム:むぎこ が事件の概要を説明した。


《その程度の事件に何でにゃーなのにゃ?》


メンバーの1人、後方支援担当バックアップのコードネーム:にゃこ の疑問の声がイヤホンマイクから聞こえた。


「人質の女の子が喘息ぜんそくで、いつ発作を起こすかわからないから、だそうよ。」


むぎこ の返答に、


《あらまぁ、それは大変ですわ。

 即時救出なのですわ。》


メンバーの1人、遊撃担当アタッカーのコードネーム:おじょう が心配そうな声で返した。


「そうなの、それで私達って分け。

 だから、、。」


言い掛けた むぎこ の言葉をさえぎって、


《にゃにゃ、女の子の様子が変にゃ。》


電子双眼鏡でパチンコ店内の様子を確認していた にゃこ が慌て気味に発した。


「にゃこ、女の子がどうしたの?

 映像、こっちに。」

《あの感じ、NC(ネイコ)じゃないかにゃ。

 しかも赤っぽいにゃ。》

「確認したは、たしかにヤバそうね。」


にゃこ の見ていた女の子の様子をモニターで確認した むぎこ も同意し、慌て始めた。


人質の女の子がNC、ネイチャーコール状態。

つまりは”トイレに行きたい”、しかも赤、かなり切迫してきているようだ。

喘息ぜんそくの発作どころではない超緊急事態。

これは大急ぎで助けなければならない。


『ドローン、いけそうね。』


店内の状況を確認し、使えると判断した むぎこ が、


「おじょう、聞いてたわね。

 3分以内に終わらせましょう。」


言いながら、超小型の偵察用静音ドローンを飛ばした。


《おまかせあれですわ。

 女の子に恥をかかせるなんて言語道断なのですわ。》


答えながら走っていた おじょう が入り口の横に到着し、しゃがんでゴーグルを装着した。

その頭上をドローンが通り過ぎ、店内に入っていった。


店内の様子をドローンのカメラでモニタリングしながら、


「それじゃ、ショコラタルト!」

※ショコラタルト:チームで使っている作戦開始を意味する言葉


むぎこ が作戦開始の号令を発した。


(2)


「うう、、ぐすっ、、ずずっ、、。」


顔をぐしゃぐしゃにして泣いていると、


「うるせぇ、静かにしてねぇとぶっ殺すぞ!」


男に怒鳴どなられ、


「ひぐっ。」


なんとか鳴き声を抑えた。


「ったく、なんでこんな事に、、。」


男は電話しながら文句を言っている。

かなりイライラしているようだ。


「あ、あの、、。」


もぞもぞ体を動かしながら声を掛けようとしたが睨まれ、


『まま、、はやくきて、、おしっこ、、もれちゃうよぉ、、。』


心の中で助けを求めながら必死に耐えていた。

少し前からトイレに行きたくなっていたが、行かせてもらえる雰囲気ではなかった。

助けが来るまで我慢しないと、そう思っていてもどんどん苦しくなっていく。


”もらしてしまう”


そんな最悪の事態が頭をよぎった時、目の前に何かが飛んできた。

それは小さなドローンだった。

見ているとドローンの底部が光って、女性の胸から上の3Dホログラムが現れた。

そして映像の女性が、


┌──────────┐

│ みえてる?    │

│ みえてたら2かい │

│ うなずいて    │

└──────────┘


と書かれたタブレットの画面を見せてきた。


こくこく


うなずくと文字が書き換えられた。


┌─────────────────┐

│ すぐにたすけるから       │

│ もうちょっとがまんしてね    │

│ それと、ちょっとおおきいおとが │

│ するかもだから         │

│ ぐってちからいれててね     │

└─────────────────┘


こくん


うなずくと女性の映像が消えた。

そして、びっくりして失敗しないようにぐっと力を入れて、


『はやく、はやく。』


目を閉じて心の中でつぶやきながら、助けを待った。


(3)


ドローンの操作をして店内の状況を確認しながら、


「にゃこ、エイドトランクを持っていって。」


にゃこ に指示を出すと、


《おっけーにゃ》


すぐに返事が返ってきた。

むぎこ はドローンを男に見られないように女の子の前に移動して、リアルタイムで上半身を3D表示させた。


「えっと、、。」


つぶやきながら、タブレットの画面にタッチペンで、


┌──────────┐

│ みえてる?    │

│ みえてたら2かい │

│ うなずいて    │

└──────────┘


と書いて画面を見せると、すぐに女の子が2回(うなず)くのがモニターに映った。


「よしよし。」


つぶやきながら書き換えて、


┌─────────────────┐

│ すぐにたすけるから       │

│ もうちょっとがまんしてね    │

│ それと、ちょっとおおきいおとが │

│ するかもだから         │

│ ぐってちからいれててね     │

└─────────────────┘


画面を見せた。

女の子がうなずくのを確認すると映像を消し、男の様子を確認する為、ゆっくりドローンを移動させた。


(4)


《それじゃ、ショコラタルト!》


にゃこ のイヤホンマイクから むぎこ の作戦開始の号令が聞こえた。

おじょう が店の中に入って行くのが見える。

その時、


《にゃこ、エイドトランクを持っていって》


むぎこ の指示が聞こえた。


「おっけーにゃ。」


マイクに返事しながら駆け出した。


「うにゃー、いっそぐにゃー!」


楽しそうにつぶやきながら大急ぎで むぎこ が指揮車に使っている車に戻った。


ガチャ


トランクルームを開け、大型のトランクケースを出した。

地面に置いてトランクルームを閉じる。

エイドトランクを開け中をざっと確認した。


「うにゃ、問題なさそうにゃ。」


パタン


閉じたエイドトランクを、


「どっこい、にゃ。」


背負い、


「いまいくにゃ、待ってるにゃー!」


つぶやきながらパチンコ店に向かって駆け出した。

想定より長くなってしまったので分割しました。

是非、後編も読んで下さい。

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