四使徒たちの仁義無き遊戯
「ブラッドラスト・リザレクション――蘇りの吸血鬼王と宿命背負う聖女――」(https://ncode.syosetu.com/n2530eu/)のエイプリルフール番外編です。
この度Twitterでの四使徒人気に興じて書いてみました。
※あくまでもエイプリルフール企画の小説なので、本編でもその通りの事実があったとは限りません。
※キャラ崩壊がとてつもなくひどいです。本当にひどいです。特にゼヘルとカインのキャラ崩壊がひどいので、彼らが好きな方は特にご注意ください。
※BLを匂わせる描写、男性キャラの女装を内容として含んでいるため、そういった描写が苦手な方は速やかにブラウザバックすることを推奨します。
※一部第4章のネタバレを含みます。ご了承ください。
「ねえねえ! 突然だけど王様ゲームしない!?」
彼女が輝いた瞳でそんな話を切り出してきたのは、とある日の午後のことだった。
「……フォルトゥナ? いきなりどうしたんだい?」
「確かに、今日は皆非番であるが故、暇ではあるのだが……」
「というよりも、『王様ゲーム』って何なんですの?」
突然フォルトゥナに提案を持ち掛けられた他の四使徒は皆、目を丸くして彼女の方を見ている。
そんな彼らに、フォルトゥナは胸を張りながら返答した。
「だって今日は早急の任務も無いし暇なんだもん。本当だったら外に出て買い物なり散歩なり行きたかったけど、生憎外では雨が降ってるし。だから暇潰しにちょっとした遊びをやろうと思って」
「暇な時間があったら溜まっている書類の整理をするけれどね」
「自分も鍛錬の時間に当てる」
「アタクシもユークリッド様のことを愛でに参りますわ」
「それは君たちがいつもやっていることじゃん。あとラリッサ気色悪い」
「何ですって!?」
眉を吊り上げ抗議するラリッサは無視し、フォルトゥナは話を進める。
「だから、今日はフォルが君たちに新しい遊びを提案しようと思って! ちょっとしたゲームだからいい暇潰しになるし、それに普段はギスギスしているみんなの仲を深める機会にもなるよ!」
「そのギスギスしている原因には貴女も大いに関わっていらっしゃいますけれども」
「う……と、とにかくやろ! というか絶対にやらせる!」
ラリッサの痛い反論に一瞬狼狽えた様子を見せたものの、それを強引に振り切りフォルトゥナは四使徒たちの前に四本の棒が入った筒を突き出した。
「成程。これで貴下らの眼球を潰し合う、と……これが『王様ゲーム』なるものか」
「そんな物騒な遊びじゃない! 確かにフォルたちは眼に傷を負ってもすぐに治るけど!」
「自分の眼帯の下を見たとしても言えるのか?」
「君の眼帯の下にある傷は吸血鬼化する前に負ったものじゃん! というかゼヘルってこんなにボケる奴だったっけ!?」
「まあまあ。そんなことをしている暇があるなら早くルールを説明してほしいな」
乱れた場をカインが鶴の一声で制す。
それに合わせ、フォルトゥナはゴホンと咳払いした後、王様ゲームのルールを説明した。
「えっと……まずこの筒の中にある棒には、先端に1から3までの数字が書いてあるものと、先端が赤く塗られているものがある。その棒をみんなで一斉に引いて、先端が赤に塗られた棒を引いた人がこの場における『王様』になれる。で、『王様』になった人は1から3までの人に何でも命令できるの。逆に1から3までの人は『王様』の命令に絶対に逆らっちゃいけない。たとえどんなにひどい命令でもこなさなきゃいけないって訳。……ここまでが大まかなルールだけど、何か質問ある?」
「自分たちは真祖様に仕える身であろう? 真祖様がこの場におらぬというのにこのような遊戯をする訳には……」
「あくまでこれは遊びだから! 流石に『死ね』とか『領土侵略せよ』とかみたいなユークリッド様案件の命令はダメだからね! 『秘密を暴露しろ』とか『城内一周してこい』とか、そんな軽い命令をし合って遊ぶだけ!」
「……今はユークリッド様はお部屋でお休みになられているからこっちの様子に気付いておられないとはいえ、もし白日に晒されたら大変なことになるような気が……」
「だからさっさとやるの! ユークリッド様のいぬ間に洗濯だよ!」
「……本当に聞き分けの悪い子ですこと」
渋る四使徒に対し、強引にフォルトゥナは押し切る。ずいと眼前に筒を突き出し、それぞれに無理やり棒を引かせる。
「はい、これで全員引いたね!」
「無理やり引かせているだけのような気がするのだが……」
「で、王様誰? 先が赤い棒持ってる人、挙手して」
「あ、僕だね」
挙手をしたのはカインだった。
「命令、か……。どうしようかな……」
「あ、指名する時は1から3までの番号でお願いね。フォルたちの本名言ったら駄目だよ」
「うん、分かった」
しばし悩んだ様子を見せた後、カインはおずおずと命令を下した。
「えっと……じゃあ『1が異性の恰好をする』で」
「わー、初っ端からなかなかえげつないね……。で、1は誰? あ、フォルは違うよ」
「アタクシでもありませんわ」
「……え、待って。つまりそれって……」
「……」
この場にいる全員の視線が、一斉にゼヘルに突き刺さる。
全身を黒の甲冑で包み、左目に黒い眼帯を掛けた、長身かつ筋骨隆々とした偉丈夫に。
「……自分に、女装をしろと?」
「……うん、そうなっちゃったみたい」
「……っ、殺せ……!」
「ちょっとカイン、ゼヘル泣いちゃったけどどうしよう」
「でも命令は絶対なんだろう? 仕方無いけれど、やってもらわないと……」
すっかり王様ゲームのルールに慣れたのか、カインが困ったように笑いながら返答する。
が、彼の瞳に底知れぬ邪心が宿っていたことに、この場の全員が気付いてしまった。
「それに、女装をしたゼヘルってちょっと気にならないかい?」
「……」
そして、数分後。
「……着たぞ」
「ぎゃはははははははははははは!!」
ゼヘルが再び戻ってきた瞬間、フォルトゥナが大爆笑。
彼女だけでは無く、ラリッサもカインも珍しく爆笑していた。それだけゼヘルの恰好は酷いものだった。
「何なんですの!? その滑稽な姿!! とても四使徒一の硬派な男とは思えませんわ!!
「いくら何でも流石にそれは……!! メイド……メイド服って……!!」
そう、カインが言い示した通り、現在ゼヘルはメイド服を着用している。
しかもスタンダードなメイド服では無い。ラリッサが纏っているドレス並みにフリルが盛られ、フォルトゥナが履いているスカート並みに過度な露出がなされた、娼婦の方がまだマシな服装をしていると言ってもいいほど猥褻なメイド服であった。
「一応訊くけど、それ何処で手に入れたのさ!?」
「……以前ダインスレイヴの奴が冗談で手渡してきたものだ。皮肉だが、まさかこのような場で役に立つとは……」
「あー……確かに彼ならば充分にそんなことをやりそうだな……」
頭を抱えるカイン。しかしそれ以上に頭を抱えたいのはどう考えてもゼヘルの方のはず。
実際、ゼヘルは膝を抱えて落ち込んでいた。
「しかしこれはかなりの屈辱だ。蛮族に辱めを受ける女騎士の心境というものが分かったやもしれぬ……」
「気持ちは分かるけど面白いから次行こうか」
「うん、こんな恰好してるゼヘルとか面白すぎるよね。後でダインスレイヴに伝えよっと」
「……!? 頼む、それだけは……!」
「いいから早く進めませんこと?」
「あ、うん了解」
「話を聞かんか!」
メイド服のままのゼヘルを放り、王様ゲームは第二ラウンドに突入する。
自身へのあんまりな仕打ちに顔を歪めていたゼヘル含め、それぞれが棒を引いた。
「さて、王様は……」
「あ、フォルだ」
フォルトゥナの手中には先端が赤で塗られた棒が収まっている。
「うーん……どうしようかな……。さっき大事故が起きたから、ここは無難に『1が3の恥ずかしい秘密を暴露する』でいいか」
「それはそれで無難とは言い難い気もするのだが……ああ、今回は自分は外れたな」
2の数字が書かれた棒を手に、安堵の表情で頷くメイド服のゼヘル。
だが、ラリッサとカインはそれぞれ安堵とはいかないようであった。
「なるほどね……僕が1か……」
「……」
困ったように笑うカイン、そして露骨に顔を顰めて黙るラリッサ。
要するに、これからカインの口によってラリッサの恥ずかしい秘密が暴露されてしまうということである。
「……ラリッサ」
「……」
「今日もあの下着、身に付けているんだろうね」
「――な!?」
カインがそれとなく言った瞬間、ラリッサが唐突に焦りを見せた。
しかし、フォルトゥナとゼヘルには何故彼女が突然動揺したのかが分からない。それぞれが怪訝な顔をし、首を傾げている。
そんな理解不能といった体の二人に言い聞かせるように、カインは笑みを――とりわけ悪意の強い笑みを浮かべながら語り始めた。
「実はラリッサ、この前かなり際どい下着を身に付けていたんだよね。もはや紐と言っても過言ではないくらい破廉恥な、黒いブラジャーとショーツだった」
「「は……?」」
「そして何故僕がそれを知っているかというと、彼女が下着だけを纏った姿で城内を歩いていたからなんだよ」
「「は!?」」
一斉にラリッサへと注がれるフォルトゥナとゼヘルの視線。図星なのだろうか、ラリッサは真っ赤な顔を俯かせて肩を震わせていた。
そしてカインは、これ見よがしに話を進める。
「しかもそんな恥ずかしい下着姿で、何と彼女はユークリッド様のお部屋に向かおうとしていた。しかも夜中に、だ」
「……おやめなさい、それ以上は、」
「つまりラリッサ、君はユークリッド様の御元に夜這いを仕掛けようとしていたということだろう?」
「おやめなさいって言っているでしょう!?」
カインの痛い指摘を受け、ラリッサの怒りと羞恥が爆発する。
しかし反論しようと、すでにどん底にまで堕ちた彼女の評価は翻らない。フォルトゥナとゼヘルが生温かい視線を送っているところからも察せるだろう。
「へぇ……夜這い、ねぇ……。ラリッサも大胆だなぁ……」
「何なんですの!? その可哀想なものを見るような目は!」
「貴下、自分のことを笑う資格など無いではないか」
「変態女装をしている貴方にだけは言われたくなかったですわ!」
叫ぶだけ叫んだ後、泣きながら崩れ落ちるラリッサ。
しかし泣こうが喚こうが、この無情なゲームは終わらない。
「ほらラリッサ、次いくよ」
「まだ続けるんですの!? しかもカイン、貴方最初は嫌がっていたというのにいつの間にか乗り気になってらっしゃいますし!」
「いや……やってみると案外楽しいものだね、うん。四使徒の暗黒面が丸裸になるというのはとても快感だよ」
「貴方は悪魔か何かですの!?」
「吸血鬼だけど?」
「悪魔というのはものの例えですわ! 真に受けないでくださいまし!」
完全に乗り気になってしまったカインが、無理やりラリッサに棒を引かせる。今度もまた、彼女は王様ではない。2と書かれた棒だ。
そのついでにカインも棒を引く。
「あ、また僕が王様か」
「うわあ、強運だねカイン。フォルまだ一回しか王様引いてないのに」
「……自分のように一度も王を引けずに酷い目に遭っている者の存在を忘れないでもらいたいものだな」
「……ええ、今回ばかりはゼヘルに同情致しますわ」
ジト目で睨んでくるゼヘルとラリッサを差し置き、すっかり上機嫌になっているカインは命令を下す。
「流石に今回は大人しいものにするって。あまり突飛なものだと事故が起こりかねないし……という訳で『3が何か物真似をする』で」
「「「事故の予感しかしない!!」」」
奇跡的に、カイン以外の三人が異口同音で叫んだ。
「しかもフォルが3じゃん! やだよこんなゲーム!」
一番最初に提案した癖に、フォルトゥナは首を激しく振って駄々を捏ねる。
対してカインは、とうとう泣き出した彼女の肩に優しく手を置き、聖母のような笑顔で言った。
「命令は絶対。やれ」
……訂正。聖母の皮を被った悪魔の笑顔だった。
その恐ろしさは、フォルトゥナにも如実に伝わったらしい。びくりと身震いした後、すごすごと退き下がった。
「……ああ、もう! こうなったらやってやる! それで文句無いでしょ!?」
「最初から大人しく受け入れてほしかったんだけどなあ」
「あんな拷問に近い命令、大人しく受け入れられる訳ないじゃん馬鹿!」
感情に任せ怒鳴るフォルトゥナ。反論しつつも渋々と了承した彼女は、咳払いをした後神妙な顔を形成。
「……じゃあリクエストにお応えして物真似やるからね。題して……『入浴なさっている最中のユークリッド様と、その時のユークリッド様に付き添っているカイン』」
『ユークリッド様、お背中お流し致します』
『うむ。貴様は真に献身的な配下よのう……っ、あっ、なかなかに心地良い。多少強く擦っても問題無いぞ?』
『では、お言葉に甘えて……』
『っ、ふ……あっ、良いぞカイン……。貴様の手付き、たいそう気に入った……っ』
『大変嬉しきお言葉、感謝致します。……あと、もう少し下の方をお流ししてもよろしいでしょうか?』
『無論。……っ、貴様の手で洗われるのも悪くは無いからな……っ、ふふ、もっと愛撫しても良いのだぞ? 例えば、余の敏感な箇所に手を触れたり……な』
『左様でございますか。ならば――』
「――どういうことですの、これは」
物真似というよりも寸劇に近い茶番劇をまだフォルトゥナが演じていた最中、ラリッサが横から口を挟む。
それはそれは底冷えのする声をフォルトゥナに――否、フォルトゥナの隣にいたカインに向けていた。
「カイン・シュローセン、これは事実でして?」
「いいや、事実じゃない。たぶんこれはフォルトゥナの捏造だ」
先ほどまで悪魔の笑みを浮かべていたことが嘘であるかのような蒼白な顔で、カインは必死に首を横に振る。
が、
「え? だってこれ、フォルがたまたま深夜に浴室の辺りを通った時に聴こえてきた奴だよ?」
「自分も聴いたことはあった。あの中で何が行われていたのかは知る由も無かったのだがな」
フォルトゥナもゼヘルも、カインの弁解には全く同意しない。双方共に、きょとんとした表情で否定に否定を重ねたのだった。
無論、二人の反応を受け取るや否やラリッサの憤怒は悪化する。
「カイン・シュローセン、貴方は同性でありながらユークリッド様に対し色目を使っただけでなく、その事実をアタクシたちに隠蔽するために嘘を吐いた。そのような罪深き貴方を赦すことなど、ユークリッド様第一主義のアタクシにできるとお思いでいらっしゃいますの?」
「君以上にユークリッド様第一主義なのは、何を隠そう四使徒筆頭の僕のはずなんだけれど」
「謝罪すらしないということでいらっしゃいますのね。ならば――」
刹那、扉と窓が閉じた部屋の壁と床を、いつの間にか芽吹いた無数の荊が一斉に突き破った。
「――大人しく死になさい」
これぞ、閉鎖空間においては無敵の力を誇るラリッサの異能「荊姫の檻」。
本来は籠城戦や侵入者の駆逐のために使われるはずの異能が、今は彼女の機嫌を害した同胞の男の抹殺のためだけに使われようとしている。
真祖を超えるほどまでに強化された四使徒の力を喰らってしまっては一溜まりも無い。カインもゼヘルもフォルトゥナも一斉に慌てふためいた。
「ちょっと待って、一旦落ち着くんだラリッサ。僕が死んだら四使徒筆頭がいなくなるっていうことなんだよ? 後々困るのは君の方なんだよ?」
「自分もカイン殿に肯定する。四使徒の参謀役が不在になるという事態は我々にとっても真祖様にとっても不味いと思われるのだが」
「うん。四使徒の頭脳を暴走しがちなラリッサに任せるのは不安すぎる。冷静なストッパーがいないとフォルたちの胃袋がピンチ」
「問答無用!! 何ならカインに味方をするゼヘルもフォルトゥナも殺して差し上げますわ!! 四使徒がアタクシ一人だけになれば、ユークリッド様は永遠にアタクシのものなのですから!!」
かえって油が火の中に直で注がれる事態となってしまう始末。
ラリッサは怒りの形相を浮かべつつ、部屋一面に蔓延った荊を四使徒たちに向け放つ。他の四使徒たちは、次々と襲い掛かってくる荊を避けたり払ったり斬ったりと、騒音と轟音を立てることさえ憚らず迎撃することだけで精一杯だった。
だからこそ、怒髪天を衝かれたラリッサとの攻防戦に必死になりすぎていたからこそ、彼らは現時点で恐れるべき最大の懸念をすっかり忘れていたのだった。
「さっきからちょこまかと……! 大人しく死んでくださらないのですか!?」
苛立ちの叫びと共に、ラリッサが他の四使徒たちに荊の槍を一斉に放たんとした瞬間、それは起こった。
「……貴様ら、余がおらぬ間に何をふざけ合っている?」
「「「「……あ」」」」
攻防戦がまるで何も無かったかのように、一瞬で収束する四人の異能。そして部屋中に蔓延っていた荊。
しかし何事も無かったように取り繕おうが、彼の前では何ら意味を為さなかった。
「たいそう楽しそうであったな。貴様らが単に楽しげに遊戯を行っていただけというのならば、余は何も苦言は呈さぬ……が、」
四使徒たちが仕えている至上の主君の、氷点下を超えるほどまでに冷え切った声が、部屋中の空気を凍り付かせていく。
がくがくと震える四人の眼前の先――開かれた部屋の前では、吸血鬼たちにおいては真の意味である『王様』が、無表情でありながらも明らかに怒っていると分かる顔で立ちはだかっていた。
おまけに彼の手中には、吸血鬼の真祖の主力武器たる黒い大剣が収まっている。これから彼が何をしようとしているか、四使徒たちには充分に想像に足りてしまった。
「この余を差し置いて『王』を立て合う遊戯……とな。そのような不愉快な遊戯、余が許可するとでも思うたか? おまけに騒音は立てるわ部屋を破壊するわ……四使徒に相応しき節度を見失ったと見受けられるのう……」
「あの、ユークリッド様……」
四使徒筆頭であるカインが一応の弁解を図るものの、怒り心頭の彼には意味を為さず。
「故に貴様らには――少 々 頭 を 冷 や し て も ら わ ね ば あ る ま い な ?」
*****
その後。
結局真祖ユークリッドの怒りを買ってしまった四使徒たちは、ユークリッド当人の手による拷問を半日ほど執行されることとなった。
自らが本当に仕えし王の手によって何度も殺され何度も生かされ、気が遠くなるような責め苦を数時間に渡って受け続けた四使徒たちは、拷問執行の最中で皆自然と悟ったのだった。
――ある意味これが真の『王様遊戯』なのではないか、と。
「四使徒たちの仁義無き遊戯」 ――fin――