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夏バイトに行て機械娘にされてしまった  作者: ジャン・幸田
第二章:本当に私で大丈夫なんですか
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機械娘の衣装との初めての出会い

 「そうだ、あなた達まだゴリラちゃんに乗ったときの作業服姿だったね、着替えなきゃいけないね」薫は言い出し、他の研究員に指示した。そういえばまだあの軍服のようなツナギだった。若い娘の格好ではない。そういえば、ここに来た際に来ていた洋服はどうなったのだろうと思い出した。よく考えると脱落した子は帰る時に元の服に着替えていたので、少なくとも最後は返してくれるのだと思った。


 研究員が持ってきたのは、半袖ブラウスとスカートと白衣だった。これがどうやら研究所の制服らしかった。もっとも機械娘に調整されたらこれさえも着れなくなってしますがと考えてしまった。もしかすると機械と融合させられる前に着れる最後の「まともな」衣装なのかもしれなかった。


 この研究所は元高校の校舎だといっていたが、敷地は相当広大のようだった。校舎は管理棟や事務棟、資料置き場や研究員個人の部屋などが入り、研究したり部品を製造したりする研究棟は元校庭を隔てて反対側の山側にあった。まるで美術館のような綺麗な建物で元校舎とは明らかに違う印象だった。


 また研究所の中で見かけるのは全て女性ないしガイノイドばかりであった。ここにきて見た男といえば、所長と副所長と門番の三人だけだった。そのことを気づいた真実が質問したところ薫は「そうよ、ここは男子禁制というわけではないけど研究員の大半は女性よ。まあ女の城といったものかな。だから変な男はいないと」といった。この言葉に真実は少々残念そうな表情を見せた。彼氏でも探そうとしていたのかもしれない。


 四人は研究棟の奥にあるフロワーに通らされた。ここに入るまで何度もIDチェックをする必要があり、厳重に保管されたものがあるのは間違いなかった。どうも地下室でしかも相当深いところにあるようだった。


 このフロワーは様々なガイノイドの部品が置かれており人形工場の様相を呈していた。また3Dプリンターのような装置の中ではガイノイドの外骨格が形成されていたり、そこに組み込む機械類が整理された棚があり、そこを何体ものガイノイドが歩いていた。どうやらこのガイノイドたちがこの工場の労働者のようだった。


 薫は「ここが私達の夢を実現している場所よ。ここでは受注した特別注文のガイノイドを組み立てっているのよ。もちろん、この研究所で研究開発されたガイノイドを作っているし、これから中に入ってもらう外骨格をここで作ったのよ」といった。どうも四人が着る外骨格が用意されているらしかった。


 一番奥の部屋は完成した何十体もの外骨格型ガイノイドが大きな棚に収納されていた。ここはロボット倉庫になっていて必要に応じて棚から出し入れしているらしかった。薫が操作パネルに腕の装置から何らかの信号を送信したらしく、搬出用ロボットが起動しアームが伸びていって棚から運び出して一同の待つところに四体のガイノイドが出てきた。


 そのうちの一体は青いエリカのようであったが、未完成状態であった。しかし他の三体であるが、それぞれ特徴的だった。赤いのは155cmと小さい胴も太かった、白いのはエリカと同じぐらいで工場内で見たのと同じぐらいの170cmと中ぐらいのものだった。黒いのはずば抜けて大きく高さが190cmで肩や背中にオプションでいろんな装置でも載せるためか、そこだけでも巨大だった。さらに足回りも他の三体とちがい巨大なものだった。大きなものであった。エリカ以外ははじめてみるデザインであった。これらを四人に着せるというのだろう。


 「あなた達がこれからやっていただくアルバイトですが、これらガイノイドを完成させる事を手伝っていただくことです。まだ内部構造は未完成ですが外骨格についてはほぼ完成しています。あとは内部構造の調整をします。それぞれ一体ずつ担当していただきます。そうあなた達が内部構造になっていただきます。それが機械娘になることです。機械娘になれば食事も流動食しかできなくなりますし肉眼で物も見えないですし肉声も出せなくなります。そのかわり人間を超えた能力が外骨格から与えられます。いわば、この外骨格があなた達から人間らしさを制限する代わり普通のガイノイドよりも能力を発揮させてくれます。予定ですが、あなた達はうちの研究員と一緒に家に帰っていただき、必要なものがあったら持ってきてください。ケータイもタブレットも持ってきていいですが、機密保持のため可能な限り外部との接触は避けてください。それと家族には弊社の就業体験プログラムに参加するためと説明してください。必要なら、うちの研究員が説得します。それと行き先はまだいえませんが海外研修もあると伝えてください。ここでは成人年齢の18歳以上の方しかいませんが、失踪したといわれないように機械娘になったあとのフォローはしますので、安心してください」といった。


 美由紀は親元を離れているので少し不安があった。確かに、現在は成人年齢が18歳といっても親に説得するのはどうするのかと思った。とりあえず研究所のほうでなんとかしてくれるらしかった。しかし美由紀の父親泰三が後でトンデモない行動を取るとは、このとき思いもよらなかった。


 保管庫を後にした四人はそれぞれ研究員に連れられ自宅へと向かった。これが機械娘にされる前最後の帰宅になった。美由紀は研究員の一人小野明美と昨日の午前中に通った道を向かっていた。夏のお日様は傾きもうすぐ夕暮れ時になるような時間であった。盛夏真っ只中の森林や田畑が左右を通り過ぎていった。


 運転を自動モードに任せていた明美は「あなたは、今週中にはエリカになるのよ。あれは主任が大事に思っているシリーズの機体だから、主任の期待を裏切らないように頑張ってね。それと、すぐに判ることだから言うけど、あなたエリカのコアなファンでしょ」と言った。美由紀がエリカが好きだった事は研究所にわかっていたようだ。先ほど見たエリカと私が融合するということが判り、彼女の胸は熱くなっていた。


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