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夏バイトに行て機械娘にされてしまった  作者: ジャン・幸田
第二章:本当に私で大丈夫なんですか
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中の人になれっていうことですか

 今回のアルバイトとは、身体を機械の中に入れるということのようだ。四人は動揺を隠せなかった。四人の仲で年長の赤松聖美は「それじゃ、あたしたちはパワードスーツというか機ぐるみを着るのが、今回のお仕事ということですか?」と声を上げた。また栗田真実は「どうゆう理由か知らないけど、うら若き娘を使いロボットにするということですか」と質問した。すると緒方はさらに衝撃的なことを言った。


 「皆さんに、今回アルバイトで被験者になっていただくのは、ガイノイドとパワードスーツの双方に使えるタイプの製品です。新機能を搭載したスーツの実証試験と商談のためのデモンストレーションをやってもらいますので、準備出来次第三十日間スーツを連続着用していただきます。その間あなた達は機械扱いさせていただきます」と言った。その言葉が意味することはすぐわからなかったが、どうもガイノイドの「中の人」になれということだった。しかも四人は機械の中に閉じ込めて一ヶ月間ロボットになれということだしい。そのうえ会社の「備品」になれということらしい。この姿では遊びに行くところか、人間扱いすらされないということのようだ。


 このような非人道的ともいえる宣告に対し一同はさらに動揺したが、津田美咲は「私たちってロボットに改造するために選ばれたのですか?元に戻れるのですか?一体全体これからどうなっていくのですか?」と言った。


 美由紀は声を出せなかったが、今朝見た夢のように人形の部品で身体を覆われるようにロボットの中に入れられるということなんだろうと思ったが、何故か不思議なことに早く入れてもらいたいという気持ちがあった。そうすれば今までの嫌な自分と完全に決別できるのではないかと思ったからだ。


 聖美は「戦場の機兵部隊のように何日も戦闘用パワードスーツを着なければならないという事がありますが、私たちは完全に機械と一体化させるということのようですか、そのような機械なんて実用化されているのですか。見せていただくことはできないのですか」といった。


 五人が話をしている場に一体のガイノイドが来た。エリカだった。エリカは「これからお世話になります。不安かもしれませんが、これから機械と一体化するために身体の改造を受けていただきます。その上であなたたちは私のようになっていただきます。そのかわり満足が行く高報酬をあげるから受け入れてね」といった。"私のように"て、ひょっとしてエリカの外骨格の中身は人間なの?という事に気づいた。


 緒方はようやく来てくれたといった表情で「紹介するわ、こちらが研究主任の江藤薫です。みんなはプライベートな場では薫でいいです。彼女が着ているモデルはエリカMark7です。みなさんにはこのスーツの別のバージョンを着ていただきますが、この中の一人はこのスーツを着ていただきますので、よろしく」といった。美由紀は驚いた。この中の一人はエリカの中身になれるのだと。是非私がなりたいと思った。エリカの中には人間が入っているのだ。


 薫は身体を四人に見せた。その身体はメタリックな複合材に覆われており、ロボットの外装と変わらなかった。関節部は蛇腹のようになっていたが、中に生身の人間が入っているようには見えなかった。テレビや映画でも本物のロボットが登場することは珍しくはない時代だから、ロボットを見ることなどは珍しいことではないが、この中に生身の人間が入っているようには見えなかった。本物のロボットと同じであった。ただ異なるのは背中にファンのようなものがあり、そこから熱い空気の出し入れがされていた。ロボットの内部でも熱が発生するので、このような装置は標準であるかもしれないが、ガイノイドの他の機種よりも大きいように見えた。


 ここで美咲は「変な質問ですけど、おトイレはどうしているのですか?」と聞いた。確かに機械になっても生体組織があったら排泄が必要だよね、という疑問があるのも当たり前だった。なんだって「中の人」になるのだがら気にはなる。


 「まあ来て下さい」といってエリカこと薫はトイレにみんな連れて行った。そこには何故かノズルのようなものが備えてあった。昨日は気づかなかったが、この建物にはパワードスーツ着用時用の設備があるようだ。


 「このスーツは宇宙服のように排泄物を溜めるようになっています。溜めることも出来ますが、ここでは直接出すことが出来ます」といって股間にある小さなハッチのようなものにノズルを入れると何かを吸い出しているようだった。排尿しているようだ。その姿は人間でありながら自動車のエンジンオイルを排出しているようなものであった。まさに機械そのものだった。だが、これからここにいる四人が一ヶ月の間しないといけない行為であった。



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