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夏バイトに行て機械娘にされてしまった  作者: ジャン・幸田
第一章:適正とは一体なんのことなのよ!
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機械娘達との晩餐

 すっかりと陽が落ちたころにようやく研究所の「適正試験」が終わり、休憩30分をはさみアルバイト希望者達は食堂に集められた。それにしてもアルバイトを採用するのに面接よりも先に筆記試験を行うのは聞いたことがあるが、何のためかわからない実技試験のようなものを受けさすという話は聞いたことはない。しかも誰が誰なのか判らなくなるような黒い全身タイツのようなものを着せてやるなんて前代未聞であった。テレビ番組の悪戯番組ではないかというような気がする。などとアルバイト希望者は思っていた。


 この時、集まったもののうち3人は昼前に来たときの服装に着替えていた。美由紀が着替える前に一緒にいた山中のいう女性もいた。この時小野と名乗る研究員が「本日はお疲れ様でした。適正試験を受けていただきありがとうございます。残念ながら01番、05番、12番の方は選考の結果、当方の今回の業務内容について希望に添えないということで、ここまでということにさせてください。3人の方は帰宅のためのお車は手配しておりますが、時間がかかるのでお食事を召し上がってお待ちください。それと約束のアルバイト代を受領書に署名の上でお受け取りください」と言った。3人はここで脱落ということのようだ。


 残った7人はいずれも、20歳前後の女性ばかり集めて、どこかの秘密組織の工作員でも選抜しようとしているかのような適正試験である。アルバイト内容の見当も付かないため、全身を使ったゲームマシーンの開発のアルバイトかなと思ったが、あれ、ここは一体何の研究所だろう?ということが気になっていた。おそらく女性型自律ロボットのガイノイドを開発しているようだけど、学生を40日のあいだ使って何をしようというのだろうか、という不安がよぎっていた。


 脱落した3人は勝ち残った7人のテーブルから遠くに外れたところで座っていた。脱落した悔しさからという理由もあったが、美由紀を含む7人は先ほどの黒いボディスーツ姿のままであった。さすがに口元は外していたが、それも口の周りのタイツの切れ目から唇が表に出ているだけで、その姿は「黒いマネキン」達であった。その「マネキン」の表面は怪しげな光沢を放つ美しい材質で出来ており、女性特有の美しいボディラインを一層強調させているかのようであった。7人はよく見ると身長や肩幅、手足の長さなどの違いがあっても、同じようにしか見えなかった。


 食事はバラエティーに富んだメニューで実家からの仕送りに乏しい美由紀が食べたことのないようなものばかりだったが、疲労感とそして全身を拘束する衣装のため、箸が進まなかった。その最中、試験を行っていた研究員5人とガイノイドが入ってきた。研究員の菊池は「食事が終わったあとは入浴していただき当方の指定するところで就寝していただきます。それぞれガイノイドがご案内しますので、宜しくお願いいたします。また今晩、今日一日の皆さんの試験内容を検討したうえで起床後に脱落させる方については明日の7時ごろにお知らせします。最終選考に残られた方については、10時より実技試験と面接を行いますので頑張ってください」と言った。


 研究員達も食事しはじめたが、特に会話をすることはなく黙々と食べていた。またガイノイドたちはアルバイト希望者を観察するかのように7人が座るテーブルに近寄っていた。ガイノイドは7体いたがそれぞれが「黒いマネキン」に寄り添っていた。いつもの状態なら話しかけたり興味を示したりするかもしれなかったが、一同は疲労感と理由のわからない格好で食事をしているためか、特に反応は示さなかった。


 その様子は、機械娘とその中身が並んで座っているようで、機械娘が晩餐をしているかのようであった。しかしガイノイドはともかく中身が生身の娘である「黒いマネキン」達には特に反応はないかのようであったが、一人内心違っていた。美由紀は内心ドキドキしていた。多少の違いがあるとはいえ憧れていた実寸大のエリカが横にいたからである。昨夜までボロ下宿の部屋にあったフィギュアが巨大化したかのような興奮を覚えていた。あの番組を見ていた頃は大きくなったらエリカさんのように変身したいなどと言ったため、両親から危険思想に侵されたかのような言われ方をしたものであるが、目の前にエリカのパワードスーツが今あるのである。ガイノイドの外骨格なので中には人工知能による駆動機構が入っているとはわかっていても、今着ているボディスーツよりもこの中に入りたいなどと思っていた。この時、美由紀は知る由もなかったが、それが現実になるのは、その数日後であった。

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