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夏バイトに行て機械娘にされてしまった  作者: ジャン・幸田
第一章:適正とは一体なんのことなのよ!
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01-04 適正試験はじまる

 アルバイトの希望者は最初は30人程いたが、途中で帰る者が続出し筆記試験から適正試験に進んだ時には10人程に減っていた。次の黒い全身タイツに着替えるように言われた時点で辞退者がまた2人いた。


 具体的な説明は何もないまま試験していることに嫌気がさしていた。


 美由紀のグループも片岡が不安を訴えたため辞退とみなされ帰宅させられてしまった。受験者10人は食堂に集められ遅めの昼食を出されていた。食事そのものはごく普通の定食のようなものであったが、大学生たちは黒いタイツ姿であり、頭部も口と目の部分だけが素顔を見せているだけであり、まるでなんらかの秘密結社の戦闘員のようだった。このような姿をさせる試験というのは一体なんだというのであろうか。


「皆様、着替えていただきありがとうございます。食事が終わった後人工知能の操縦能力を見極めさせていただくため、身体を使ったシュミレーションゲームをしていただきます。そのためゲームマシンでプレイしていただくためのボディスーツです。そのスーツにはセンサーが付いていますので自動採点します。ただ得点がいいからといって必ずしも有利になるとは限りませんが、ベストを尽くしてください」と緒方の名乗る研究員は説明した。


 研究員の4人、菊池、緒方、斉藤、小野はいずれも若い女性であったが、異様といえるのは「ガーディアン・レディ」の4人もとい4体のガイノイドである。赤、青、緑、黒の機械人形たちであったが、美由紀が「エリカ」と呼ぶのは青いガイノイドだった。初期のガイノイドの中には人工頭脳で起動する場合と人間が入って操縦するものがあった。この「ガーディアン・レディ」も主人公達がアジトから着用する場合が多かったが、窮地に陥ったメンバーのところにガイノイドモードで駆けつけて着た後、メンバーが機体に入ってパワードスーツとして活躍するエピソードもあった。そのため美由紀は「出来るのなら早くエリカさんの中に入ってみたいな」と先ほどまで落ちることばかり考えていた事は忘れてしまったようだ。


 アルバイト希望者達が着ている全身タイツであるが、なんらかのセンサーが埋め込まれておりその表面にはコードと思われるラインが浮き上がっていた。しかも身体を締め付けるものであるのか、女性らしいボディラインが浮き上がっていた。そのため彼女らはガイノイドの中身のようであった。しかも外部からの区別をつけるためか胸と背中に番号が振られており、数字以外に個々の人間としての個性など傍目から認識できなくなっていた。文字通り記号化されたマネキンに過ぎなくなっていた。そのうえ食事が終わった後、頭部にバーチャルゲーム用のヘッドギアを被らされたため、ガイノイドよりも人間らしさが否定されてしまった。



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