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夏バイトに行て機械娘にされてしまった  作者: ジャン・幸田
第一五章:薫の忘れえぬ夏の日
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15-25 場末の料理店

 高架鉄道のガードしたにある狭い場末の料理店。表には誕生日会につき貸切。と書いていたが実際はとある会合が酒を交えて行われていた。主役は江藤英樹で本当の誕生日までまだ日数があった。この日は劇場版ガーディアン・レディの沖縄ロケの最終打ち合わせで、サイバーテック沖縄支社の安仁屋支社長らが参加していた。


 「安仁屋さん。いつも思うけどウィスキーのビール割りって一体アルコール何パーセントなんだ? とてもじゃないけど飲めないぞ。それにウオッカの泡盛割りも。ほんとーにきつい酒が好きなんだから」


 「会長はお酒弱いのですか? ビールを少し飲んだだけで顔が赤いですよ」


 「しかなないだろう。ワシは元死刑囚なんだからな。不衛生なところに、ぶち込まれている時に肝炎になってからの。もしかすると十年前に野村先生と一緒に殺されていたかもしれないんだぞ無実の罪でな。だから酒が飲めるだけで幸せだけどな」


 英樹がいう野村信輔先生は高校時代の恩師で”奴ら”との戦争では日本の首相だった人物だ。死病にかかっていながら無理を重ね、”奴ら”に辛うじて勝利する直前に急死した。


「なんせ、あの時は石貫首相の下っ端の島内高志という奴が捏造した証拠で、外患誘致罪と国家反逆特別取締法で逮捕されて、裁判が始まったと思ったら次の日に、いきなり死刑判決でな。証拠も国家機密保持法を根拠に開示されなくって、逮捕から一ヶ月で死刑囚監獄行きでな。野村先生と一緒に首を吊られる夢を見たもんだ。結局、”奴ら”との戦いが始まったときに、津田大輔君の暴露記事のおかげで助かったけど」


 外患誘致罪とは外国政府の軍隊と日本とを戦わせた罪であるが、法定刑は死刑しか規定していない。それで石貫内閣は密かに反対勢力の抹殺に濫用ししていて、実際に何人かが処刑されていた。


 「それにしても会長、そのことは何故か封印していますよね。そのこと話してもいいんですか? 一応、世間的には病気で長期療養していたことにしていますけど」


 「ああ、そうだ。当時のことは一般に公表されていなかったからな。あんな酷い裁判で”奴ら”に協力していた石貫らのことがあかるみにでると困ると野村先生に頼まれたのよ。今日は、一緒に来ているからいいよ」


 そういうと誰も座っていない席にあるグラスにビールを注いでいた。そこには野村首相の形見の眼鏡と写真が置かれていた。


 「大体、あのとき島内はわしが親中派だから中国軍の手引きをするはずだからという理由で捏造したそうだ。まあ奴も石貫と同じ道を歩んだがな。だいたい中国軍相手に大勝利を収めた機兵部隊の装備品を作った会社の経営者だったのは誰なんだということだ。まあ、中国軍の一部と石貫も”奴ら”に操られているのを知りながら人類を滅亡の淵に追いやったんだからな」


 そういった話ができるのも今では江藤会長の方が権力側の人間だからできることだった。サイバーテックはいまや絶大な力を持っていたからにほかならない。


 「それにしても、会長、今回の映画撮影少々やりすぎですよ。いくらなんでも国連機構軍極東海軍まで参加するのですから」


 「それもそうだな。でも、みんなうちが調達してやった装備品を使っているし、訓練がてら行うことになっているから大丈夫だ。それに必要経費は全部わしが支払うのだから」


 そう話す江藤会長の顔は満足そうだった。

半年ぶりの更新です、最初に書いた作品なので、いろいろと問題がありますが、ある程度まで続けたいと思います。

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