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夏バイトに行て機械娘にされてしまった  作者: ジャン・幸田
第一五章:薫の忘れえぬ夏の日
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15-20 テスト

 ナンシー・チャンは呆れていた。産業用スーツで資格試験を取ってまだ三週間という周薫媛(江藤薫)が、アクションシーンに挑もうとしていたからだ。産業用スーツはいわゆるパワーアシストスーツ -ギプスみたいなー なので、試験と言っても身体に羽織って適応性があるかみる程度のものである。いわば飛行機の操縦試験をシミレーションだけで認定するようなものであった。


 だからブラック・エリカを普通の女子高生にしか見えない彼女が扱えるとはその時思ってもいなかったのだ。当時も現在もであるが、薫は顔は良くプロポーションも悪くはないが、肉体的強靭さを要求されるパワードスーツ使いには見えなかった。


 とりあえず、ナンシー・チャンはエリカのスーツを装着した。彼女も戦時中に”奴ら”によって体の一部を機械娘に改造されていたので、スーツそのものも機械娘の機能に対応していた。そのため、スーツと身体の動きのシンクロ率が高かった。


 「よーし、とりあえず小手調べといきますか。私は五年もこの仕事で生活しているのだから、まだ学校に通っている普通の女の子になんか負けないわ。それにしても上の人って、なめているんじゃないのかな機ぐるみ同士のアクションを」


 そういうとナンシー・チャンはリハーサルを始めた。脚本ではガーディアン・レディの偽者が破壊活動をしていると聞いたエリカが、スーツを着て駆けつけたところ、洗脳されたサトミが操るブラック・エリカとバトルになるというあらすじだった。このようなアクションは半世紀前から特撮でもCGでも使えば問題なく撮影出来るが、戦闘用パワードスーツによる”奴ら”との戦いを幾度も無く報道で見てきた大衆に対するアピールをするなら、やはり実写の方がインパクトがあった。


 撮影場所は、湾岸地区にある閉鎖された大規模工場で、そこで工場の建物を実際に破壊しながら戦闘することになっていた。そのため、実戦さながらの激しいものになるはずだった。


 「副監督。ブラックをやるってバイトのエキストラみたいなものでしょ! なんで指示されたようなアクションが出来るというのですか? 他のスーツアクトレスを使えばいいのに素人には危険ですよ」


 「ナンシー、気持ちはわかるが上層部の命令だそうだ。そうそう、上層部からくれぐれも主役がやられないようにしろという通達だ」


 「誰ですかそんな失礼な事をいうのは? 私はベテランですよ! どう考えても痛い目に遭うのは高校生のバイトでしょ! こっちの方が手加減しなくちゃいけないでしょう!」


 「そんなにすねるな! そういったのはサイバーテックのさるおえら方だぞ! 教えてくれなかったが、あの薫媛って娘。なんか秘密があるそうだぞ」


 ナンシー・チャンはその秘密の意味が判らなかったが、そんな大したものでないと思ったので、あまり考えていなかった。その直後に相手の本当の実力に驚いてしまった。


 テストの時から肉弾戦をすると外骨格に傷ができてしまうので、アクションシーンは外部コンピューターにスーツの制御コンピューターをリンクさせて行われた。最初にナンシーの機体がテストした後、薫媛の機体がテストした、。その模様を見ていたナンシーは驚愕した。


 「なによ、この娘? 特殊部隊に所属する機械娘並のシンクロ率じゃないのよ! 生身だとしたらサポート用の電脳化措置を受けていないとできるはずはないわ。一体彼女何者?」


 この時、薫の動きに対して外部コンピューターは、理論上軍事用と同様の数値を叩きだしていると判定していたのだ。それに対するナンシーはそれなりに優秀という判定だった。だから戦場で一騎打ちをしたらナンシーがあっという間に敗北するのは間違いなかった。

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