表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夏バイトに行て機械娘にされてしまった  作者: ジャン・幸田
第一五章:薫の忘れえぬ夏の日
118/130

15-13 サトミさらわれる!

 ガーディアン・レディのメンバーのエリカは普段は極普通の高校生だ。メンバーの一員になれたのは、その天才的なコンピューター・ハッキングのテクニックと、それを応用したパワードスーツによる電子戦闘能力をサヤカに見込まれたからだ。


 そんな彼女にサヤカから仕事の依頼がきていた。犯罪組織”赤い輪廻環”に奪われた、”煉獄れんごく坩堝るつぼ”と呼ばれる正体不明の宝物の奪還作戦だ。”煉獄の坩堝”の詳細を知っているのに一切メンバーにすら教えないサヤカに反感を持ったエリカは、夏期講習受講を口実に不参加を言ってしまった。


 次の日、いつものように高校に行くとクラスメートのサトミと他愛のないおしゃべりをしていた時、サトミがいつもエリカのしているヘアバンドに興味を持ったので、サトミの頭にヘアバンドをつけてあげ、ついでに髪型をエリカと同じにしてあげた。


 下校時間も過ぎたので一緒に帰宅することにしたが、エリカが足を挫いたのでサトミがカバンを持って歩いていると、後ろから道路の清掃作業員が掃除しながら近づいてきた。


 すると突如、二人は羽交い絞めにされてしまい清掃車の作業台に押し込められてしまったが、すぐエリカの方が解放された。その時渡されたメッセージカードには『エリカを預かった。”煉獄の坩堝”の件に介入しなければ元どうりにして解放する』とあった。サトミはエリカに間違われて連れ去られたのか、それとも・・・


 そんなシーンの撮影が東京十五高校近くの路地で撮影されていた。ここはサイバーテック・グループの関連施設が立ち並んでいる一角なので、撮影しやすいところだった。


 サトミを演じる薫は、エリカを演じる亜佐美と良く似た髪形になったので、まるで姉妹にでもなった気がしていた。しかも着けた事のないヘアバンドが気になっていた。そして今日最後の撮影シーンである拉致シーンがスタートした。清掃車の作業車、これもサイバーテックの敷地内で使われているものだった。


 二人は抵抗したものの高齢者の清掃作業員達によって押し込められたが、亜佐美だけ途中の路地で降ろされ、薫はそのまま清掃車に乗ったまま走り去った。カメラの視線から消えたところでカットOKの声が聞こえ、今日のこの現場での撮影は終了した。


 「お爺様、映画にカメオ出演したいからといって、拉致実行犯をしないでもいいじゃないですか? いくらなんでももっといい役があったと思いますよ」


 薫は祖父の英樹にこう詰め寄っていた。彼の役は『工作員B』で、俳優名は『西岡和喜』になっていた。だからサイバーテックの会長という事に、一部のメンバーを除き誰も気付いていなかった。


 「それよりも薫。お前もガーディアン・スーツを着る事にしたからな。一応、設定上は犯罪組織がコピーしたという事になっているが、実際はエリカ用とほぼ同じものを新造したから」


 「それって核融合炉搭載タイプですよね? 性能はわかりますが敵役に使うまでもないじゃないの? 明らかにオーバースペックじゃないの」


 「そういうな。薫にもうちの主力製品のひとつ、パワードスーツを着てもらいたいのじゃ。こんな機会でもなければお前、ワシの指示でも拒否すると思ったのじゃ。明日、早速撮影で着てもらうからな」


 明日、薫は高橋サトミ役の周薫媛として”赤い輪廻環”によって洗脳される少女として撮影をすることになっていた。当然生まれて初めて、パワードスーツを着る事に不安を感じていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ