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夏バイトに行て機械娘にされてしまった  作者: ジャン・幸田
第一五章:薫の忘れえぬ夏の日
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15-11 記者会見

 ガーディアン・レディは最初に作られたOAVに準拠していたが、様々な点が異なっていた。OAVでは第三次世界大戦後のサイバーパンクな退廃的な世界と設定されていたが、今回の劇場版は反対にユートピア的で平和だけど極度に管理された世界と設定されていた。これは”奴ら”との大戦で疲弊した世界が現実であり、踏襲すると色々な問題が起きるためだった。


 また登場人物の名前も変えられており、オリジナルではリーダーがナオミ、サブリーダーはエリカ、カンフー少女がレンファン、剣舞少女がレイナであったのが、それぞれサヤカ、エリカ、ミドリ、ミナヨに変更されていた。これは主役の一岡彩夏が芸名での出演を強硬に主張したが、他のメンバーも自分の趣味で変えたためであった。唯一エリカだけは出資者の江藤英樹の要求が通ったのでそのままであった。


 劇場版「ガーディアン・レディ」の出演者発表の公式発表が大々的に行われていた。記者会見にはガーディアン・レディ四人に加え、製作元のサイバーテック・エンターテイメント社長の黒田勲と脚本家の西原慎治がひな壇に並んでいた。この日も江藤英樹は舞台の裏で掃除する作業員として出没していた。


 薫の友人の永川アサミも緊張した面持ちで参加していたが、薫は裏の関係者待合室で待機していた。薫はいつものように”伊達眼鏡”をしてボーとしていた。この日何故か機械脳の調子が悪かったのだ。薫の機械脳は作られたものであるといっても、合成タンパク質で構成された”生体”部分もあるので、少し痛みを感じていたのだ。この部分は薫の肉体から供給される酸素や養分で活動していたので、体調も優れなければ影響を受けるのだ。


 「やだね、あたしって機械の頭脳なのに痛くなるのね。なにもアサミの晴れ舞台の日にこんなことにならなくっても」

  

 そう思っていると、向こうから祖父の江藤英樹が使い古した作業着姿でやってきた。


 「おじいさま、いくらお忍びだといってもお仕事の方は大丈夫ですか。まさかロケにもついてくるつもりですか? 」


 「薫、そのとうりワシもついて行くぞ! そのために年休を貯めていたからな。まあ大事な決裁はしていかないといけないが、業務に支障はないようにしているからな」


 祖父のガーディアン・レディに対する意気込みを知っているので、薫はもう呆れて何もいえなかった。このときは、記者会見場に薫と同じく入れないのでこちらに来ていた。ただ、会場の様子はライブ映像が待合室にも映し出されていたので、問題なく見れた。やはり取材陣からの質問の多くは主役の一岡彩夏に集中していた。


 「おじいさま。いよいよクランクインだけど、スタジオ内での撮影はともかく、沖縄のロケは危険が多すぎます。特に原子力空母の撮影なんか。いくら炉心溶解した原子炉は撤去しても巨大なスクラップに変わらないですし」


 「その点は大丈夫だ! サイバーテック・グループの総力を挙げて映画セットとして再生したからな。まあ一度本当に壊すけど、あとはきちんと福建の施設で展示できるようにしないといけないけど。薫、それとお前に知らせていなかったが、沖縄でも大いに撮影に参加することになるからな」


 その時、薫は祖父のたくらみを知らなかった。

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