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夏バイトに行て機械娘にされてしまった  作者: ジャン・幸田
第一五章:薫の忘れえぬ夏の日
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15-08 これって面談だったの?

 江藤会長とガーディアン・レディ出演女優三人との夕食は続いていた。今日は食事が終わった後、工場にある宿舎で休んだ後、明日からのクランクインとそれに先立っての記者会見が行われる予定であった。この時、周薫姫こと薫は完全に裏方だった。一応、エリカの同級生サトミ役とは決まってはいたが、台詞はわずかであった。あとは三人の女優のマネージャー補助に徹するはずだった。


 エリカ、ミドリ、ミナヨの三人のガーディアン・レディであるが実はこのときまで台本が渡されていなかったので、どれくらい登場するかわからなかった。劇場版の主役はもちろんリーダーのサヤカなので、そのほかの三人の登場シーンは少ないとは判っていた。


 「ところで君たち、昔のガーディアン・レディは見たことあるかな? まあ、君らの世代では知らないかもしれないけど」江藤会長は食事として注文したハンバーグ定食を食べ終わりコーヒーを飲みながら聞いた。


 「おじいさん。悪いけど見たこと無いわ。でも歴史の授業で大戦中に活躍した国連機構軍の女性型パワードスーツの原型と教わった記憶があるけど」


 「たしか、サイバーテック・ロイドのパワードスーツ”、メルキュール850”の事じゃないの? たしか外観は日本のアニメ作品に影響を受けたとかという。汎用性が高かったのでありとあらゆる所で使われたとか」


 「そうそう、だから今でもマシンガール・プロレスで改造型が使われているよ! 私も練習の時に着せてもらったけど軽快に動けたよ」


 玲美と喜美恵の二人は話が盛り上がっていたが、他の三人は取り残されていた。それで薫が仕切りなおしとばかり、まだ渡されていない台本をバックから出してきた。それは江藤会長にチェック用に渡されたものであった。


 「どうしたのよ薫媛? それって私たちまだ見ていないのよ! なんであなたが持っているのよ」喜美恵は驚いた声をあげた。


 「あたし、さっき江藤会長の秘書から渡されたのよ。会長が見せなさいといっていうことなの。でもまだ決定でないところもあるので、見せていいのは東京で撮影するところだけだって」と台本の横を見せたら簡単に外れないように大きなクリップで封印していた。


 実はこの時、薫は台本の内容を自分の機械脳にダウンロードしていたので、どのようにするのかを知っていたが、この時の版ではサヤカに次いでミナヨがサブ主役という位置づけだった。亜佐美が演じる予定のエリカの出番は少なかった。


 「冒頭は、首都高速で爆走するアウトロー集団と警察とのカーチェイスなのね。アウトローに拉致された少女を四人のガーディアン・レディが助ける場面なのね。でも私たちが出るのはどこが最初なのよ? 」三人に言われ薫か頁を開いていったが、すべて把握しているので難なく開いた。


 「亜佐美さんが出るのは高校のシーン、玲美さんが出るのはコーヒーショップ、喜美恵さんは機械整備工場ですね。みんな東京で撮影しますよ。その後の沖縄については決定稿じゃないそうです」


 劇場版ではメンバーの職業は、サヤカは女優、エリカは高校生、ミドリは喫茶店の女主人、ミナヨは警察特殊機甲部隊所属の専属整備士と設定されていた。依頼やメンバーが必要と思ったときにガーディアン・スーツに身を包み出動するシークエンスだった。


 三人はそれぞれの自分の出番を確認して、それぞれ自分の台詞を確認していた。そうやってファミレスで三時間以上も過ごしてしまった。


 「おじいさん、今日はご馳走様でした。ありがとうございます」といって三人は宿舎へと帰っていった。残った薫と江藤会長はすこしだけ雑談したあと別れた。


 三人の姿が完全にいなくなった後、江藤会長は借りた更衣室で秘書が差し出したスーツに着替えアゴヒゲを付けて”公表されている”姿に戻った。そのうえで劇場版の脚本を執筆している森脇琢己に電話した。


 「琢己君、江藤だ。”南海の秘宝”の件だが、沖縄のドラマパートでエリカの出番を増やせ! 出来ればビーチで水着を披露する場面も入れるように! エリカ役の永川亜佐美だが、あの娘はいまに彩夏よりも大物の女優になるようにワシは思うぞ。さっき面談して気付いたぞ」

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