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夏バイトに行て機械娘にされてしまった  作者: ジャン・幸田
第一五章:薫の忘れえぬ夏の日
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15-07 薫媛のおじいさん

 その日、サイバーテック・エンターテイメント所属の女優三人は”付き人の薫媛の祖父”に招待されて工場に隣接するファミリーレストランに来ていた。この時薫媛は付き人扱いなので女優ではなかった。亜佐美以外は薫媛こと薫の祖父がサイバーテックグループの会長という事を知らなかった。


 江藤英樹はさすがに汚い作業着から着替えてはいたが、わりと粗末な服を着ていた。見た目からすると人に食事を奢るようには見えなかった。それぐらいミズボラしかった。しかも江藤会長は自らを「サイバーテック・ロイドで草刈や清掃などといった雑用全般をしている老人」と紹介した。確かに昼間していた事であったが、実際にはグループ全体を統帥している大物だった。


 そのため会長の周りには密かに大勢のボディーガードが配置についており、平服を着て店内で食事をしていたが、しっかりとボックス席をガードしていた。これも”奴ら”からのテロを警戒しての事だった。やはり要人がお忍びで行動するのは難しい事だった。


 「今日はうちの祖父がこれからお世話になるみんなを食事を奢りたいということですの、好きなものを注文してほしいとの事です」


 薫媛の言葉であったが、玲美と喜美恵は格好がミズボラしいので、あまりお金を持っているようには見えなかったので、申し訳ない程度のメニューを注文した。その後、事前の打ち合わせどうりに孫娘が切り出した。


 「おじいさんってサイバーテックグループの江藤会長の友達だそうだけど、あの人は今度の映画の事なんか言っていたの? 」


 「そうじゃな、あいつは自分が好きな半世紀も前の作品をリメイクするんだといって始めたんだけど、ついでに新型のパワードスーツ開発に利用したのだ。なにもあそこまで金を掛けなんでもよかろうによ。それにしてもお嬢さんたちは、あのスーツの着心地どうだったんじゃ? 江藤の奴のことだから、また無茶な機能をいれたようだから大変じゃなかったのか」


 そのように江藤会長は他人事のように言った。なお、一般に公表されている江藤会長の写真はアゴヒゲをはやしているが、実際にはアゴヒゲは無かった。偽の情報をながしていたので、会った事のある人でも気付かない人が多数だった。


 「わたしはパワードスーツを着たのは初めてだったのですが、水着を着ているよりも自由に身体が動かせた気がします。でもまだ台本を渡してくれないから何をさせられるのか不安で不安で」


 「なあに大丈夫だよ。それってサプライズということだ。ただ撮影は東京と沖縄で行うそうだ。特に沖縄ではスクラップになった原子力空母を使うそうだ」


 「空母? そこで撮影するのですか? それにしても、あなたはどうしてそんな情報を知っているのですか? 」


 江藤会長は若い女性の前なので少し気を緩めたようだった。いくらなんでも少々しゃべりすぎだった。それで一応ワシは江藤の昔からの部下だからと誤魔化したが、薫は少々おかしいと思い噴出すのを我慢していた。


 「ここだけの話だけど江藤がいうには、劇場版で演技がよかったらそのままテレビシリーズに出演させるそうだ。テレビ版はアクションよりもドラマ重視だからお嬢さん達の顔の露出が増えるだろうし他のドラマからもオファーがあると思うよ。だから頑張ってといっていたよ。まあスーツは廉価版を使うから演技は大変になるだろうけど」


 このことを聞いて亜佐美は頑張ろうと思いを新たにしていたが、ふと疑問に思ったことがあった。あんなにドジで駄目な眼鏡っ娘のはずの薫が、映画に関わって以降相当しっかりしている事だ。人は直ぐに変われないはずなのに仕事ぶりが素晴らしいからだ。何か秘密があるという事だろうか?

 

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