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夏バイトに行て機械娘にされてしまった  作者: ジャン・幸田
第一五章:薫の忘れえぬ夏の日
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15-03 祖父と孫娘

 1980年代に発表された「ガーディアン・レディ」は、サイバーパンクな未来社会で女性四人組がガーディアンスーツで身を固め活躍することで人気を博した。その後もアニメのリメイクなどは行われたが、実写版の構想も存在したが実現してこなかった。


 このたび、薫の祖父の江藤英樹は実写版実現のため、巨額を投資し版権を所有する企業を買収したうえ、製作元としてサーバーテック・エンターテイメントを発足させた。構想では劇場版「ガーディアン・レディ 南海の秘宝」を製作した後で、日本国内ではテレビ毎朝系列で第一シーズン26話を放送する予定になっていた。しかも視聴率が振るわなくてもサイバーテックグループが赤字を補填する契約だった。それだけ江藤会長の思い入れはすごかった。


 サイバーテック・ロイド関東第三工場で石橋から説明を受ける姿を工場の端で見ている老作業員がいた。彼は使い込んで機械油のシミだらけの作業服を着て黙々とモップで床掃除をしていた。そこに太田垣がやってきた。「会長、なにもご自身で床掃除をされなくても直接見にきてください」 江藤会長はお忍びで見に来ていたのだ。


 「太田垣くん。今日は彼女らがガーディアンレディになるところを直に見ておきたいのだ。変に緊張されて素が見えなくなっても困るからな。それに実はあそこで付き人をしているのがワシの孫娘の薫だ。向こうは目が利くのでもうワシの事に気付いていると思うがな」


 そう話をしていると向こうから少女の一人がやってきた。薫だった。亜佐美たちが着替えに行ったので手が空いたからだ。


 「おじいさま、やっぱり義父さんが言われるとおりに来ていたのですね。おじいさまもそのような格好をされたのですね。それにしてもお久しぶりですね」


 「薫、なかなか忙しくて会えなくてすまなかった。お前がこの映画に出るような予感がしていたのだが、本当になるとは思わなかったぞ。しかし、しばらく会わないうちに一段と女性らしくなったな。ところで、お前来年大学入学だろ? 進路なんか決めたのか? 」


 「義父さんのお仕事を手伝いたいので経営学を学べる大学に進学しようと考えています。叔父さんは本当は私の機械脳を生かすための進路に向かってほしいとお思いでしょうけどね」


 「うーん。政志は喜ぶだろうが琢哉はがっかりだな、そりゃ! ワシは薫が良いと思う道を歩めばいいぞ。それにしても、お前が新人女優の付き人というのもおかしいな」


 「おじいさまだって、お忍びで清掃員の格好をしているじゃないですか。私も親友と夏休みを過ごすために働いているのよ。自分で調べてから女優の仕事にも興味が湧いてきましたが、自分でやる気はありませんけど、足手まといにならないように頑張ります」


 「そうか。お前の好きなようにしたまえ。でも映画が無茶苦茶になるようなことだけはしないでくれ。なんたって、この映画はワシの長年の夢だったからな」


 二人の会話はその後もしばらく続いたが、亜佐美たちがインナースーツに着替えて出てきたので、持ち場に戻ることになった。英樹は薫にしっかりやってきなさいといって別れた。



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