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夏バイトに行て機械娘にされてしまった  作者: ジャン・幸田
第一五章:薫の忘れえぬ夏の日
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15-01 懐かしいジャケット

 美由紀の実家を訪ねた薫と祐三は朝食をご馳走になっていた。8月12日は金曜日でその前の日からお盆連休で従業員は誰もいなかった。今井家の食卓に五人が並んでいたが、やはり美由紀の格好は異様だった。首から下がメタリックボディの機械娘の姿だったからだ。いつものように従業員が今井工務店に出勤していたら大騒ぎになっていたに違いなかった。


 「美由紀、あんたのその姿見ていると、江藤の叔父さんに機ぐるみのモデルをやらされたことを思い出すよ。そこの薫さんのお母さんと一緒にね。でも、なんか快適そうだね。夏なのに暑がっていないし」


 美由紀の母、真由美は半ばあきれたように言った。さきほど薫から現在美由紀が着用しているスーツについて説明してもらったが、それほど驚かなかったのは薫の祖父、江藤英樹に昔、パワードスーツの試作品の機ぐるみを着せられた事があったので、孫も同じ事をするのだなと思ったのだという。やはり血は争えないといいたかったのかもしれない。


 その時、美由紀は頭だけ人間であったが、このスーツの頭部をつけたほうが気持ち良いと思っていたが、さずがに両親の前で機械娘になる勇気はなかった。とりあえず実家にいる間は外しておこうという事になった。


 祐三は東京本社に連絡して、三人とも富山空港から社用機で上京する段取りを取ったが、お盆で都合が取れないので夜遅く向かうことになった。だから今日一日予定外のオフとなった。本来は今頃は機械娘三人が東京本社にいなければならなかったが、先に向かった二人を乗せた搬送車が”奴ら”に追尾されていたことが判明したため、破壊措置がとられたため、二人の予定もキャンセルになったので都合が良かった。


 オフとはいっても特にやることがないので、とりあえず薫は美由紀の部屋に一緒に行った。そこは普通の若い女性の部屋、と思ったら間違いだった。壁にガーディアン・レディのエリカのポスターが貼られていたからだ。自分の数年前の姿を見せられて薫は驚いていた。そのうえ関連グッズもいっぱいあった。一歩間違えたら熱烈な男性ファンのコレクションルームのようであった。


 棚にもガーディアン・レディの書籍がいくつかあったが、その中に最初の劇場版「ガーディアン・レディ 南海の秘宝」のジャケットがあった。薫はそれを手に取ると懐かしくて涙を見せていた。その姿を見て美由紀は不審に思った。その劇場版のエリカを演じた女優は永川アサミで二木エリカこと江藤薫ではなかったからだ。


 「薫、どうしてそれが懐かしいのですか? あなたは出演されていないのではないですか? たしかテレビシリーズからでしょデビューは? 」

 

 「ううん、実は私の本当のデビュー作はこっちなのよ。”周薫媛しゅう りんえん”名義で出演しているのよ。この映画でエリカを演じた子と大の親友だったから一緒に出演したのよ。でも私はその時は脇役を何役もしているのに誰も気付いていないだろうね、それに一番登場時間が長かったのは悪役の女怪人で全身黒ずくめの衣装だったから知らないはずだよ」


 「そういえば周薫媛って、ガーディアン・レディの中国語版と英語版でエリカの声をやった事を思い出したけど、ひょっとしてあなたなの? それになんで永川アサミさんってエリカをやらなくなったのですか? 」


 「そうよ、ガーディアンレディの吹き替え版は私がしたのよ。わたし中国人のハーフだから中国語も母国語なのでね。それよりも美由紀はアサミの事を知らないのだね。仕方ないことだけどね。彼女にとって最初で最後の出演作だったからね。本当は彼女がずっとエリカをし続けたらよかったのにと思うよ。それに彼女がいなければ今の自分は無かったと思うけど、やはり本当は今も一緒に彼女と人生を謳歌したかった。ちょっと悪いね、そこのティッシュを少し分けてくれない私に? 最近、涙もろくてね私。本当に大丈夫かしら? 少し長くなるけどアサミの話をしてもいいかしら? 」

 

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