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猫
私の家では猫を飼っているのだが、ある日母がもう一匹子猫を拾ってきた。
「道路の真ん中で、うずくまってたから」
とは言うものの、既に飼っている猫も母が拾ってきた猫である。
まず、弟が母に一喝した。
「また猫拾ってきて!ちゃんと最後まで飼えるの!?」
よくテレビやドラマで見る光景とは全く逆の光景だ。
親が動物を拾ってきて、子から怒られている。
結局、数日の間は家で飼うことになったのだが、情が移ると手放しづらくなるからと、猫に名前は付けなかった。
というのが、半年前の出来事である。
その子猫はと言うと、家族から『ねこ』という名前を付けられ、すっかり我が家の一員になってしまった。
問題なのは、動物病院に行った時、カルテに猫の名前を書かなければいけないことだ。
その時はただの予防接種だけだったのだが、『ねこ』と書こうとして手が止まった。
猫に『ねこ』って、やはりおかしいのでは……
わたしはとっさに『ミー』と書いた。
この動物病院では『ミー』と呼ばなければならないのかと、若干まじめに名前を考えていなかったのを後悔し、
「ミーちゃん、大丈夫だからね」
とあやす獣医さんに、なぜだか申し訳なく感じた。




