新しい情報
時間が取れない……
次話は少し長めになる予定です。
翌日、さすがに連日遅刻はせずちゃんといつも通りの時間に登校する。
今日は授業が半日で終わるため、早く家に帰って昨日の続きをやりたいという気持ちが大きい。
「おはよう涼太!いやー昨日は熱かったねぇ私たち!」
教室に入ると同時に舞花が駆け寄ってきた。
昨日の興奮冷めやらずといった感じで目をきらきらさせている。
「おはよう。かっこよかったよ舞花」
そう言って褒めると舞花は嬉しそうに微笑む。
「ふふ、涼太がサポートしてくれたおかげだよ」
「お二人さんとも、自分たちの世界に入るのは構わんがその前に少し聞いて欲しい話がある」
ジト目で僕たちを睨む樹が会話に割って入ってくる。
「シュリ姉さん抜けたし肩身が狭くなりそうだな俺……。まぁそれはいい、昨日一日で結構攻略が進んだようで新しい情報がいくつか入ってきたんだ」
そう言ってPIDを使い、プレイヤーの交流サイトを開く。
僕と舞花が画面を覗き込むのと同時に、樹が説明を始める。
「まず一つ、今まで飛行スキルを持っていても超える事が出来なかった初期エリアを囲む山脈を超える事が出来るようになった」
おそらく昨日の坑道を通っていく意外にもいくつか新エリアに行く手段として解放されたのだろう。
「そっちが新エリアにいく主流ルートになってるんであんまり坑道の方は知れ渡ってないみたいだな。まぁNPCにききこめばすぐわかるんだが。んで次、新エリアについてなんだが、やっぱり敵の平均レベルが高いらしくて今の涼太だとこっから先すこしきつくなると思う。んで、ちょうど休日だしストーリー進行はいったん置いといてレベルあげをしようと考えてる」
「僕のレベルあげ?」
「いや、今回は俺たちもレベルあげに専念しようと思ってる。というのも、これも新情報なんだが新しく実装された進化がかなり強力らしくてな」
そう言えばアップデートの際に三次進化ともう一つ、覚醒進化というのが追加されたいた事を思い出した。
「三次進化は、まあこれまでと同じような進化だ。能力値の上昇や特殊スキルの追加とかな。が、問題はここからだ」
そう言うと樹は一つの動画を僕たちの前に映し出す。
その動画には召喚獣が戦闘中に姿を変え一気にモンスターを倒した後、再び元の姿に戻っていく過程が記録されていた。
「これって進化?でも元の姿に戻ったよね」
僕の疑問に即座に樹が答える。
「こいつが覚醒進化。イメージとしてはデメリットのない銀狼の加護みたいなもんらしい。が、いかんせん情報がまだ少なすぎてな。今の所わかってるのは三次進化をしている事が必須だってことだ」
「三次進化の条件は何なの?」
舞花が動画を眺めながら樹に聞く。
「71レベルからだそうだ。というわけで、俺と森川は土日で三次進化を目指し、涼太は二次進化を目標にレベルあげしてからストーリーに臨もう」
「僕はそれで良いと思う。力不足なのは昨日の戦闘でも痛感したし」
「私も賛成、覚醒進化楽しみだしね!」
僕たちの了承を得られると、樹が何個か経験値効率の良い場所を教えてくれる。
それを元に一人ずつ計画を立てることにした。
三人ともレベル帯が大分違うので同じ所でやるのは効率が悪く、分ける事にしたのだ。
「よし、じゃあこれで決定だ!まぁ楽しむのが第一だからあんまり煮詰めないように頑張ろうぜ」
樹が言い終わると同時に授業開始のチャイムがなったので、急いで席に着いた。