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ふたご銀河の物語  作者: 日向 沙理阿
6/153

ダルシア帝国の継承者

52.

 ゼノン帝国の艦隊旗艦アゼンダ上では宮廷魔術師ファールーレン・ディラが、

「向こうにはかなり強力な魔法使いが居ます。先程の巨大な魔法陣を見ればわかります」

と、言った。

 あのようなものはこれまで見たことがなかった。宇宙空間に浮かんだ魔法陣によって起きたことは、ゼノン帝国の魔術師の想像を超えていたと言ってもいい。あのような強力な魔法使いがいるとは思わなかったのだ。

「あのような力を持つものは、ガンダルフの魔法使いでもそう多くはおるまい」

と、ドールズ・ゴウン艦隊司令官が言った。

「おそらく、ガンダルフの五大魔術師、いえ魔法使いでしたか、その一人ではないでしょうか」

と、ディラは言った。

「とすると、かの噂で聞くガンダルフの魔法使いが生まれ変わってきていると、そのようなことがあるとでもいうのか?宮廷魔術師のおまえでもそう言うのか?」

と、ドールズ・ゴウン元帥が馬鹿にしたように言った。

 生まれ変わりというのは、ゼノン帝国では民衆の戯言に過ぎないと考えられているのだ。地位も身分もある、学問もある人物が言うことではないのだ。まして宮廷魔術師という地位にあるディラが口にするとは思わなかったといいたげだった。

 だが、少なくとも、一流の魔術師は口には出さなくても、それを信じている者が多い。魔術や魔法そのものが、目に見えないものを肯定し、目に見えない世界のあること、そして生まれ変わりがあるという思想に繋がっているのだ。

 何しろ、ガンダルフは魔法の生まれた星だった。どんな魔法使いもガンダルフの魔法使いを知っている。ガンダルフでは生まれ変わりということが殊更強く信じられているのだ。だから、どこの魔術師も魔法使いもそれについては知識もあり、信じるものがいる。

 特にゼノン帝国では魔術師として力の強いものほど、その影響を受けている。

 ガンダルフの魔法使いの第一は、大賢者と呼ばれ、魔法を創成した者、呪文を綴る者として『レギオン』という呼称で呼ばれる者。二番目は魔法使いの長と呼ばれる白髪の魔法使いで、『アーサー』と呼ばれていた。『銀の月』と呼ばれる魔法使いは三番目に当る。このほかに女の魔法使いとしてガンダルフの守り手と呼ばれる『エリン』、女賢者と呼ばれる『フェリシア』がいた。

 この五人がガンダルフの五大魔法使いとして有名だった。この五人の魔法使いは、いつも同じ時代に生れるという伝説があった。それもガンダルフの危機の時代だ。

「つまり、ガンダルフは危機の時代を迎えているとでもいうのか、ディラ?」

と、ヴィレンゲル少将が揶揄するように言った。彼は、少しは魔術が使えるが、生まれ変わりという思想は信じてはいなかった。それが、ゼノン帝国の普通の貴族であり、軍人である。

「もし、我々がガンダルフを征服することに成功するならば、それは当っているではないか?」

と、ゴウン元帥はこともなげに言った。

 だがディラは少し異なった考えを持っていた。ガンダルフの五人の魔法使いが出る時代というのは、あの闇が胎動する時代と聞いていた。それはゼノンでは魔術師の間でのみ伝わる伝説でもあった。従って普通人は知らないことなのだし、信じてもいないことなのだ。

 しかし、その説には何の根拠もなかった。単なる伝説、説話にしか過ぎない可能性もあった。魔術師以外の者には言ってはならないことでもある。だからディラは黙っていた。

「それで、ディラよ、そなたに何か策はあるのか?」

と、ゴウン元帥は言った。

 返事をしようとして、ディラは妙な気配を感じた。

「何者!」

と、大きく腕を振り回し、ディラは結界の呪文を張った。だが、その魔術は跳ね返されてしまった。

 そこに現れたのは、霧状のキラキラしたものだった。

「これは?」

と、ゴウン元帥は言った。

「危険です。閣下。これは、おそらく……」

と、ディラは古い知識からある種族を導き出して言おうとした。

 それはキラキラ光りながら、

「あまり騒ぐものではない」

と、声を発した。

 そして、それはゆっくりと時間をかけて人型に変じた。

「おまえは、誰か?」

と、ヴィレンゲル少将は言った。

「私か?私は、その女魔術師の思っている通りの者だ」

と、その人型となった者は言った。

「ディラ、これは何なのだ?」

と、ゴウン元帥が聞いた。

「これは、おそらく、暗黒星雲の種族だと思われます」

と、ディラは答えた。

「暗黒星雲の種族だと……」

 ヴィレンゲルは、その名を聞いたことがあった。古老が恐ろしげに使う種族の名だった。かつてジル星団で乱暴狼藉の限りを尽くしたという。かのダルシア帝国でさえも手を焼いた者たちなのだ。

 ディラは緊張した。だが、少しホッとしていた。その彼も闇の者ではなかったのだ。ディラの見た古文書には、闇の者の名に暗黒星雲の種族は入っていなかったのだ。

「これは、これは、ゼノン帝国艦隊の提督閣下とお見受けする。私はその女魔術師の言う通り、暗黒星雲の種族に属する者。初めてお目にかかるが、ご機嫌はいかがかな?」

と、機嫌よく彼は言った。

 彼にとって『銀の月』が使った魔法など、児戯に類するものだった。たとえどんなに遠くへ飛ばされようと戻るのは容易いことだ。しかし、あの力は軽く見てはいけないことを知っていた。やりすぎて下手をすれば動きを止められる、――封印されるという事態に陥りかねないのだ。ガンダルフの『銀の月』ならやりかねないことだ。

 封印されると、暗黒星雲の種族だから不死ではあるものの、移動の自由を奪われてしまうのだ。一つところに存在することを強いられることになる。それに意識ははっきりしていても、思うようにその力を使うこともできなくなる。そして、相手がそれを解除してくれるまで、いつまでもその状態が続くのだ。それは未開種族がよく言う、地獄にいるようなものなのだ。

「暗黒星雲の種族というと、あのダルシア帝国でさえ、手を焼いたという種族のことか?」

と、ゴウン元帥は言った。

「その通り!元帥は博学ですな。あの要塞にいたゼノン帝国大使ボルドレイ・ガウン閣下とは大違いだ」

と、彼は言った。

「おまえは、要塞からきたのか?」

と、ヴィレンゲル少将は驚いて言った。

「面白いショーをやっているので、見に行ったまでのこと。ゼノン帝国のお歴々は、ヘイダール要塞を占拠するのがお望みかな?」

と、彼は言った。

「あの要塞から来たのなら、今どうなっているのかわかるのではないか?審判はどうなっている?」

と、ヴィレンゲルは聞いた。

「ふむ。審判のことか?今は休憩中だ。あのナンヴァル人の女大使はあと一時間ほどで審判の結果を下すことになっている」

「あと一時間か?」

と、元帥は言った。

 もう時間が無い。審判の結果はわからないが、ゼノン帝国の候補者に決まるかどうかはわからない、とゴウン元帥は考えていた。

「だが、大勢は決まっている」

と、彼は言った。

「ほう、誰に決まりそうなのか?」

と、元帥は言った。

「多分、タレス連邦のタリア・トンブンという者だ」

 ゼノン帝国艦隊のゴウン元帥、ヴィレンゲル少将、魔術師のディラはお互いに顔を見合わせると、

「なぜ、タレス連邦の者に決まるのだ?」

と、ヴィレンゲルが聞いた。

「それは、難しい質問だ。だが、ナンヴァル連邦のデレン大使閣下によると、タレス連邦のタリア・トンブンがダルシア帝国の後継者にふさわしいということのようだ」

と、彼は言った。

「それは、おかしいではないか……」

と、ゴウン元帥は言った。

「ゼノンの候補者は、ダルシア人の血を確かに受け継いでいる者たちばかりだったはず。なぜ、そのような者に?それとも、タレス人の中にもダルシア人の血を受け継ぐ者がいるのだろうか?」

と、ヴィレンゲル少将は言った。

「いや、タリア・トンブンはダルシア人の血を受け継いではいない。何の血縁もない。しかし、コア大使はタリア・トンブンにダルシア帝国籍を与えたのだ。従ってコア大使亡き今は、最後のダルシア帝国籍を持った者というわけだ。そして確かなことは、かのダルシアのコア大使が、タリア・トンブンを後継者として指名しているというのだ」

「コア大使が?そんなばかなことがあるか。第一、何の血族でもない、どこの何ものとも知れぬものにダルシア帝国の遺産を継がせるなど、笑止ではないか」

 彼は、タリア・トンブンがかつてのダルシア帝国皇女アプシンクスの生まれ変わりだということをおくびにも出さなかった。もっとも例えそれを言ったとしても、ゼノン帝国の慣習ではそうした生まれ変わりなどということを心情的にも法的にも認めることはない。ゼノン帝国では生まれ変わりをするという考えは、庶民のいかがわしい言い伝え程度のことに過ぎないということを彼は知っていた。

 それはジル星団の古い文明を継承する僅かな国を除く、他の国々で一般的なことだった。生まれ変わりについては、それを立証することが不可能に近いので、法律で認められてはいないのだ。

 だが、それは単にまだ証拠を示す技術がないだけに過ぎない、ということでもあった。

 ジル星団の古い文明は別にして、他の多くの文明はいまだ目に見えぬものを探索研究するような段階に達してはいないのだ。そのようなものがあると考えてもいない文明がまだ多かった。そして、そこに行くまでに滅びの道を辿る文明が数多くあるのだ。


53.

 特殊能力者でタリア・トンブンとともにタレス連邦から出てきたアリュセア・ジーンは、バルザス提督の宿舎で子供達と一緒に休んでいた。

「あと一時間でまた審判が開かれるのね」

と、アリュセアはため息をついた。

 ダルシア帝国の継承者問題など早く終わってほしいとアリュセアは思っていた。これはジル星団の惑星連盟にとって重要なことではあるが、アリュセア自身にどれだけ関係があるのだろうか?確かに、かつて惑星ガンダルフでタリア・トンブン、当時はダルシア帝国のアプシンクス皇女に会った記憶があるので、今回証人になったのだ。だが、そのために子供達まで巻き添えになるところだった。

 アリュセアに割り当てられたヘイダール要塞の宿舎は、タレス連邦の大使とその警護に来た兵士によって襲われたのだ。扉が熱線銃によって破られそうになり、済んでのところで魔法でバルザス提督を呼び出し、彼の宿舎へ逃げ込んだのだ。

 その後も不安が続いたが、死んで霊となりヘイダール要塞に来ていたダルシア帝国のコア大使が、魔法陣でバルザスのいるところへ行ってから、やっとその不安が徐々に消えていったのだ。

 アリュセアは今世の記憶と過去世の記憶がそれぞれ蘇ってきて、混乱しそうだった。まして、銀の月であるバルザスがいるので、記憶が複雑になる。過去惑星ガンダルフで生きた時の記憶が何かと前面に出てきそうになるのだ。かの惑星ガンダルフの五大魔法使いはいつもこんな風だったのだろうか、とアリュセアはサンシゼラ・ローアンの記憶から思い出していた。

 再びアリュセアはため息をついた。すると自分のもっと古い記憶に子供のころ絵本で見たドラゴンの姿が見えたような気がした。不思議にそのドラゴンは恐ろしくはなくどこか親しみがあって、まるで自分を守ってくれるような安心感を呼び起こした。

 惑星連盟のそれぞれの政府が派遣した艦隊は銀の月――バルザス提督が魔法を使ってそれぞれの国へ返していた。また、ヘイダール要塞を乗っ取ろうとする動きも、ジル星団の古い国々の魔法使いたちの協力で、回避することができた。

 そのヘイダール要塞の司令室での騒ぎは、ここまで及んでは居なかった。心配ではあるが、あれから不安の気分はほとんど一掃されたので、ホッとしていた。

 アリュセアの子供達もやっと人心地が付いたようで、出されたお菓子を口にしていた。

 だがホッとしたのも束の間、アリュセアの知らぬ間にヘイダール要塞にゼノン帝国とタレス連邦の別の艦隊が近づいてきていた。


 それは、突然のことだった。

 アリュセアの目の前に、あの審判に現れた男がいた。バルザスがリード・マンドと妙な名で呼んだ男だ。彼女の昔の記憶の中では暗黒星雲の種族に属していた。目にするだけで何か嫌な予感がする。

「な、何なの?」

と、驚いて呟くと、他の光景も見えてきた。

 よく見ると、男はこの部屋に来たわけではなかった。アリュセアが男のいる場所を見ているのだ。

 それはゼノン帝国の艦の中のようだった。

――

「コア大使が?そんなばかなことがあるか。第一、何の血族でもない、どこの何者とも知れぬ者にダルシア帝国の遺産を継がせるなど、笑止ではないか」

と、ゼノン帝国艦隊の将帥と思しき人物が言った。

「だが、大勢は決まったも同然だ。第一、あのナンヴァル人の女大使がそれを支持しているのだから」

と、男は言った。

「何とかならぬものだろうか?」

と、ゼノン帝国艦隊のもう一人の将官が言った。

 他にゼノン帝国の魔術師と思われる女がいた。

「おまえは暗黒星雲の種族であろう。それがなぜ、我らの味方のような振りをするのだ?」

と、女魔術師が言った。

 かつて、ゼノン帝国と暗黒星雲の種族は協力関係にあったこともあるが、結局それは決裂して終わったと歴史にある。ゼノンの魔術師はそのことをよく知っていた。

 だが、それには答えずに、

「ダルシア帝国と言えば、このジル星団でもかなり古くからある文明だ。このゼノン帝国も元を辿れば、ダルシアから分かれたのではなかったのか?」

と、男は言った。

「ふむ。かつては、確かにそうだった。だが、今は違う。我らはゼノン帝国として新たな国を作り、育てたのだ。我がゼノンはあのダルシアよりもはるかに大きく、また優れている」

と、年上の将帥が言った。その態度、表情から真実そう思っていることがわかる。

「そうだな。ダルシア帝国はいまや滅びたも同然だ。コア大使は最後のダルシア人だった。」

と、男は淡々と言った。

「だからこそ、今が好機なのだ。ダルシア帝国は今主がいない。我らの別の艦隊がダルシアに既に向っている……」

と、年上の将帥が言った。

「元帥閣下、そのようなことを……」

と、女魔術師が疑り深い目を男に向けて言った。元帥にしては軽はずみだとディラは思った。

「かまわぬ。例えリドス連邦王国がそれを阻止しようとしても、もう遅い。間に合わぬ。それよりも、何としてもあのヘイダール要塞を占拠する必要がある。でなければ、その継承者となるタリア・トンブンを抑える必要がある。どこの馬の骨であるかはわからぬ者であっても、もし正式な継承者と惑星連盟が認めるのであれば、それを翻すことは難しい。だが、その女を我々に従わせることはできるではないか」

と、元帥は言った。

「なるほど、ゼノン帝国の方々はそのような計画をお持ちということか。それなら、それに協力することができないこともない……」

と、暗黒星雲の男は言った。

「何?それは、誠か?」

と、元帥は言った。

「元帥閣下。このような者の言うことを信じてはなりませぬ。あの暗黒星雲の者がかつて何をしたかお聞き及びでございましょう」

と、ヴィレンゲル少将が言った。

「それは昔のことだ」

と、元帥は言った。

「それならば、よいことをお教えしましょうぞ……」

と、男は言った。

 その時、男がアリュセアの方を見たように思えた。顔が一瞬こちらを見たのだ。その顔が妙に歪んで見えた。

――

 映像はそこで、途切れた。

「アリュセア、アリュセアどうしたの?」

と、近くで声がした。カール・ルッツの声だった。心配そうにアリュセアを見ている。

「あ、ああ。ここは?」

 少しの間、ボーッとしていたようだった。けれどもすぐに我に返ると、

「大変だわ。要塞の司令室に連絡が取れない?」

と、アリュセアは言った。

「どうしたんです?」

と、ドルフ中佐が言った。

「ゼノン帝国の船の中に、暗黒星雲の男がいたの」

「暗黒星雲?あの審判のときに現れた……」

「そう、彼がゼノン帝国の人たちと何か企んでいるの。それに、ダルシアにゼノン帝国の艦隊が向っているそうよ」

「何だって!」

と、ドルフ中佐が言った。

「私を銀の月のところへ送ってくれない?」

と、アリュセアはドルフ中佐に頼んだ。

 アリュセアは何か嫌な予感がするのだった。これまでよりももっと大変なことが起きそうな予感だ。


54.

 ドルフ中佐の魔法陣に取り巻かれて、アリュセアは次の瞬間ヘイダール要塞の司令室にいた。周りにいる者たちは、魔法陣とアリュセアが現れたのに気づくのに少し時間がかかった。皆、大スクリーンの方を向いて、迫り来るゼノン帝国とタレス連邦の艦隊に気を取られていたのだ。

 最初に気づいたのは、バルザス提督だった。

「どうしたんだ?アリュセア?」

 その声に、要塞の幹部たちもアリュセアの方を向いた。皆一様にアリュセアを見て、いつの間に来たのだろう、と思った。司令室へはそう簡単に来られるとは思えない。何しろ、タレス人の亡命者達は要塞に来たばかりなのだ。それに、外に立っている衛兵は許可も取らずにどうして要塞の兵士でもない彼女を中に入れたのだろうか?

「あ、あの、その……」

 アリュセアはタレス連邦の普通の市民だった。だから、こんな地位の高い軍人ばかりの場所など近づいたことがないし、彼らと話をしたこともない。けれど、その後ろに見える大スクリーンにゼノン帝国の艦隊を見つけた時、

「あの、暗黒星雲の男が、ゼノン帝国の艦隊の旗艦にいるわ。それで、彼らに協力すると言っていたの」

と、アリュセアは勇気を出してバルザス提督に言った。

「奴が向こうにいるだと?」

と、バルザス提督の声が剣呑に響いた。

 今現在のアリュセアの特殊能力について詳しく知っているわけではないが、彼女が見たと言っている以上それは現実にあったことだとバルザスにはわかった。彼女がサンシゼラ・ローアンと言われた時代に持っていた能力は予知だけではなかったのだ。

 サンシゼラ・ローアンの時の記憶が蘇ったなら、おそらくその力も同じく蘇っただろうと銀の月でもあるバルザス提督は考えていた。

「それで、この要塞を占拠するのに協力して、ダルシア帝国の継承者になるタリアを捕まえて、彼らに従わせるつもりだと言っていたの」

「それで、どんな計画だった?」

と、バルザスは聞いた。その様子があまりにも相手のことを信じていることが明白だったので、他の者たちは唖然としていた。

 いったい、この突然現れたこの女は何者か?バルザス提督は、なぜこんなわけの分からない話を簡単に信用するのだろうか?

 そうした他の連中の思いとは無関係に、バルザスとアリュセアは真剣に話していた。

「そこまではわからないわ。その計画を話す前に、見えなくなったから……」

「他には?」

と、バルザスが聞いた。

「ええと、そうダルシア帝国に今ゼノン帝国の艦隊が向っているそうよ」

「ダルシアに?」

「大丈夫かしら?」

と、アリュセアは心配そうに言った。

「ダルシア本国の方は大丈夫だろう」

と、バルザスは言った。

「なぜ?そんなことが言えるんだ?」

と、ダズ・アルグが聞きつけて言った。

「ダルシア帝国には『ダルシアン』がいる。コア大使が亡くなっても、帝国の中枢を統べるのは『ダルシアン』、つまり中央脳だからだ。ダルシアの艦隊は健在だ」

と、バルザスは言った。

 このアリュセアというタレス人の女性が何者なのかはわからないが、ダズ・アルグはタリア・トンブンのことを思い出していた。TPではないが、彼女も何か特別な能力を持っているのかもしれない。

 一方ディポック司令官は、アリュセアのことをよく覚えていた。審判の間でタリア・トンブンの証人になるために後からやってきたからだ。それに暗黒星雲の種族とかいう妙な異星人がアリュセアのことを予知者サンシゼラと呼んでいたのだ。

 予知者ということは、先のことがわかることではないのか?TPや魔法使いとも違った能力だろうということはある程度わかったので、

「ちょっと質問してもいいかな?」

と、ディポックは言った。

「え?あなたは?」

と、アリュセアはディポックの方を向いて聞いた。

「サン、こちらはヘイダール要塞司令官だ」

と、バルザスは言った。

 アリュセアはしみじみとディポックを見た。彼に気づいたとき、彼の身体全体から光が出ているのが見えたのだ。その光は尋常の輝きと大きさではなかった。

 この時、アリュセアはかつてのサンシゼラ・ローアンの時の記憶が大きく表に出てきた。そのためその光の意味がわかったのだ。

「あの、あなたがこのヘイダール要塞の司令官ですか……」

 アリュセアはディポックから出る光に魅せられて、一歩二歩と吸い寄せられるようにディポックに近づいて行った。

「審判の間で、あなたを見かけました。タレス連邦の方でしたね。あなたの能力は予知なのですか?」

と、ディポックは聞いた。

「ええと、それはサンシゼラ・ローランの能力の一つです。私は予知夢を見たり、霊を見たりする力を持っているだけです」

と、アリュセアは言った。

「でも、サンシゼラとあなたは同じ人物だということですよね」

と、ディポックは聞いた。

「それは少し違うと思います。個性が違うのです。だから同じではありません」

「そうですか、で、先ほどの話ですが、あなたには向こうのつまりゼノン帝国の艦の中が見えたのでしたね。それはあなたの意志で見たのですか?」

「いいえ、突然見えたのです」

とアリュセアは答えた。

「それで、向こうが何をするか具体的な話になる前に、また見えなくなってしまったのですね」

「ええ、そうです」

「突然何かが見えたり、見えなくなったりするのは、よくあることなのですか?」

と、ディポックは慎重に尋ねた。

「よくあります。私のような予知夢を見たり霊を見たりする力は、突然目の前に映じることが多いのです」

「なるほど……」

と、ディポックは言って何かを考えているようだった。

 その間にも、ゼノン帝国とタレス連邦の艦隊はヘイダール要塞に近づきつつあった。


「で、こちらのゼノン帝国とタレス連邦の艦隊の方はどうします?」

と、ダズ・アルグが言った。

「たぶん、あのタレス連邦の艦隊と連絡を取り合って、何かをしかけてくるだろうが、具体的にはわからない」

と、バルザスは言った。

「通信員!近づいてくる艦隊同士の通信はどうなっている?」

と、ダズ・アルグが言った。

「さあ、別にこれと言って通信はありません」

と、通信員が言った。

「向こうに居る能力者と魔術師が連絡を取り合っているということでしょう」

と、バルザスが言った。それならば、要塞の通信機に気取られる恐れはない。


55.

 タレス連邦艦隊司令長官ガイウス・ブレヒト元帥に旗艦所属のTPテオ・フィリウスは、

「ゼノン帝国艦隊から魔術師ディラが連絡してきました」

と、報告した。

「何と言って来た?」

「このまま通常航行で要塞に近づくように。特に何もしないでいいそうです」

と、テオ・フィリウスは言った。

 ディラは暗黒星雲の種族の男については、何も連絡しなかった。それについてはゼノン帝国艦隊だけの秘密として口を閉じていたのだ。

「やつらは何をするつもりでしょう」

と、ファウリ・ドノブ少将が不安そうに言った。

「少なくとも、我々はダルシア帝国の遺産を手にするまでは協力関係を持つ事になっている」

と、ブレヒト元帥は言った。

「ですが、我々を出し抜いて、やつらがダルシア帝国の遺産を独り占めするかもしれません」

と、ドノブ少将は言った。その可能性は充分あるのだ。いつ、裏切るかわからない危うさがゼノン帝国にはあった。

「わかっている。だが、今は他にどうもできないのだ」

 ガイウス・ブレヒト元帥は、タレス連邦政府による暗黒星雲の種族をこの案件に関係させるという企てを知っていた。それを知っているのは、元帥と大統領の二人だけである。それが今回どのような影響をこの作戦に与えるかは、未知数だった。ただ、それはゼノン帝国によるダルシア帝国の遺産の独占を阻止するたった一つの手段でもあった。

 かの暗黒星雲の種族については、ダルシア帝国は手を焼いていた。同時にかの種族は一時期、ゼノン帝国と手を結んでダルシアに敵対していたことがあるのだった。その協力はゼノン帝国の裏切りによって、挫折したと言われている。

 時代や世代が変わってゼノン帝国の人々はそのことを忘れたかもしれないが、暗黒星雲の種族は不死である。だから、今でも当時の苦い思いを覚えているに違いないとタレス連邦の大統領と元帥は考えていた。


 ディポック要塞司令官は、忍耐強く状況を観察していた。いったいこれから何が起きるのやらわからない。銀河帝国と新世紀共和国との戦争とは、事態の推移が違うのだ。

 これから艦隊戦が起きるのだったら、それほど困りはしない。この要塞は外からの敵には無敵を誇るのだ。だが、今回の件は、外交と戦いが結び付いているのは同じだが、別の星団の国や文明が関わっている。そこでは別の価値観があり、思いもかけない対応の仕方がある。

 だが、基本は相手を信用するか、しないかだった。

 これまでの経緯から、惑星連盟の議長は信用できるように思えた。それに、リドス連邦王国は謎めいているが、ある程度信用できるようだった。

 ゼノン帝国とタレス連邦というのは、どうも信用できそうになかった。どちらも政治的には間逆に位置にあるのだが、ダルシア帝国の遺産を欲しがっているという点ではあまり信用できなかった。

 ロル星団では政治制度の違いを重く見ていたが、どうもジル星団ではそれはあまり考慮にいれないようだった。何しろ、一番信用できそうなナンヴァル連邦というのが、神聖政治をしているという。それはロル星団では存在しない政治制度であるし、古臭い古代の未熟な文明の政治形態だと片付けられてしまうものだ。

 リドス連邦王国というのは、王制と民主主義の両性をとっている変わった国らしい。それにダルシア帝国は帝国と名の付く国だが、たった一人しか住民のいない国だった。そして今そのたった一人の住民すらもいなくなったのだ。


「司令官、ゼノン帝国の旗艦から通信です」

と、通信員が言った。

「わかった」

 ディポックは司令官席に坐りなおすと、

「こちらはゼノン帝国艦隊旗艦アゼンダ、艦隊司令官ドールズ・ゴウン元帥である。ヘイダール要塞にいるわがゼノン帝国政府代表に会うために、要塞に入港を要請する」

と、スクリーンに白髭姿のがっしりした背の高い、華やかな軍服を着たゼノン人が映じて言った。

「こちらは、ヘイダール要塞司令官、ヤム・ディポック。返事には少々時間が欲しい」

と、ディポックは応答した。

 同じようにタレス連邦艦隊旗艦より、艦隊司令官ガイウス・ブレヒト元帥が要塞に入港を要請する通信が来た。ディポックはこちらも同じ返事をして対応した。

「さて、どうするかな?」

と、ディポックは頭を掻きながら言った。

 突然アリュセアがやってきてから聞いた話は、判断が難しいものだった。これまでディポックが経験してきたこととはかなり違う展開が予想されるのだ。魔法や特殊な力を使う者にどうやって対処すればいいのか。先ほどはバルザス提督の力を頼ってしまったが、そういつまでも頼るわけにもいかない。

 惑星連盟の艦隊をそれぞれの国に返すという魔法はジル星団の他の国の魔法使い達にも驚きをもたらし、その魔法を使った後の魔法使いたちの疲弊を見るにつけて、そう何度も使えるものではないことがわかっているからだ。

 振り返って、要塞の幹部やバルザス提督、アリュセアを見やった。

「司令官、断ってはどうでしょうか?」

と、ダズ・アルグ提督が言った。

「そうだな……。それもいいが、他に何かいい考えはないかな?」

と、ディポックは言った。

 こういう時は素直に人の意見を聞いてみるのが、ディポックらしいところだった。

「まず、その前に、タリア・トンブンを司令室に来させてください」

と、バルザス提督は言った。

「タリア・トンブンを?」

「そうです。彼女に何かあってはまずいので……」

 ディポック司令官は素直にタリア・トンブンを呼びにやらせた。

「で、次は?」

と、ディポックが言った時、ヘイダール要塞が振動した。

 激しい揺れだった。それほど長くは無かったが、立っていられないほどの揺れだった。

 その時、少し離れて立っていたアリュセア・ジーンが倒れそうになって、司令官席に座っているディポックの肩に思わず手を出して身体を支えようとした。

 瞬間、絹を裂くようなアリュセアの悲鳴が要塞司令室に響き渡った。

 誰もがスクリーンを振り返った。

 だが、そこには変わったものは何も映じては居なかった。

「どうしたんだ、サン?」

と、慌ててバルザス提督はアリュセアの昔の名を呼んだ。

 その時、アリュセアの片手はディポックの肩を掴んでいた。そして、二度、三度と悲鳴を上げた。

 何が起きているのかバルザス提督はアリュセアの手を見て気が付いた。そして、急いでアリュセアの手を掴んでディポックの肩から引き剥がした。

「落ち着いてくれ、サン。何も起きてはいない」

と、バルザスは言った。

「いいえ、これから起きる。これから起きるの」

と、アリュセアはバルザスを睨むように見て言った。

「何が起きるんだ?」

「恐ろしいこと。こんなこと起こるはずが無いわ」

と、アリュセアは手で顔を覆って言った。

「何が起きるんだ?」

と、バルザスは再び聞いた。

「どうしたんです?」

と、ディポックが聞いた。

「わからない。何か、何かがここへやってくるのが見えた。あれは、どこかの宇宙艦隊なのかしら?」

「どこの宇宙艦隊なんだ?」

と、バルザス。

「わからない。見たことの無い形だわ。でもジル星団の艦隊よ。それだけはわかる。色は黒ではなくて、赤黒いような色。形は円盤ではないけれど、あまり厚みの無い楕円形のもの。数は、数百、いえ数千かしら」

と、アリュセアは言った。

「それで、どうしたんだ?」

「その艦隊がこの要塞を攻撃して破壊するの。ものすごい大爆発をして、この要塞が消し飛んでしまう」

「何だって?」

と、ディポックは言った。

 その艦の形に、バルザスは覚えがあった。ジル星団に様々な国の色々な形の艦があるが、アリュセアの言ったような特徴を持つ艦は、おそらくダルシア帝国の艦だろう。

「サン。いつ、その艦隊が来るのか分からないか?」

 アリュセアは、首を振って言った。

「わからない。でも、あまり時間がないと思う」


56.

 バルザスは考えていた。どうしてダルシア帝国の艦隊がここへやってくるのだろうか?

 それがもし、ダルシア帝国の継承者を守るためであるのなら、可能性がある。惑星連盟がダルシア帝国の継承者を決めると言っているのは、はっきり言って時間稼ぎにすぎない。なぜなら、継承者はすでにタリア・トンブンと指名されており、コア大使は必要な手続きを死ぬ前に取ったはずだからだ。

 惑星連盟が審判をしてダルシア帝国の継承者を決めるというのは、公にダルシア帝国の継承者を公表するということだ。ダルシア帝国の継承者を周知することによって、ダルシア帝国の遺産を我が物にしようとする、個人や他国からダルシア帝国とその継承者の安全を守るという意味があるのだ。

「バルザス提督、そろそろ教えてもらえませんか?あなたにはこの要塞を攻撃し破壊するかもしれない、その艦隊が何処の艦隊なのかご存知なのでしょう?」

と、フェリスグレイブ要塞防御指揮官が言った。

「たぶん、その艦隊はダルシア帝国の艦隊でしょう」

と、バルザスは言った。

「ちょっと、待ってくれ……。あの惑星連盟の議長とやらがこの要塞でやっているのは、そのダルシア帝国の遺産の継承者を決めるということだろう?コア大使とかいうたった一人の本物のダルシア人が死んだせいで。とすると、いったい誰がそんな命令を出すというんだ?」

と、ダズ・アルグが言った。

「『ダルシアン』です。ダルシア帝国の艦隊を出動させることが可能なのは、『ダルシアン』です」

と、バルザスは言った。

「その『ダルシアン』とか言うのは、ダルシア人ではないのだろう?中枢脳なら、機械ではないのか?」

と、ダズ・アルグが聞いた。

「『ダルシアン』はダルシア人ではありません。しかし、単なる機械でもないのです。私も正確にはわかりませんが、『ダルシアン』は元ダルシア人であったものの魂が宿っていると聞いたことがあります」

「いったい、どういうことなんだ?元ダルシア人の魂が宿るというと?」

「つまり、かつてダルシア人だったもので、ダルシアンになってもいいという者がいたら、『ダルシアン』になるということです」

 要塞の者たちはきょとんとして、バルザスの話を聞いていた。バルザス提督の話は、要塞の人々が理解するには難しかったのだ。

「そうだわ、コア大使はどこに?さっきまで、ここに居なかった?」

と、アリュセアが突然言い出した。

「そう言えば、どこにいったのだろう」

と、バルザスは言った。

 要塞の司令室の人々は狐につままれたような顔をした。

「いったい、バルザス提督は何の話をしているんでしょうか?」

と、リーリアン・ブレイス少佐が言った。

 バルザス提督とアリュセアの話は他の者には荒唐無稽に思えるかもしれないが、ディポックにはそう思えなかった。根拠は何もないが、魔法というものを目の前で何度か見たのだ。何か得たいの知れない力というものが、確かに存在するのだ。

 ディポックは不安だった。

 ジル星団の国のしかもダルシア帝国の艦隊となると、彼の想像を超えているかもしれないのだ。これまで干戈を交えた艦隊とは兵器システムがまるで違うかもしれない。今回タレス連邦やゼノン帝国が艦砲を撃ってきたが、それは単なる試し撃ちという程度のことだった。本当の実力はわからないのだ。

「その、ダルシア帝国の艦隊というのは、バルザス提督、あなたの目から見て、どの程度の実力があるかわかるだろうか?」

と、ディポックは聞いた。

 元銀河帝国の提督だったバルザスなら、ある程度の比較ができると思ったのだ。

「ダルシア帝国の艦隊はジル星団最強と言われてきました。ただ、残念ながら近年、ここ百年ほどは姿を見せたことはなかったと聞いています。だから、私も実際にはダルシア帝国の艦隊を見たことはないのです。もちろん過去の映像などでは見たことがありますが」

「それでは、ダルシア帝国の艦隊はもしかしたら、もう存在していないかも……」

と、ダズ・アルグはある期待を込めて言った。

「そんなことはありません。ダルシア帝国本国を守っていたはずです。ゼノン帝国などはダルシア帝国の艦隊を恐れて近づかなかったのですから」

「その艦隊がなぜ、ヘイダール要塞にやってくるというのだろう?」

と、ディポックは言った。

「やはり、タリア・トンブンと関係があると思います。彼女はダルシア帝国の継承者。惑星連盟がタリアを他の国々が継承者として認めるように審判を行っていますが、ダルシアにおいてはすでに継承者として故コア大使が手続きを終えていたはずです。あと、考えられるのは、審判のところに現れた、あの暗黒星雲の種族のことです」

と、バルザス提督は言った。

「あなたが、遠くへやったと言ったあの男のことか?」

と、ディポックは言った。

「そうです。サンの言うところによると、どうやらゼノン帝国艦隊旗艦に今はいるようです。私は彼に上手くしてやられたということです。問題は暗黒星雲の種族は、ダルシア帝国の天敵ということなのです」

「では、その暗黒星雲の種族の男を倒すためにやってくるというのだろうか?」

「おそらく、……」

「ちょっと、待ってくれ。バルザス提督、そのタレス人の女性は、ええと何と言ったかな?」

と、ダズ・アルグ提督が言った。

「私はアリュセア・ジーンといいます」

「彼女が見たという光景は、この要塞が破壊されるという映像だ。すると、暗黒星雲の種族という奴は、この要塞にいるということかな?」

「あの男は場所の移動など、自由自在です。今はゼノン帝国艦隊旗艦にいるかもしれませんが、次の瞬間にこの要塞に来てもおかしくはありません」

 バルザス提督の話は、要塞の人々にとってはやはりまだ荒唐無稽な話としか思えなかった。宇宙船を使わずに宇宙空間を自由に移動できるなどという話は聞いたことがない。まるでSFの世界の話ではないか。

 だが、ディポックはそれがお伽話ではないと感じていた。今、銀河帝国や元新世紀共和国に属していた者たちは、異質の文明と出会っているのだ。



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