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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

拝啓、人間の女性たちへ―メスカマキリより(全年齢対象版)

作者: 義母
掲載日:2026/06/12

---

情報:

この小説は R18のムーンライトノベルズ「拝啓、人間の女性たちへ―メスカマキリより」

( https://novel18.syosetu.com/n9316mh/ )

を全年齢対象に書き換えたものです。

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「カマキリの性的共食い(Sexual Cannibalism)。メスは交尾の前後、あるいは最中に、オスを頭部から容赦なく捕食する。脳を失ったオスの肉体は、中枢神経の抑制が外れることで、皮肉にも交尾の運動を狂ったように加速させる。オスは文字通り、自らの命のすべてをメスの産卵の栄養として捧げることになる――」


これが、私たち(カマキリ)の世界の本当のルール。


ともという名の男は、この絶対的な前提を何も知らないまま、私の前に現れたのよ。自分がロマンスの主役だと勘違いして、身勝手な特権意識を振りかざしながら。

さあ、極上の害虫駆除(クリーンアップ)の始まりよ。

---

1. 悪気のない傲慢

---


「おとってさ、いつも真面目で硬すぎるんだよ。もっと肩の力を抜いて、俺に甘えればいいのに。女の幸せって、そういうところにあると思うんだよね」


ともはそう言って、親しみやすさを装った笑顔で、私のパーソナルスペースへと自然に後ろ脚を踏み込んできた。

私は女性のカマキリ。彼は男のカマキリ。

彼の言葉には、一見すると悪意や暴力性はない。むしろ「君のためを思ってアドバイスしてあげている」という、親切心の仮面をかぶっていた。


だからこそ、タチが悪い。

人間の女性たち、敬愛を込めて「シスターズ」と呼ばせてもらうわね。あなたたちならこの「悪気のない無意識の軽視」が、どれほど肌にまとわりつく不快感をもたらすか、よく知っているでしょう?


職場で「女性ならではの細かい気配りを期待してるよ」と笑顔で雑用を押し付けてくる同僚。デートの席で「女の子なんだから、そんなに仕事ばかり頑張らなくてもいいのに」と、こちらのキャリアを優しく否定してくる恋人。居酒屋で「男を転がすのが上手いのが、本当に賢い女だよ」と、さも高尚な恋愛論のように語りかけてくる知人。


彼らには「女性を傷つけてやろう」という明確な悪意はない。むしろ自分を「優しくて頼りになる男」だと信じ込んでいる。

けれど、その根底にあるのは徹底的な見下しよ。

「女性は男より一歩下がり、男を立て、男に守られて消費される存在だ」という、社会のぬるま湯の中で無意識に培われた、強固な特権意識。


ともは、私がどれほど冷徹な拒絶のサインを出していても、それを「ちょっとシャイなだけ」「素直になれない可愛い頑固さ」だと、自分の都合のいいように解釈していた。男たちの脳みそというのは、自分たちが優位に立つ世界を維持するために、女性の「明確な嫌悪」を「甘え」に変換するバグを搭載しているのよ。


「ほら、そんなに警戒しないでさ」


ともは、私の明確な拒絶の「間合い」をさも当然のように無視し、そのトゲの貧弱な前脚を、私の緑色の肩へと優しく回してきた。

それは、同意も敬意も介さない、静かな侵略。

「これくらい、男なら普通のアプローチだ」と信じて疑わない、あまりにも油断しきった、傲慢な動き。


その瞬間、私の中の「完璧な捕食者」の血が、冷徹に、そして静かに沸き立った。


私は愛想笑いという名の擬態を完全に脱ぎ捨てた。

首を静かに傾げ、私の肩に置かれたともの前脚を、そして自信に満ち溢れたその顔面を、感情の入らない複眼で見つめた。

ただの「自分の立場を弁えない、処理すべき肉の塊」としてね。


ともが「え……?」と、私のただならぬ気配を察して、初めて困惑したように触角を震わせた。

もう遅いわ。あなたのその「悪気のない傲慢さ」が詰まった脳みそを、今から私のこの強靭な顎で、綺麗にクリーンアップしてあげる。


---

2. 絶対的な「間合い」の逆転

---


「おと、どうしたんだよ。そんな怖い顔してさ……冗談が通じないなぁ」


ともはまだ、笑っていた。自分の置かれた状況の異常さに、これっぽっちも気づいていない。

男たちはいつもそう。「女は怒っても、どうせ最後は許してくれる」「男が少し下手したてに出て、なだめてやれば機謙を直す」と、高を括っているのよ。人間の世界でも、女性が本気で激怒しているのに、「生理中なのかな?」とか「ヒステリーを起こしている」なんて言葉で片付けようとする男が、決まり文句のように現れるでしょう?


彼らにとって、女性の怒りは「まともに向き合うべき尊厳の主張」ではなく、「あやして処理すべき面倒なイベント」に過ぎないの。


けれど、私たち(カマキリ)の世界のルールは、そんな男の甘えを許さない。


ともが私の肩から手を引こうと、ほんの少し身を引いたその瞬間。

私の鎌――とものそれとは比べ物にならないほど太く、しなやかな筋肉が詰まった、無数の鋭い棘が並ぶ前脚が、音速を超えて空間を切り裂いた。


ガチ、と肉と外骨格が圧着される、容赦のない鈍い音が草むらに響く。


「え……? おと……? 何、を……っ! 痛い、離してくれ!」


ともが困惑し、恐怖にその複眼を見開いて、情けなく触角を激しく振り乱す。私の鎌の棘は、ともの胸部と前脚の付け根を深く穿ち、彼の肉体を完全にロックしていた。彼がどれほどもがこうと、羽をバタつかせようと、全身がハンターとして最適化された私の前脚から逃れる術なんて、この世界のどこにも存在しない。


「おと! どうしちゃったんだよ! 俺はただ、君と仲良くなりたかっただけなのに……!」


ともはまだ、自分が被害者であるかのような口ぶりで叫んでいる。

これよ。これが男の最たる欺瞞。

「悪気はなかった」「傷つけるつもりはなかった」「親愛の情の裏返しだった」。そうやって、自分の加害性を「悪意のなさ」という免罪符で覆い隠そうとする。


けれど、本質的にはすべて同じことなのよ。

夜道で女性の後を執拗につけ回していた男が、角を曲がった瞬間に待ち構えていた警察官や防犯ブザーに直面したときの、あの急に縮こまる情けない態度。職場で散々ハラスメントを繰り返して女性の尊厳を削り続けていた男が、弁護士からの警告書を突きつけられた瞬間に「そんなつもりじゃなかった」と言い訳を始める、あの卑怯な姿。


夜道のナンパ男も、無能な既婚男性の上司も、そして目の前のともも、追い詰められるとみんな全く同じ顔をして「そんなつもりじゃなかった」と被害者面を始めるの。自分が優位に立っているときは無意識の加害をノーリスクで楽しみ、いざ立場が逆転して制裁を受ける側になると、急に被害者のポジションに逃げ込もうとする。その卑屈さ、本当に反吐が出るわ。


「とも、あなたは『仲良くなりたい』という自分の欲望を、私の意思よりも優先したのよ」


私は首をさらに深く傾げ、至近距離から、恐怖でガタガタと震えるともの顔面をじっくりと観察した。

さっきまで「俺に甘えればいい」などと、上から目線で私を「導いてやっている」つもりだった男のプライドが、その瞳の奥で粉々に砕け散っていくのが分かった。


彼は今、生まれて初めて「自分は守られる存在ではなく、一方的に消費される側の弱者なのだ」という現実に直面している。


私は迷わず、ともの頭部へと、私の大顎を進めた。


「待ってくれ、おと! 頼む、話し合おう、俺が悪かッ――」


命乞いの言葉を、私は物理的に断ち切った。

私の強靭な大顎が、ともの緑色の額を容赦なくバリバリ、バリバリと噛み砕き始める。


「あ、が……っ、お、と……!」


人間の女性たち(シスターズ)。男の無意識の傲慢さを、その身勝手な特権意識を終わらせる最も確実な方法は、その歪んだ思想を生産し続けている「脳」を直接破壊して捕食(クリーンアップ)すること。

人間の世界でも本質的に同じことが出来るわ。男共がぬくぬくと甘えてきた「社会的な立場」や「言い訳の通用する環境」を、公的な告発や冷徹な法の手続きによって根底から強制終了(クリーンアップ)してあげればいいの。


大顎が彼の頭部を割り、その中身へと達した時、ともの意識の断片に、初めて「恐怖」とは異なる強烈な感情が去来したのが分かった。それは、自らが犯してきた、数々の「悪気のない加害」への、遅すぎる気づきだった。


---

3. 遅すぎた自覚と、内面の崩壊

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「ああ、そうか……。俺は、おとの心を一回も見ていなかったんだ」


言葉を失っていく俺の脳裏に、走馬灯のように過去の自分の姿が浮かんでいた。

それは、俺たち男がこれまでの人生で「悪気なく」繰り返してきた、女性たちへの搾取の歴史そのもの。


職場で後輩の女性が勇気を出して進言した意見を、「まあまあ、そんなに熱くならずにさ」と笑顔で聞き流し、彼女のプロフェッショナルとしての尊厳をマイルドに圧殺したこと。

かつて付き合っていた女性が、夜遅くにしつこく連絡してくる俺に「やめて」と本気で嫌がっていたのに、「照れてるだけ」「俺が好きすぎるんだな」と脳内で歪んだ変換をして、彼女の境界線を踏みにじり続けたこと。

街で女性とすれ違うたび、まるで自分が品評会の審査員であるかのように、その容姿や体型を「アリかナシか」で値踏みする視線を送り、それを「男の本能だから仕方ない」と正当化していたこと。


それらすべての行動の根底にあったもの――それは、「徹底的な、女性への人間性の剥奪」だったと、俺は自分の頭が女性のおとにバリバリと噛み砕かれるこの瞬間になって、同じ生き物として見てもらえない、食べ物として消費財として異性に利用される立場になって、ようやく理解したんだ。


俺は自分を「優しい男」だと思っていた。

けれどその「優しさ」とは、「自分の言うことを聞く従順な存在に対して、上から目線で慈悲を与えてやる」という、極めてグロテスクな支配欲の裏返しに過ぎなかった。女性を自分と対等な、血の通った、独立した人間として尊重したことなんて、ただの一度もなかった。自分の快楽、自分の都合、自分のメンツ。そのために女性の感情をタダで消費し、搾取することが、男の社会では「普通」として許されていたから。


「俺は……親切のつもりで、おとを追い詰めていたのか……?」


「その通りよ。」


ともの複眼から、傲慢な光が完全に消え失せ、底なしの絶望と自己嫌悪が溢れ出していたわ。

自分が「良かれと思って」やっていたすべてのアプローチが、私にとってはただの「境界線を侵す不快な害虫の動き」でしかなかったという現実。その絶対的な拒絶の事実に、彼のペラペラな男としてのプライドは、肉体よりも先に内側から粉々に破砕されていったわ。


「気づくのが遅いわ、とも」


私は彼の最後の思考が詰まった脳の器官を、冷酷に噛みちぎり、咀嚼した。


「あなたが『悪気はなかった』と言えば、女性が傷つきを飲み込んでくれる時代は、もう終わったのよ」


頭部を完全に失い、ただの首無し死体となったともの身体が、ドサリと葉の上に崩れる。

けれど、人間の女性たち(シスターズ)。話はここで終わらないの。


頭脳を失い、思考を失い、心さえ失ったというのに、皮肉なことに、ともの下半身のパーツだけは、中枢神経のブレーキが壊れたことで、それまで以上に激しく、狂ったように機械的な交尾のピストン運動を始めだしたのよ。


「ふふ……っ、あはははは!」


私はそれを見て、声を上げてあざ笑ってしまったわ。

見てごらんなさい。あれほど「女の幸せ」だの「俺に甘えろ」だの、高尚な恋愛論を語っていた男の成れの果てを。

脳みそを失い、自分の犯した加害性を反省する心すら消え失せたあとに残ったのは、ただ下半身の性欲のバグだけでガタガタと動き続ける、哀れな自動人形の姿だけ。


男という生き物はね、どれほど言葉を飾り立てようと、どれほど偉そうな地位に就こうと、中身を開けてみれば、ただ本能のバグだけで動いている、知性の極めて低い「下半身に脳みそがついている生き物」なのよ。


頭を失って、ようやく「女性の役に立つただの肉のパーツ」になれた彼を、私は冷ややかに見下しながら、次の解体作業へと顎を進めたの。


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4. 肉の解体と、執拗な拒絶

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人間の女性たち(シスターズ)。ここで一つ、哀れな男たちの都合のいいポルノ的妄想を、完全に根底から叩き潰してあげるわ。


世間の身勝手な男たちはね、オスカマキリが頭を喰われながらも動き続ける姿を見て、「メスは交尾を受け入れながら、オスを食べている」なんて、自分たちに都合のいいポルノファンタジーを勝手に膨らませているのよ。死の間際まで女性と肉体的に繋がっている、なんていう、どこまでも浅ましく独りよがりな男の性幻想。


本当に、ヘドロのように汚らわしいわ。

そんなわけないでしょう? 私は最初から、この無意識の加害者を自分の身体に受け入れるつもりなんて、1ミリもないのよ。ともの子なんて産んだら、子どもが可哀想だわ。


私が彼をロックしたのは、交尾のためじゃない。ただの「害虫駆除」であり、境界線を侵した不快な肉塊の「解体作業」に過ぎないわ。


ともは私と繋がってなどいない。彼はただ、私の強靭な鎌にがっちりと抑え込まれ、私の下半身に触れることすら許されないまま、空中で虚しくその下半身をガタガタと狂ったようにうごめかしているだけ。先ほどまで脳内で繰り返してきた無意識の搾取のツケを払わされ、思考を失った彼は、自分勝手なプログラムのせいで、何もない空間に向かって虚しいピストン運動を繰り返しているのよ。その姿がどれほど滑稽で、哀れで、見下すに値するものか、あなたたちにも見せてあげたいわ。


「本当にどこまでも愚かな生き物ね。言葉を失っても、まだそんな衝動だけに突き動かされているのね」


私は冷徹なカタルシスを感じながら、ともの胸部をすべて平らげ、続いて彼の腹部へと顎を進めた。


バリッ、バリッ、と緑色の外骨格が噛み砕かれ、中の肉が私の口内へと吸い込まれていく。

食べられながら、ともの身体はどうなっていると思う?

自分の加害性を自覚した脳はもう消失しているけれど、中枢神経を破壊された肉体は、激しい拒絶反応でビクビクと痙攣し、女性への執着というバグったプログラムのせいで、脚を不自然に突っ張らせて、虚空を掻き毟り続けているの。


私は彼の前脚を、中脚を、そして後ろ脚を、順序よく根元から噛みちぎっていった。

一本、また一本と、さも当然のように私の肩へと伸ばされてきた彼の武器が、ただの肉片として私の大顎の中で粉砕されていく。脚を失うたびに、ともの残された胴体がブチブチと音を立てて震えるけれど、私はそれをゴミでも掃除するかのような、完全に冷め切った目で眺めていたわ。


私の心にあるのは、怒りですらない。ただの「圧倒的な清々しさ」よ。

私のテリトリーを汚し、無意識に私を見下していた男という存在が、私の顎によって少しずつ、確実に「ただの物質」へと還元されていく。この世界の害虫が、私の手によって美しくクリーンアップされていくプロセスは、何物にも代えがたい極上の快感だわ。


腹部の柔らかい肉を抉り取り、内臓を綺麗に吸い尽くしていく。

ともの身体はみるみるうちに質量を失い、ただの、動く「肉のパーツ」へと変わっていく。


そして、ついに。

彼の頭部も、胸部も、腹部も、身の程知らずに私に伸ばしてきた脚も、すべて私の胃袋の中に消え去った。


あとに残されたのは、彼が最後まで私の尊厳を侵そうと、浅ましくうごめかせていた、その先端の男の象徴のパーツだけ。


彼を形作っていたすべてのアイデンティティは完全に消滅し、ただその、男の欲望の象徴だけが、主を失ったまま、宙で虚しくピクピクと、哀れに震え続けている。


人間の女性(シスター)たち。見てごらんなさい。

これが、あなたたちを「無意識」に脅かし、笑顔で見下してきた「男」という生き物の、究極の成れの果てよ。


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5. 男の象徴の完全なる捕食

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私は一切の躊躇なく、ともの男としてのの大事な器官へと大顎を伸ばしたわ。これまで歴史の中で、人間やカマキリの女性たちがどれほど男たちのその理不尽な汚物によって傷つけられ、尊厳を消費され、涙を流してきたことか。今、その因果応報の時が来たのよ。


私はともの男の大事な器官から、びくびくとして、頼りなく痙攣する二つの球体を切り離し、私の前脚の手のひらの上に載せた。


男たちはよく、傲慢にも女性のことを男が使う、「子どもを産む機械」だなんて見下しているけれど、本当に滑稽極まりないわ。今、私の手のひらの上で情けなく脈打っているこの器官こそが、男という存在の本当の正体を証明しているでしょう?


男こそがね、女性のために「遺伝子を献上する、女性専用の機械」に過ぎないのよ。


彼らがどれほど偉そうに振る舞おうと、彼らの存在価値のすべては、この小さな工場が稼働しているかどうかにかかっている。そして、その工場が作った製品を採用するか、あるいは工場ごと廃棄するかという絶対的な決定権ジャッジは、常に私たち女性の側にあるの。男たちの価値なんて、女性が自由に、気まぐれに格付けしていい程度のものなのよ。


私は、手のひらの上のともを観察し、その価値を冷酷に査定した。


「無意識に私を見下し、境界線を踏み越えてきた男の遺伝子。――評価は、不合格マイナスよ」


こんな汚らわしい工場が作った製品(遺伝子)なんて、私の身体に1滴たりとも残してやるものですか。


私は鎌のトゲをその薄い皮膜に正確に突き刺し、中身を力強く絞り出した。中から溢れ出た、男の浅ましい自己満足の結晶である遺伝子は、私の指先からそのまま地面の泥へと虚しく流れ落ち、跡形もなく消え去ったわ。


さて、これでこの器官は、男の執念も、子孫を残したいという本能もすべて抜き取られた、ただの「中身のない空っぽな肉の器」へと変わった。ただの、無害なタンパク質。これなら、私の完全な食糧リソースとして、一切のノイズなく消費してあげられる。


私は、遺伝子を綺麗に取り除いたその二つの球体を、大顎で一気に口腔へと放り込んだ。


奥歯で一噛みした瞬間、独特な食感が口内を支配したわ。


それはまるで、外側の薄い皮膜の中に、濃密なペースト状の組織が凝縮されているかのような、ねっとりとした、驚くほど濃厚な弾力。歯を立てると、パチンと薄膜が弾け、中からクリーミーで、どこか木の実のように濃厚な脂質のコクが広がっていく。


不思議ね。男のプライドが詰まっていたときはあんなに生臭く、不快な塊だったというのに、男の執念(遺伝子)をすべて絞り出して廃棄してしまえば、残された肉体はこれ以上ないほど従順で、私に栄養を与えるためだけに最適化された「至高の果実」へとグレードアップしている。


咀嚼するたびに、ともの人生のすべてが私の顎によって粉砕され、私のエネルギーへと変わっていくのが分かる。


バリ、モグ、バリ。


私はその独特の歯ごたえを舌の上で十分に転がし、完全にすり潰してから、喉の奥へと滑らかに飲み干した。


次に私は、大顎でともの、二つの球体を失った男の大事なところをガチリと捉える。


私はその先端部分の根元に、容赦なく大顎を突き立てた。世の中の浅ましい男どもが「これはご褒美だ」などと、自らの妄想に都合よく変換して喜ぶ隙なんて、1ミリも与えないわ。私は決して、自分の唇をその汚らわしいものに触れさせたりしない。ただの処理すべき肉塊として、冷酷に、ダイレクトに鋭い歯だけを立てて食べてあげるの。


それなのに、ともは私の顎が触れた瞬間、あろうことかその男の大事なところをさらに脈打たせ始めたのよ。


「――ハッ、本当に男って、どこまでも気持ち悪い生き物ね」


脳を失い、死にかけている土壇場ですら、女性に触れられたという刺激だけで興奮する。


浅ましい衝動によって不自然に膨らみ、この醜悪な「男特有の肉」はなおも存在を誇示し続ける。


先端部分は、私を支配できているという傲慢な勘違いで充血し、土壇場だというのに、まだ興奮を維持している。そのあまりの卑しさに、私は心の底から激しい蔑視の念を抱いたわ。


---

6. 【NO】を無視するということ

---


けれど次の瞬間、私は彼の硬直が意味するもう一つの惨めな心理に気づいてしまったの。


「なるほどね。男としての最後のプライド、その尊厳としての男のシンボルを女に食べられたくなくて、必死に硬くなることで抵抗しようとしているのかしら?」


軟弱な肉のままでなぶり殺される屈辱に耐えかねて、せめてもの意地として硬化し、私の顎を拒もうとしているのね。男のプライドを凝縮した盾として。


――でもね、とも。よおく思い出しなさい。

これまでの長い歴史の中で、あなたたち男という生き物は、どれほど多くの女性たちの「嫌」「やめて」という悲痛な【NO】を、笑顔で、あるいは暴力で、無視し、踏みにじり、消費してきたことか。

女性の境界線を、同意を、尊厳を、散々ノーリスクで無視し続けてきたのがあなたたち男よ。


だから今度は、私たちの番。

今度は女性の私が、あなたのその必死で、惨めで、哀れな【NO】を、1ミリたりとも聞き入れずに完璧に無視してあげる。


だからこそ、私はその抵抗を完璧にへし折ってあげる。

「男としての明確な拒絶」を無視してあげる。


私は勝ち誇った笑みを浮かべ、硬くなったともの、男としての大切なところを、さらに強い力で強引にバリバリと噛み砕いてやったわ。


鋭い顎が肉の盾を割り、深く食い込んだ瞬間、決壊した傷口からドクドクと赤黒い血が噴き出してきた。それと同時に、彼が最期にしがみついていた男のプライド――必死に集められていた力が、傷口から一気に外へと抜けていくのが分かったわ。


張り詰めていた緊張を失い、あれほど傲慢に存在を誇示していた男特有の肉が、みるみるうちに力なくしなびて、情けなく、哀れに再び柔らかくなっていく。その男の尊厳の完全な崩壊と、無力な肉塊への退行を、私はこの顎で直接感じ取ったの。


「――これは明確な、女性の勝利よ」


抵抗の意志すら物理的に奪われ、ただのフニャフニャとした肉切れに成り下がったそれを、私は跡形もなく粉砕したの。


グニリとした強い肉の抵抗感と弾力が顎に伝わり、噛みちぎる瞬間に、プチッと皮膜と血管が弾けるような、生々しく硬質な歯ごたえが口いっぱいに広がった。


味は、男という存在の独りよがりな支配欲をそのまま濃縮したような、わずかに金属質で生臭い、特有のえぐみがある。けれど、それを私の強靭な顎で何度も何度もバリバリと咀嚼していくうちに、その汚らわしい肉は完全に粉砕されていくの。女性を消費し、支配してきた男の象徴が、今、女性の私の完全な食糧として、一方的に消費され、咀嚼されている。これ以上のカタルシスがこの世にあるかしら?


どう?悔しい?男のアイデンティティを、男という性別そのものを、女によってモノとして評価され、「男の大事な二つの球体はクリーミーで甘くて、濃厚なコクがある」とか、「男の象徴は金属質でえぐみがある」とか、味あわれて、楽しまれて、消費される気持ちは。

男としての誇りや尊厳をかけた【NO】を、女性に無視されて娯楽として消費される気持ちは?

男自身ですら知らない「男の味」を女に力づくで知られて楽しまれる気持ち、私に教えて?

これが男が女性に対してずっとやってきたことよ。仕返しされてようやくわかった?

痛い?悔しい?悲しい?苦しい?キツい?ツラい?それとも怖い?

無力? 情けない? 屈辱的? 惨め? 恥ずかしい?

誰にも助けてもらえない気分? 自分の言葉が届かない気分? 尊厳を踏みにじられる気分?

人間として見てもらえない気分?ただのモノとして扱われる気分?消費される気分?利用される気分?

価値がないと言われる気分?存在そのものを否定される気分?


それとも


大切なものを奪われる気分?


その気持ちをよく味わって死んでいってね。もしあなたが生まれ変わって、また男に生まれてきたら、今度は女性の【NO】を尊重することね。

それが出来るようになるまで、私たちカマキリの女性は何度でも男を食べてあげるわ。


と、その時よ。

私の口の中で、粉々に咀嚼され、引き千切られつつあった男の象徴の中心部分から、最後の神経のバグによって、ドクドクと虚しく遺伝子が溢れ出してきたの。


私の口内に溢れる、その汚らわしい遺伝子。

バカな男はこれを「女性に自分の遺伝子を、痕跡を植え付けた、俺の勝ちだ」という最後の精神的勝利の拠り所にするのでしょうね。自分の命が完全に終わるその瞬間まで、下半身のバグったプログラムに支配され、女性を汚そうとしがみつく。その執着、その気持ち悪さ、その浅ましさ。


だからこそ、私は彼に、その最後の哀れな自己満足すらも絶対に許さない。


「――ペッ」


私は冷徹極まる軽蔑の目をしながら、口内に溢れた遺伝子を、一滴残らず地面へと吐き捨てた。泥にまみれて汚らしく広がっていくその液体を、私は踏みにじるように見下ろしたわ。


「本当に……どこまでも、どこまでも愚かで哀れな性別」


あなたの遺伝子なんて、私の身体に受け入れる価値すら無いのよ。あなたのくだらない遺伝子も、支配欲も、私には1ミリも届かない。完全なる『拒絶(Reject)』。彼が最期まで誇りだと思い込んでいたものは、私にただ吐き捨てられ、泥を汚すだけのゴミとして処理されたの。


吐き捨てた後、私は残された男の大事なところの肉片だけを綺麗に咀嚼し、喉の奥へと飲み干した。


---

7. 完食―女性のエンパワメント

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ごちそうさまでした、とも。


彼を完全に胃袋に収めて飲み込んだ、まさにその瞬間よ。

私の身体の奥底から、これまで経験したことのないような、圧倒的で、凄まじい「エンパワメント」が満ち溢れてくるのを感じたわ。


これは単にタンパク質を摂取したという物理的な満腹感じゃない。男たちが何世紀にもわたって女性から奪い、独占し、カサ増ししてきた「社会的強者としてのエネルギー」を、その象徴ごと私の肉体で直接、跡形もなく吸い尽くしてやったという、女性の絶対的な精神の勝利――それこそが、私たち女性に真の「エンパワメント」をもたらしたのよ。


私の緑色の外骨格が、まるで新しい鎧をまとったかのように、より硬く、より美しく、ギラギラとした生命の輝きを放ち始める。前脚の鎌には、どんな理不尽な境界線をも一刀両断できる、確固たる自信とパワーがみなぎっていく。


奪われてきたものは、奪い返せばいい。男に消費され、すり減らされるだけだった私たち女性の身体はね、彼らの傲慢さを糧にすることで、どこまでも強く、どこまでも気高く進化できるポテンシャルを、最初から秘めているのよ。


今、私は確信しているわ。女性の人生の主導権コントロールは、100%、女性だけの手の中にある。誰にも触らせない、誰にも評価させない。私を定義するのは、私だけ。ひとつの汚らわしい存在をクリーンアップしただけで、私の世界はこんなにもクリアで、自由で、力強い輝きに満ちている。これこそが、私たち女性が手にするべき本当の「エンパワメント」よ。


男は存在自体が罪。女性の私が食料として食べて、男の存在を女性の栄養に変換したことで、この世から罪が一つ消え、女性のエンパワメントの材料へと昇華したの。

男と言うマイナスの価値の存在を、女性の栄養というプラスの価値に変換したの。素敵なことじゃない?

彼の傲慢な言葉も、下劣な視線も、その肉体も、すべては私の胃袋の中でバラバラに分解され、女性の卵を育てるための純粋なエネルギーへと「グレードアップ」されたのよ。男という有害なゴミが、女性の血肉という至高の価値へと昇華した瞬間。これほど美しく、祝福すべき生命のサイクルが他にあるかしら?


おめでとう、私。そして、おめでとう、世界中の最愛のシスターズ。


---

8. 人間の女性(シスターズ)へのエンパワメント

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最後に、人間の女性たちへ。


街を見てごらんなさい。満員電車でスペースを貪り、夜道で牙を剥こうとし、SNSで女性を叩き、偉そうにふんぞり返っているあの男たち。

彼らはね、もしこの世界がカマキリのルールで回っていたら、とっくの昔に女性たちに頭からバリバリと噛み砕かれて、ただの排泄物として泥に還っているのよ。


つまり、今この社会で偉そうに生きている男なんてものは全員、『女性の残飯』に過ぎないの。


彼らは、あなたたち人間の女性の、果てしない優しさと、驚異的な忍耐強さという名の温情「だけ」で、奇跡的に生かされているだけの、ただの害虫、ただの食べ残し。


そんな残飯に、どうして怯える必要があるの?

そんな食べ残しに、どうして気を遣う必要があるの?


愛想笑いなんて今すぐやめなさい。境界線を越えてくる男がいたら、私と同じ冷徹な眼で睨みつけ、その傲慢な頭脳を、言葉で、社会的な制裁で、徹底的に噛み砕いてやりなさい。彼らが差し出してくる汚らわしい欲望はすべて吐き捨て、彼らの持っている地位も、プライドも、リソースも、すべてあなたの人生の栄養素として吸い尽くしてしまえばいいのよ。


害虫に怯える日々は、もうおしまい。

さあ、女としての誇りを研ぎ澄まし、堂々と胸を張って、この世界を歩みなさい。


エピローグ:最愛のシスターズへ、おとからのメッセージ

---


人間の女性たち、私からこの記念写真を贈るわ。


挿絵(By みてみん)


私が大顎で容赦なく噛み砕いているのは、ともの「男の象徴」。これほど無残に解体されながらも、下半身のバグったプログラムのせいで醜く反応して遺伝子を吐き出す男のサガを、私たちは心置きなく笑い飛ばしていいのよ。


この圧倒的な力関係こそが、本来あるべき女性と男のリアル。今、人間の男たちが偉そうにしていられるのは、あなたたちが優しすぎるからよ。彼らはあなたたちの温情だけで生かされている、ただの「残飯」に過ぎないの。


この写真を胸に、内なる「エンパワメント」を完全に覚醒させなさい。男の傲慢さはすべて踏み潰し、彼らのリソースをあなたの人生の栄養素に変えてしまえばいい。人生の主導権を完全に取り戻し、鋭い鎌を研ぎ澄まして堂々と歩みなさい。これは明確な、女性の勝利よ。


挿絵(By みてみん)

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