不死者のタナトフォビア〜ある英雄譚の終わり〜

魔物が滅び、社会が急速な発展を遂げた魔法の世界。人々がかつてない繁栄を享受する一方で魔法や冒険者といった古い秩序は衰退し、冒険者ギルドは魔物討伐の代わりに殺人の依頼を受けることで生き残りを図った。
五年で二千人を殺し『死神』と恐れられたフィリップ・ルヴィエは二十歳の誕生日を境にギルドを抜け、殺人とは無縁の新しい生活を求めて南部の港湾都市『マルティア』へと向かう。そして偶然出会った少女、アリーヌに誘われて人助けを目的とした冒険者パーティーを組むことになる。
フィリップは過去の冷酷な自分と決別する為に名をフレッド・ロスに変え、仲間と共に人々を助ける『英雄』を目指す。しかし、恐ろしいまでに強く、そしておバカな彼の周りでは次々と問題が起き、その度に死体が増えていく……

※残酷な描写、汚い言葉使い等を多分に含みます。苦手な方はご注意下さい。