表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネット掲示板のノリでVTuberのママになったTS絵師とその娘の物語。  作者: カミトイチ《SSSランクダンジョン〜コミック⑤巻発売中!》


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/72

VTuber.32



まさかの展開である。


「......どーしよう」


私はPCのモニターを眺めつつ頭を抱えた。


「どーしたの?倫ちゃんっ」


キッチンのテーブルで焼き立てのトーストにかじりつきながらえまちゃんが聞いてくる。


「......以前にコラボお願いしていた人がいるんだけど、えまちゃんとのコラボと被っててさ。どーしようかと思って......いや、まあえまちゃんとのコラボのが話進んでるから優先なんだけどね。タイミングが悪いなぁ」


(来週、夜の配信だろうしそれを考えるなら、コラボやれるタイミングは一日だけ......土曜の夜。他の日は薄氷シロネ、忌魅子の仔の二人共、もしくはアリスが難しい。やれるのは一日だけ......)


こちらの大物YooTuberもできれば逃したくなかった。薄氷シロネは160万人をこえるリスナーを抱え、忌魅子の仔さんの80万人をこえるが、それぞれ視聴者層が違う。


できるだけ多くの様々なリスナーにリーチしたかったんだが。これはもう仕方ない......今回は断ろう。


「一緒にコラボしちゃう?その人もっ」

「......え?」


【紅莉アリス】と【薄氷シロネ】、そして【忌魅子の仔】さんでコラボ?


そ、そんなの......めちゃくちゃイイじゃねえかッ!!


アリスはまだ登録者数だけでみると二人には敵わない。けれど、ライブ配信の同時視聴者数であればこの二人に見劣りしない。


なにがいいたいかってーと、この三人ならば伝説的な同接を稼げる可能性が高い。そうなればSNSでトレンド入り、またそれが人を呼び更に大規模なお祭り騒ぎになって〜の好循環が期待できる!


ぞくぞくと肌が粟立つ。これならば、このライブ配信だけでアリスの登録者数も30はこえてくるんじゃないか?......いや、さすがに期待しすぎか。


(でも、これは千載一遇のチャンス)


......って、いうか――


「そんなこと出来るの?」

「できるんじゃないっ?」


キョトンと首を傾げるえまちゃん。口周りがパンクズだらけだ......拭かねば。


ギシッと椅子から腰をあげ、ティッシュを手に取る。


「......とりあえず、えまちゃんのマネージャーさんに聞いてからだな。それから忌魅子の仔さんと連絡をとろう」


私はえまちゃんのおくちを拭き拭きする。


「ありがとっ」

「ん」


んー、やはり妹ポジやな。イチゴ100%なら南◯唯、SAOなら◯葉、はがないなら◯鳩、物語なら八◯寺......いや撫◯の位置か......。


(とりあえず、まず先に美心へDMしてっと......)


そのDMがうち終わる頃、ピンポーンとインターホンが鳴った。時刻は7:46。

誰だこんな朝早くに?とモニターを見ようとすると既にえまちゃんがそこを覗き込んでいた。


「あ、蓮華さんだよっ!鍵開ける?」

「......ん、頼む」


ロックが解除され扉が開かれる。入ってきた蓮華さんはえまちゃんの姿を見て一瞬固まった。


「あ、え?お、おはよう、ございます?」

「おはよー!蓮華さん!朝早くから遊びに来てますっ!えへへっ」


「......まあ、そういう事で。蓮華さんどうしたの?仕事は......今日はお休み?」


視線が泳ぎ、唇を触れた。


「まあ、そんな感じですね......うん」

「......?」


「ちょっと待ってて、今珈琲淹れるから。あとトースト食べる?......というより食べてくれると嬉しいんだけど」

「あ、じゃあ、いただきます」


珈琲のボタンをポチッと。トースターにパンをセットして、と。


「それで、今日はどーしたんですか?蓮華さん」

「......以前、聞いていた話なんですが。VTuberの」


お?


「ああ、VTuberにかかる費用。えーと、やるとなればイラストは私が描くから料金はかからないし......モデリングもアリスのパパがおるから無料」

「え、え?無料?」

「うん、無料ですよ。もし蓮華さんがやるならお祝いでそれくらいやりますよ......やるんですか?」


と、聞いたその時。


「あー!はい、はーいっ!!わたしもお祝いするっ!」

「ええっ!?」

「え、えまちゃんも?」


「アリスちゃんのお姉ちゃんなんだよね?ならお祝いさせて欲しいなっ」

「あ、いや、妹だよ」


「あ、そっか。前アリスちゃんのことお姉ちゃんって言ってたもんね......って、え?そーなの?あれ?でも、アリスちゃん......高校生じゃ?蓮華さんの方が年上じゃっ......?」

「んー、まあそこは深い事情があってね。ともかく、蓮華さんはアリスの妹なんだよ」

「......ややこしくてすみません、えまさん」


「んーん、大丈夫っ!えーとわたしからのお祝いはPCになりますっ!」


「「PC!!?」」


バッと驚き私と蓮華さんが同時にえまちゃんに顔を向けた。


「あ、でもあれね?わたしのお古になっちゃうんだけど......でもでも、使ってた期間短いしそんなにいじってなくてねっ?」


「いやいや、くれるなら有り難いよ。ちなみにそれで配信したことは?」

「あるよっ!三回くらいだけどねーっ。まあ、みてみてよ!それで気に入ったらあげるっ」


ポカーンと口を開き蓮華さんは放心してる。


「......どうします?」

「え、えっと......それは」


戸惑う蓮華さん。しかしそんな蓮華さんの手を引いた人物がいた。それは――


「蓮華さん!やろうよっ!VTuberすっごく楽しいよっ!!人生変わっちゃうくらいっ!!」


――そう、えまちゃんこと薄氷シロネだった。







【とても重要なお願い】


先が気になる!執筆頑張れ!と思われた方はブックマークや広告の下にある☆☆☆☆☆を★★★★★で評価を頂けると嬉しいです!


執筆の原動力になりますので、よろしくお願いします!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] えまちゃんの押し凄いなw 自分自身がVtuberになる事で救われたって事もあるにしても流石に勢いが凄いw 蓮華さんに何かしらのオーラが見えたのかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ