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ネット掲示板のノリでVTuberのママになったTS絵師とその娘の物語。  作者: カミトイチ《SSSランクダンジョン〜コミック⑥巻発売中!》


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VTuber.12



登録者100人到達記念、お歌配信。


即席でスレ民の有志に作ってもらった音源。それを使い彼女のリクエストした曲が取り揃えられたライブ配信を行うことができる事になった。


「おお、凄い......出来ない曲があるかもって言ってたけど、全部ありますね」

「ね。すごいわ、ウチのスレ民」


全10曲。アニソンやボカロ、バラードやロックなど美心のリクエストした曲は様々だった。中には歌うのが難しいと言われている歌手の曲もあり、これ大丈夫なんか?と思わされる。


(......まあ、美心を信じるだけだ)


なんかあれだ。前世のリーマン時代、初プロジェクトに挑む後輩社員を見守っている気分だ。あの時、あのプロジェクトは大失敗に終わり、私が全ての責任をとらされたんだったっけ。


『いやあ、こんくらいのプロジェクトなら余裕っすよ、先輩は心配性だなあ』


とか言ってた後輩はそれからそっこーで辞めやがるし。しかし、それに比べ我が娘、美心の信頼感よ。彼女はしっかり努力してるのがみてとれるし、あの後輩とは違いこれなら失敗しても仕方ねえ、なんとかしてやるか!という気持ちにさせてくれる。


あー、いい娘を持ったもんだ。幸せもんだよ。だからこの結果がどんなものになろうと私は構わない。勿論、それは万が一失敗したあとの事も考えているから心配するなって事で失敗を予想している訳じゃない。


「さて、そろそろセッティングしようか。告知の方は元々今日配信するってPwitterでしているから集客は大丈夫だろうし......多分同接300人くらいくるかな?」

「......300人」


ふと、美心の不安げな表情が映る。


「どうした?」

「いえ、300人って......たくさんの人が観に来てくれているんですよね」

「そーだね。多くの人間が美心を観に来てる。......怖くなったの?」

「少し」


珍しい。弱音を吐くなんて......初めてかもしれないな。


「大丈夫。みんなが盛り上げてくれるさ」


作業する手を止め、美心の頭を撫でる。


「時間って、貴重じゃないですか」

「ん?まあ、そうだね......どした?」

「そんな貴重な時間を使ってあたしの配信を観に来てくれてる......だから、ちゃんと観て良かったって思ってくれる配信にしないと駄目だなって思って」

「!」


ああ、そうか......この子は、本当に。


「その気持ちはみんなに伝わっているよ。ここまで手を抜いた事なんて無いでしょ、美心。大丈夫」

「そう、ですかね」


「勿論。むしろそれを考えすぎて美心自身が楽しめなきゃ本末転倒だよ。リスナーはそういうのはすぐにわかる......だから、そう思うなら自分が全力で楽しめ。アリスが楽しんでいる姿を皆に魅せるんだ」

「!」


画面の向こう。美心の想いを感じているからこそ、彼女の登録者が増え続けているんだ。今はっきりわかった。アリスの魅力はこのひたむきな努力。それが配信の端々にみえるからこそ皆が応援したくなる。


「ありがとう、ママ......あたし頑張る」

「うん。何も心配しないで、今日も全力で楽しんで」

「はい!」



――19:56ライブ配信スタートまで残り3分36秒。


同時接続数132。登録者数189人。



『おおお?』

『歌!』

『ついに歌かぁ』

『上手いんかねえ?』

『声良いから上手いんじゃね?』

『いやいやいや』

『声良くても下手はあるやろw』

『なんかアリスが上手いイメージないかも』

『ポンのイメージが強いww』

『イメージ』

『どうかなあ』

『何歌うんだろ』

『期待してない方は帰ってどぞー』

『楽しみだあ』

『わくわく』

『聴きたくなければ聴かなくてもいいよ』

『まあまあ』

『けんかは止めろ』

『またスパナの錆になるぞw』

『容赦無いからなママ』

『パパも意外と厳しいからなあ』

『やはり娘は大切なんだなあって』

『そらそーよ』

『同接結構おるねえ』

『すごいすごい』

『うおおおおおお!!間に合ったあああ!!』

『僕も間に合った』

『盛り上げよーかああああ』

『うん』

『さてそろそろかねえ』

『歌楽しみやあ!』

『なにあいそうかなあ』

『ボカロ』

『まあボカロは難しいよね』

『音域的にも』

『いやあれ人に優しくないから』

『言い方』

『わくわくしてきたあ』

『今日はどんなポンをやらかすのか』

『配信切り忘れまたせんかなあ。ママの声がききたい』

『え、呼んだ?スパナで頭蓋砕かれたいって?おk』

『ママww』

『すみません』

『ママいるやんけ』

『きたーwww』

『彼を許してくれ』

『ママの声が可愛いのがわる(ぐはっ』

『あ、そろそろ』

『はじまるぞーい』

『さあさあ』



――20:00


同時接続数146。登録者数182


画面が切り替わる。ぬるりと場面が切り替わり、部屋の背景イラストと共にアリスの体が表示された。


「やっほー!みんな、こんばんはああーっ!!」


『こんばんはー』

『やほー』

『おおおあああ!!こんばんはああああ!!!』

『こんばん』

『こんばんは』

『こばわー』


「お待たせでした皆様!今日も一日お疲れ様!まだお仕事中の方は来れてないと思うけど、がんばってね!応援してるよ!」


『おつおつ』

『おつかれー』

『お疲れ様』

『アリスも』

『バイトあったん?』

『アリスのがつかれとるやろ』

『おつー』


「ありがとー!バイトはねえ今日は入れて無くて、ママに勉強見てもらってたよ。うへへ」


『勉強か』

『えらいな』

『いや笑い方ー』

『笑い方ww』

『ママがえらいな』

『さすがママ』

『お疲れ様ママ』

『いやあ、さすママっすね』

『うへへて』

『あ、どもども』

『ママwww』

『ママの株あがってんねえ』

『お疲ママ』


「『お疲ママ』、あたしは!!?あたしもがんばったよ!!?」


『www』

『アリスもお疲れ様』

『おつかれアリス』

『えらいえらい』

『さすがアリスさん』


「ふふーん、でしょう?ありがとう!!」


『どや顔w』

『しかし赤点とりそうなイメージw』

『結果が全てやぞ』

『さて楽しみですねえ(ニチャア)』


「はい、さてさて、今日は歌の配信ということで」


『無視!?』

『今の流れを無しにしやがったww』

『時間がとんでる!!』

『こいつ、能力者かッ』


「なんか、わーわー言うとりますが!さっそく一曲目いきます!えっと、これは結構昔の曲なんですけど、今のあたしの気持ちにぴったりの歌詞とメロディだと思ったので歌わせていただきます!......支えてくれている皆に向けて、心と想いを込めて......聴いてください」


――メロディが流れ出し、アリスは曲名を口にした。


「メルト」






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― 新着の感想 ―
[一言] アリスちゃんの配信はリスナーの為に努力する配信者と、その姿を見て応援しながら楽しむリスナー お互いが楽しめる最高の環境だな
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