拘束されたエルフの姫、羞恥心を感じながら液をほとばしらせる
生理的に不快と思われる表現があるかと思います。
読むさいはご了承ください。
多分、商人の声は茶風林。
「……もう……やめてください」
陰鬱な部屋で椅子に拘束されたエルフの姫、ナノアは怯えた表情で懇願した。
外見年齢は人間でいえば16、7歳ほど。
金髪にエメラルドの瞳、整った顔立ちは精緻な彫刻のようだ。
魔王軍にエルフの里を襲撃され落ち延びた彼女は、数奇な運命から、ゆえあって悪徳商人に買われてしまった。
与えられたぼろ切れ同然の小さな服からは、たわわなバストが今にもこぼれ落ちそうで、白い太ももがあらわになっていた。
裸足の足首に付けられた重い足枷がなんとも痛々しい。
「やめてください? ホッホッホッ、それはできない相談ですねえ」
肥満体をした中年の悪徳商人は、口角をつり上げ、嫌味ったらしく笑った。
「あなたのような特別なエルフが出すアレは、魔法薬やマジックアイテムの素材として高く売れるのです。せっかく高値であなたを買ったのですから、たくさん出してもらわないと困りますよ」
慇懃な口調とは逆に、嗜虐的な目で彼女を見る。
彼の粘性のある視線に、ナノアはなめくじに這われる悪寒を覚えた。
彼女は特殊なエルフの一族だった。
商人のいうアレとは、そのエルフ族が体のある部位から分泌する液のことを指す。
その部位とは、他人に間近でまじまじと見られたり覗き込まれたら、誰もが恥ずかしくて覆い隠したくなる部分だ。
「では、さっそく始めましょうか」
商人が側近の男にあごで指示すると、男は棒状の道具を彼に手渡した。
それは、程よい柔らかさと細い先端をもっていた。
「これで今日も気持ちよく出させてあげましょう」
商人は薄笑いを浮かべてにじり寄ってくる。
「う、くっ」
なんとか逃れようと体をよじるが、手足は拘束具で椅子に固定されている。
これには彼女の高い魔法力を封じる効果もあった。
液の分泌を促すため、商人は棒状の道具をその部位に入れ、刺激を加える。
ナノアは幾度となくそれを繰り返され、そこはすっかり赤くなっていた。
「さて、最初はどちらの穴から入れてあげましょうか」
「あ、やあ」
「昨日も反応が良かったこちらからにしましょう」
入り口にあてがうと、細い先っぽをゆるゆると入れていく。
「あ、ふあっ、ん」
声をあげてはいけないと、彼女はとっさに口を引き結ぶ。
「ん、んう、ん」
「堪えたってつらいだけですよ」
商人は入り口付近をじっくりと撫で回す。
「んん、ん」
こんなところを好き勝手に弄り回される。
高貴な姫として、これほどの辱しめがあろうか。
ナノアは唇を噛んで、その屈辱に耐える。
「ほほう、強情ですねえ。でもすぐに我慢できなくなりますよ」
商人が棒を小さく出し入れする。
細かく連なる刺激が彼女を襲う。
ついにナノアは堪えきれず、
「や、やあ、ふあぁ」
「ホッホッ、なんとも可愛らしい声ですなあ」
鈴を転がすような可憐な声を漏らしてしまう。
「ふむ、もう少し、奥まで入れてみますかねえ」
「や、やああ」
「ほほ、ほれほれほれほれ」
「やあ、なか、かき回しちゃ、やめ、あ、ふが、ん、ふあぁ」
商人は太い芋虫のような指ながら、器用に棒を扱った。
道具の使い方を熟知している。
彼の技術の前に、ナノアと同族のエルフが何人も液をほとばしらせ、なかには彼にされるのが癖になってしまう者もいた。
(姫として、あんなはしたない姿を晒したくない)
ナノアの大きな虹彩を持つ瞳には涙が湛えられ、長いまつ毛がふるふると震える。
力を入れて耐えているため、頬は紅潮していた。
必死に我慢する彼女の表情を楽しむようにうかがってから、商人は指に捻りを加えた。
「!!」
背すじに電撃が走ったかのように、ナノアはビクッと体を揺すった。
長い耳がピンッと緊張する。
棒の先端が、彼女の最深部に触れたのだ。
「やはりここが1番効くようですねえ」
商人は口元を歪め、たるんだ頬の肉を嬉しそうにつり上げる。
彼は棒を小さく振動させるように動かし、奥の敏感な粘膜を執拗なまでに撫で続けた。
「ふ、ふあああ」
その一撫で一撫でが波となって伝わり、やがて大きな衝動を起こさせる。
ナノアは身をちぢめ、足の小指をきゅっと曲げて、それをやり過ごそうとする。
「観念して一気に出してしまいなさい。病みつきになるほど、すっきりとしますよ?」
「はっ、あっ、ふぁ」
ガクガクと震え、半目になると、美しい涙がぽろぽろとこぼれ、頬を伝った。
「あ、ふぁっ、あ、ふあっ、あっあっあっ」
「そろそろ堪えきれないでしょう。さあさあ、アレを思い切り出して、楽になっておしまいなさい」
ナノアの中でせめぎあいが起こる。
この男にまたあんな姿を見られるのはイヤ。
でも、楽になってしまいたい。
心が揺れ動くあまり、集中力が切れたのか。
わずかな油断が生まれ、そこに込み上げてきた衝動が無理矢理に入り込んでくる。
(ああ、だ、だめ、もう我慢が)
「あ、ふあ、ふぁ、ふああ──」
「ふああっくしょんっっ!!」
見た目に反し、豪快なくしゃみが放たれる。
と同時にハナがたれた。
「おお、アレが出たぞ! 早く、残さず採取しなさい」
側近がナノアのアレ──鼻水──を小さなスプーンですくい、小ビンに入れていく。
「あ、ああ、やああ」
姫が、鼻の穴からズルズルと流れ出た鼻水を人前で取られる。
こんなに恥ずかしいことがあるだろうか。
紙を細く棒状にしたこよりで鼻の粘膜を刺激され、幾度となくくしゃみを出させられる。
そのせいでナノアの鼻は赤くなってしまっていた。
彼女は羞恥心と爽快感がない交ぜになった、なんとも言い難い表情を赤面させ、恨めしそうに商人をにらむ。
「ホッホッホッ、さすがはエルフの姫、なかなかの透明度と量ですなあ。では、今度はもっと出るように、デモニック杉とデモンズヒノキの花粉を鼻の奥に塗り込んでみましょうか」
「や、やあ、やめて! 精霊魔法の防御がなければ、森に住むエルフと言えども、つらい花粉症の症状が!」
おののくナノアを嘲笑うように、商人は乳白色のパウダーが入った小ビンを側近に準備させる。
そのとき、見張りがいるはずのドアが打ち破られた。
「!? 何者だ、ぐわっ!?」
「な、なんだ貴様は、ぐひゃあーっ!」
躍り込んできた者は、側近と商人を瞬時にボコボコに殴り倒した。
「あ、あなたは」
「俺は勇者アレル、ナノア姫を救出にきました。一族の方々は仲間がもう助け出しています」
ご安心を、と拘束具を外すと、勇者はナノアを薄暗い部屋から陽光のもとへと救い出した。
商人たちは役人に捕らえられ、それから──。
勇者が奪還したエルフのオーブを使い、ナノア姫は魔王城のバリアを無効化した。
勢いづいた勇者一行は魔王との熾烈な戦いに勝利し、世界に平和を取り戻したのだった。
その魔王との死闘のさいに、ナノアが独自に調合したポーションや秘薬エリクサーが大いに役立ったといわれる。
だが、その材料に何が使われていたかは記録になく、ついぞ彼女の口から語られることはなかったという。
きたねえ話だ。
後日談。デモニック杉とデモンズヒノキの群生地は魔法で焼かれました。