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第7話 お風呂にて

クルセイダーズとの談笑も終わり再び宿への帰路へ着く俺

(そういえば…今朝買い物に行った時に服屋で買わされた商品の中にスパッツなんかもあったっけな…)

俺はそう思いだし、次からは気をつけようと意識する

しかしこの思考、感覚から自分が女になってしまったことを再認識する

(身軽さは変わらないところがむしろ増してるんだけどなぁ…)

そうやって自分を納得させようとするも長年男として生きてきたという意識はそう簡単に拭い去ることは出来ないだろう

そんな風に今日を振り返りながら歩いていると宿にたどり着く

料金を払い、自分の部屋へとたどり着くとそのままベットにダイブ…と行きたいところだが昨日今日とあれだけ動いて風呂にも入らずとは如何なものだろうか…と考え思い留まる

宿屋の受付に聞いたところ近くに大衆浴場があるとのことなので俺はウキウキしながら足を運ぶのであった…

大衆浴場に着き、料金を支払い男湯に…

(ん?待てよ…?今の俺は…女…だから…)

(どうしよう…これ…)

そんな風にどうしようかと悩んでいると背後から近づいてくる一つの影があった…

「あれ?ルリちゃんじゃない?ルリちゃんもお風呂入りに来たの?」

そう声をかけてきたのはレッドファングのフィーナであった

「奇遇だね〜、じゃあ一緒に入ろっか♪」

そう言われて俺はグイグイと女湯の方に連れていかれる

(こ、これは不可抗力だから…俺は悪くないから…)

誰に対するものなのかわからない言い訳をつきながら、流されるまま女湯へと歩みを進める俺であった


(しかしこの体は…)

鏡を見て改めて自分の肢体を確認する

ちょっとした衝撃で折れてしまいそうな細腕

腰まで届く長くて滑らかな銀色の髪

見ていると吸い込まれそうな透き通った青色の瞳

客観的に見ても10人中10人が美少女であると答えるであろう容姿であった

(でもどうしたものか…髪の手入れとかした事ないし…こんなに長いと大変って聞くし…)

そうして悩んでいるとフィーナが話しかけてくる

「あれ?ルリちゃんどうしたの…?もしかして…髪のお手入れとかしたことない…?」

「は、はい…そうなんです…よね…」

「え〜!もったいない!とりあえず今日は私に任せて!」

俺はこの場はとりあえずフィーナに任せることにした…


髪や体を洗い終わり湯船に入ろうとした時、フィーナに「髪はお湯につけないように結ばないとね」と注意され髪を結んでもらった

(フィーナには今日だけで散々お世話になったな…)

心の中で感謝しつつ湯船に入りリラックスする

(やっぱり、疲れた体を温かい湯が包み込んで…ああ〜最高〜)

そんなことを考えていると自然と顔も緩んでしまう

………

……

(でも…こう…冷静になると体は女とはいえ元男の俺が女湯で…ってのは罪悪感があるな…)

そう思うと自然と目線も下の方を向き、他の人を見ないように…

「ん〜?ルリちゃん、恥ずかしいの〜?」

フィーナがニヤニヤしながら話しかけてくる

「………あっ!大丈夫だよ!ルリちゃん、まだまだここから成長するから…きっとね!」

何を勘違いしたのかそうやって俺のことを励ましてくるフィーナ

(い、いや〜余計なお世話ですよ…フィーナさん…)

その後もフィーナに揶揄われたり、たわいのない日常会話を交わすのであった


風呂も上がり再び宿へと戻る俺

どうやらフィーナは一人で大衆浴場まで来ていて、全然風呂に入ろうとしないパーティの男性陣には多少憤慨しているようだ

「全く!いくら私が清潔魔法がストックしてあるからって!お風呂が嫌いだなんて信じられない!もう暫く魔法使ってあげるのやめちゃおうかしら…」

「え…!?清潔魔法なんて有るんですか!」

「え…?う、うん、あるけど…ルリちゃん、魔法使いじゃないでしょ…?」

「あ、いえ!私はれっきとした魔法使いですよ!ほら!」

そう言って収納魔法を使って見せる俺

「本当だ…え…あんなに強いのに…魔法使いなの…?」

そう言うフィーナは理解できても納得いかないという様子だ

「とにかく…その魔法…教えてくれませんか…?」

「え…?魔法ってそう簡単に覚えられるものじゃないよね…?」

「いえ!見せてもらえるだけで大丈夫です!見て学ぶので!」

「え〜…ルリちゃんがいくら凄いとはいえ流石にそんなの出来ないって〜」

そうやって訝しみながらも魔法を発動してくれるフィーナ

「クリーン」

〈清潔魔法 がスタックに保存されました、初期コマンド: クリーン〉

その後即座に清潔魔法を発動して見せてフィーナに驚かれる

そうして俺はフィーナに残りの手持ちスタック魔法、治癒魔法と解毒魔法、解呪魔法、範囲治癒魔法を教えてもらうのであった…

「でも凄いな〜ルリちゃんは…あんなに強いのに魔法まで使えるなんて…何かコツとかないの…?一瞬で魔法を覚える…」

そうやってフィーナに尋ねられるも、これは結局種族による特典であるため望むような答えを出すことができない…

ここまで色々と良くしてもらったのにその質問に報いることができないのは…かなりの申し訳なさが伴うのであった…

「…ううん!でもやっぱり他人に頼ってばかりじゃダメだよね!こういうのはコツコツ毎日努力するのが大切だもんね!」

そうやってフィーナは勝手に納得したようで俺は胸を撫で下ろす

「今日は色々ありがとうね!ルリちゃん!」

話をしているうちに宿屋に着いたようだ

「いえ…お礼を言うのはこちらの方です…お風呂でも魔法でもお世話になって…」

「うん…全然大丈夫だよ!むしろこの前助けてもらった分の恩がまだ返せてないくらいだから…!」

「そんな…もう十分返してもらいましたよ…」

「もう…謙遜しないでよ、まぁ今度また会ったらよろしくね、じゃあおやすみ」

「こちらこそ…おやすみなさい、フィーナさん」

こうして俺たちはそれぞれ自分の部屋へと行き、ゆっくりと休むのであった


処女作です!まだまだ未熟な身ですので暖かい目でご覧ください!


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