第5話 ランクアップ試験①
色々な買い物を済ませ、昼も過ぎた頃、俺は冒険者ギルドに向かっていた
(はぁ…俺はシンプルな服とかズボンが買えればよかったのに…)
店員に推され、その圧に負けて買わされてしまったスカートやひらひらの上着などを思い返しながら自分の押しに弱い性格を嘆いている
(こういう日常生活でグイグイ来られるのはどうにも苦手なんだよなぁ…戦いならどうってことはないのに…)
そんなことを考えていると冒険者ギルドにたどり着いた、中に入り、昨日受付から話は聞いていた依頼掲示板へと歩みを進める
(ゴブリン…スライム…まぁFランクなんて弱そうなものしかないよな…適当にまずはランク上げか…?)
依頼掲示板の前でそんなことを考えているとギルドの職員が俺に話しかけてきた
「すみません…ルリさんでしょうか…?」
「………?はい?そうですけどなにか…?」
「えっと…ギルマスがなにか用事があるそうで…」
そうやってギルド職員に案内されギルマスの執務室の前へとたどり着いた俺
ギルド職員は「それでは私はここで…」と足早に立ち去ってしまった
(なんで呼び出されたのかはわからないけど…とにかく行くしかないか…)
覚悟を決めた俺は執務室の扉を開け中へと歩みを進める
「これはこれは、ルリさん…わざわざお呼び立てして申し訳ございません」
「いえいえ、特に気にしてないのでお気遣いなく」
そうやってふんわりとした社交辞令を交わした後、ギルマスが本題を話し始める
「呼んでおいてなんですが早速本題に入らせてもらいます、貴方…ランクアップ試験を受けませんか?」
「ランクアップ…?でもそれってある程度依頼をこなして信用を積んでいかないと受けられないって聞いたんですけど…?」
「そうですね、普通は…しかしギルドマスターが認めた場合、特例としてランクアップ試験を受けることが認められています」
「貴方はBランクパーティ、レッドファングをA+ランク相当のグレートウルフの群れから救いました」
「この実績はBランクへの飛び級に値すると私は考えています、どうですか…?受けてみませんか?ランクアップ試験」
そうやってグイグイと詰め寄ってくるギルマス
「でも…その実績が嘘だった場合どうするんですか…?レッドファングの面々や私が嘘をついて虚偽の報告をしている可能性だってありますよね…?」
「その場合はランクアップ試験にも合格できないでしょう?結局のところこれは試験を受けられるという権利の話でしかありません、実際に試験を受けて合格できるかは貴方次第なのでね…」
そうやってさらに詰め寄ってくるギルマス
結局押しに弱い俺はわかりましたとランクアップ試験を受けることにするのだが…
(今回は別にもともとランク上げは行うつもりだったし?別に押しに負けて返事したわけじゃないし?勘違いしないでよねっ!)
と誰に対する言い訳でもない謎の釈明を頭の中で行うのであった…
試験を受けるため模擬戦闘場へと案内された俺、ここはどうやら冒険者ギルドの中庭のようで日の光が差し込み明るくなっている
中庭に面する窓際にはランクアップ試験の噂を聞きつけた職員や他の冒険者が観戦に来たのかちらほらと見える
「今回Bランクの試験として貴方には試験官である彼と模擬戦を行っていただきます」
そういってギルマスが指示した先には一人の屈強そうな男が立っていた
「彼は元Aランク冒険者で、今はこのギルドの職員として働いています、そんな彼と戦って彼を納得させることができたら合格です」
ギルマスがそう説明してくれる
「万が一怪我をしてしまった場合も後ろにギルド職員のヒーラーを控えさせておりますので安心してください」
「それでは、貴方の健闘をお祈りしていますよ、後は試験官の彼から」
そういってギルマスは中庭から室内に入っていった、どうやらギルマスも窓際から観戦するようだ…
(いや、ギルマスもそこで観戦するのかよ…なんか観戦席みたいなのはないのかよ…)
そのようなことを俺が考えていると試験官が俺に話しかけてくる
「俺の名前はゴリラス、元Aランク冒険者だ…嬢ちゃん…手加減はするし、裏にヒーラーがいるとはいえ痛いもんは痛いからな…辞退するなら今のうちだ…」
そうやってやさしそうに話しかけてくる試験官
「お気遣いありがとうございます、でもあんまり舐めてるとあなたも怪我しますよ?」
そうやって試験官を焚きつける俺
「フフフ…面白い…先ほどの言葉は撤回しよう…戦士に対する発言ではなかった…さぁ…始めるとしようか」
そうやって背中に背負っていた巨大な剣を構える試験官、俺もその合図に続き収納魔法から今朝買った安物の鉄剣を取り出すのであった
処女作です!まだまだ未熟な身ですので暖かい目でご覧ください!
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