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超チートスキル【全自動過去改変】でお手軽無双~「役立たずはいらない」と追放されましたけど、パーティを救ってたのは僕ですよ?戻って欲しい?いや戻りたかったらその「過去」を「改変」してますから~

作者: 斑目 ごたく

「おい、アラン!」


 「黄昏の墓所」と、呼ばれるダンジョンがある。

 かつて「黄昏王」と呼ばれた古い時代の王が、不老不死の研究の果てに自らの魂が天に奪われないようにと作り上げたとされるそのダンジョンは、とうの昔に忘れ去られた場所であった。

 しかしその事情が、最近になって激変する。

 それはこのダンジョン「黄昏の墓所」から、とあるアイテムが持ち帰られたからであった。

 それはこのダンジョンから持ち帰られた事に因んで「黄昏の霊薬」と呼ばれる、現代の医療技術や治癒魔法でもどうにもならない難病すら瞬く間に治してしまう、そんなアイテムであった。


「おい、アラン!!」


 その霊薬の驚くべき効果に瞬く間に噂は広がり、このダンジョンには数多の冒険者が訪れるようになる。

 彼らは皆、「黄昏の霊薬」を求めてこのダンジョンへ訪れていた。

 ある者はそれで一獲千金を夢見て、またある者は大切な誰かの命を長らえるために、と。

 しかしそんな彼らの中に、ある事実を気付く者がいつしか現れていた。

 このダンジョンを作った「黄昏の王」、彼が何を研究していたのかと。

 そう、彼は不老不死を研究していたのだ。

 それだけならば一笑に付されたそれも、万病に効く「黄昏の霊薬」が実際に発見されれば、誰もが無視出来なくなっていた。

 本当に、不老不死の霊薬があるのではないかと。

 そうして今日も、「黄昏の墓所」には冒険者が溢れている。

 「黄昏の霊薬」を、そして存在するかもしれない不老不死の霊薬を求めて。


「アラン!!」


 何を隠そうこの僕、アラン・オールドマンもそんな一攫千金を求めてこのダンジョンにやってきた冒険者の一人なのであった。

 しかし僕をそんじゃそこらの冒険者と一緒にしてもらっては困ります、何故なら僕はSランク冒険者パーティ「翡翠の天秤」の一員で―――。


「アラン!!!」

「は、はいっ!い、いますぐ!!いますぐ、行きますから!!」


 呼びかける声にようやくはっと顔を上げ、冒険者パーティ「翡翠の天秤」の見習い冒険者兼荷物持ちであるアラン・オールドマンは慌てて駆けだしていた。


「な、何の御用でしょうか!?替えの武器が必要ですか、それとも何か状態異常でしょうか?あぁそうですよね、皆様ならこのぐらい余裕で・・・?」


 浅い階層とは違い、風雨や植物に侵食されていない石畳に足を下ろし、アランは思わず立ち尽くす。

 ほとんど探りつくされて、碌なアイテムもない代わりに危険も少ない第一階層。

 有用なアイテムも見つかり始めるが、このダンジョンの代名詞ともいえる強力なアンデッドが出現し始める第二階層。

 そして彼らが現在立っているこの第三階層は、一流の冒険者でも苦戦するような強力なアンデッドばかりが立ち塞がる階層であった。

 しかしアランが所属する「翡翠の天秤」はSランクパーティ、つまり超一流の冒険者である。

 そんな彼らならば、例えこの階層の魔物が相手でも苦戦する筈はない。

 筈は、ないのだが。


「ア、アラン!!お、お前何とかしろ!!何とかしろよぉぉぉ!!?」

「クリス、君・・・!?」


 その超一流の冒険者である筈の「翡翠の天秤」リーダー、クリスが怯えた表情でアランの足元に縋りつく。

 そんな異常ともいえる状況、しかしその理由は明白だった。

 彼の仲間である超一流の冒険者達、それらが為す術なく惨殺されてしまっている。

 それもたった一体の、アンデッドの手によって。


「・・・黄昏の、王」


 それは一見、一般にリッチと呼ばれるような強力なアンデッドのように見えた。

 骨だけでふよふよと浮遊し、その落ち窪んだ眼窩からは生きとし生けるものを呪うような真っ赤な瞳だけが爛々と輝いている。

 その特徴は、まさにリッチと呼ばれるアンデッドそのものであった。

 しかしその頭蓋骨の上に乗っている豪奢な王冠や、魔法を使うのには向いていない華美なほどに装飾が施された杖を目にすれば、それが何か特別な名を持つ存在ではないのかと考えてしまう。

 このダンジョン「黄昏の墓所」を作り出した、不老不死を求めた古代の王「黄昏の王」その人のような、特別な名を。


「こんなの、勝てる訳が・・・」

「そんなの当たり前だろぉ!!?いいか、アラン!お前は俺が逃げるまでの時間を・・・ひぃぃ!?」


 黄昏の王、その絶望的なまでの存在感にアランは立ち尽くす。

 そこには、絶対に越えることが出来ない圧倒的な壁が存在した。

 当たり前だ、超一流の冒険者であるクリスがこうまで怯え、その仲間達ですら為す術なくやられてしまったのだ。

 そんな相手に、アランが出来る事など何一つある訳がない。


「ひぅ!?・・・あ、あれ?何で俺、生きて・・・?」


 クリスがアランの足にしがみつきながら怯えた声を上げたのは、黄昏の王が攻撃してくると感じたからだ。

 超一流の冒険者である、彼の感覚は正しい。

 確かに今、黄昏の王はアランごとその足にしがみつくクリスを薙ぎ払おうと腕を振るっていた。

 では何故、彼もそして彼の前に立つアランも無事であったのか。


「力の差があり過ぎて、何の変化もない・・・か。だったら・・・」

「お、おい!?ば、馬鹿かお前は!?」


 一人、何事か呟いたアランは、ゆっくりとした足取りで黄昏の王へと向かっていく。

 それはどう考えても、自殺行為にしか思えない行動だった。


「す、凄ぇ・・・」


 当然、そんなアランに対し黄昏の王は牙を剥く。

 しかしアランの身体には、その攻撃は掠りすらしない。

 正確に言えば、それはまるで始めから外れることが決まっているかのような、そんな光景だった。


「だったら・・・最初から、戦わなければいい」


 敵う筈のない相手ならば、始めから戦わなければいい。

 それは真理だ。

 しかし既に戦いの最中にある彼らに、そんな真理が意味を成すだろうか。


「ウオオオオォォォォン!!」


 それまで一言どころか、物音すら立てることのなかった黄昏の王が吠える。

 アランの手が、彼の空洞の眼窩へと届いた。


「さようなら、黄昏の王・・・僕らは出会わなかった」


 もはや意味のない真理を、アランは口にする。

 それは不可能を口にすることで、生存への望みを捨てる行為だろうか。


「全自動過去改変」


 いいや、違う。

 彼には、その不可能を可能にする力があった。

 『全自動過去改変』という、神をも恐れぬ力が。




「おい、アラン!!何ぼーっと突っ立ってんだ、早くしろ!!」

「・・・へ?あ、は、はい!!今すぐ行きます!!」


 目の前の景色が全て塗り替わるような気持ち悪さに眩んでいるアランを、苛立ち交じりの声が叩く。

 その声に顔を上げれば、そこには強力ではあるが手に負えない相手ではないアンデッドと戦っているクリス達の姿があった。


「ったく、いつまで経っても使えねぇなあいつは・・・」

「全くですわね・・・」


 叩かれる憎まれ口も、それを救えたから聞けるのだと思えば悪くない。

 アランはそんな満足感を抱えながら、押し付けられた雑用をこなしていく。


「あっ・・・」


 そんな彼の視線の先で、クリスがアンデッドの不意打ちを食らいそうになっていた。

 アランは右手を伸ばしその力、「全自動過去改変」を発動させようとする。


「ま、あれぐらいなら大丈夫かな」


 しかし彼は、それを途中で止めていた。

 それは超一流の冒険者である彼らが、そう簡単に自分等の助けを借りるべきではないという思いからであり、断じて馬鹿にされたから少しは痛い目に遭えばいいと思ったからではない。

 断じて、ないのだ。



「お前、クビな」


 戦いも終わり、忙しなくその後始末に奔走していたアランに、クリスは冷たくそう告げた。


「え・・・?ちょ、ちょっと待ってよ、クリス!?いきなりクビって・・・どういう事!?」


 周囲に散らばっていたアンデッドの死体を集め、そこから使えそうなものを拾い集めていたアランは、その言葉に思わず汗を拭っていた手を止め、振り返る。

 彼が振り返った先には、アランの事を冷たく見下ろすクリスとその仲間達の姿があった。


「どういう事も何も、クビはクビだよ。お前はもういらねーって事よ、分かるだろ?あと、クリスじゃなくてクリス君な?なに呼び捨てにしてくれちゃってんの?」

「そ、そんな・・・どうしてだよ、クリス・・・君!これまで一緒に頑張ってきたじゃないか!?それが、こんないきなりクビなんて・・・酷すぎるよ!!」

「はー?一緒に頑張ってきただって?お前なんて、俺らにくっついて来てただけじゃねーか!!何も出来ない役立たずの癖に、まさか俺達の仲間なれたとでも思ってたのか?バーカ、お前なんて文句も言わず働くからお情けで連れてきただけだっつーの!」


 クリスの言葉に狼狽え、必死に追い縋ろうとするアランの姿を、彼の後方に控える仲間達はくすくすと笑っている。

 それはクリスの言う通り、彼の事を仲間だと思ってもいない態度であった。


「何も出来ない、役立たず・・・?そ、そんな事ないでしょ?ほら荷物ならいくらでも持つし、雑用だってもっと頑張るよ!何だったら囮に使ったっていい、だから―――」

「だ・か・らぁ・・・そういうのいいんだって言ってんだろぉ?わっかんねぇかなぁ、俺達が欲しいのはそういうんじゃなくてぇ・・・一緒に冒険出来る仲間なの!お前みたいな、役立たずの雑用係じゃねぇんだよ!!」


 ショックで立ち尽くすアランに、クリスはさらに冷たい言葉をぶつけるだけ。

 彼はアランのような、荷物を持つことしか能のない役立たずはいらないと言う。

 しかしそれは逆に言えば、それ以外の能がある存在ならば彼らの仲間になれるという事だ。

 そしてアランにはそれがあった、他に変えることの出来ない絶対的な能力が。


「っ!そ、それなら僕でも問題ないよ!!だって僕には『全自動過去改変』っていう能力があるんだから!!さっきだってそれで、クリス君達の危機を救ったんだよ!!だから―――」


 それは「全自動過去改変」という、神にも等しき絶対の力。

 しかしそれは同時に―――。


「はぁ?『全自動過去改変』だぁ?ぎゃひゃひゃひゃ!んなスキル、ある訳ねーだろ!?」


 余りに凄すぎて、誰にも気付かれることのない力であった。


「えっ?う、嘘じゃ・・・」

「おいおい、あいつが俺達の危機を救ってくれたんだってよ?誰かそれを憶えてる奴いるかー?」

「・・・ある訳ないでしょ、そんなの」

「ぎゃひゃひゃひゃ!!!だよなー!!」


 「全自動過去改変」によって改変された過去は、それを行ったアラン以外に認識される事はない。

 つまり先ほどその命をアランに救われたという事実すらも、目の前の彼らにはなかった事になっているのだ。


「その『全自動過去改変』だっけー?そんな凄いスキルが使えるならさー、ここで見せてよ。ね、役立たず君?」

「えっ!?そ、それは・・・」


 ニヤニヤと馬鹿にする笑みを浮かべながらアランへと近づいてきたクリスは、その肩へと腕を掛けながらそんな力があるなら見せてみろと促してくる。

 そんなクリスの言葉に、アランは言い淀むことしか出来ない。

 当然だ、何故ならアランがその力を発動させて過去を改変してしまえば、彼が見せてみろと促してきたその記憶すら消えてしまうのだから。


「はははっ!出来るわきゃねーよな!!そんな力ねーんだもん!アラン君さー、嘘を吐くんならもっとましな嘘つきなー?」

「そんなっ!?嘘じゃない!本当に僕はっ!!」

「は?だったらさっさと見せてみろよ。どうせ出来ないんだろ?役立たずな上に、嘘つきとか・・・本当、救えねーゴミだなてめぇは」


 吐き捨てた唾に、ゴミだと見下す目が正面から。

 そしてそれは、一つだけではない。

 命の危険を冒してまで救ってやった報いが、これか。

 今まで何度となく能力を使い、お前達を一流の冒険者にまで導いてやった、その報いがこれか。


「・・・そんなに、僕の力が見たいのか?」


 「全自動過去改変」の力を使ったことを、他の人間に分からせることは出来ない。

 たった一つ、ある例外を除いて。


「んー?よく聞こえないなー?もしかして、力を見せてやるとか言ったのかなー?ぎゃひゃひゃひゃひゃ!見ろよお前ら、あいつまだ言ってるぞ!!あーあー、引っ込みがつかなくなっちゃって。あーはなりたくないねぇ」


 キンキンと響く、自分を馬鹿にする笑い声ももはや気にならない。

 何故なら、それもすぐに聞こえなくなるから。

 他人のこの能力を分からせるたった一つの例外、それは至って簡単だ。

 この能力で、そいつを殺してしまう事である。


「・・・目に焼き付けろ、そして二度と忘れるな。これが僕の『全自動過去改―――」


 伸ばした右手に、改変する過去を願う。

 目の前の仲間達を、皆殺しにする過去を。

 景色が、歪む。


『あーくん』

 そう呼ばれるのが、好きだった。

 憶えているのはそれだけだ、それはもはや存在しない思い出。

 一面を塗り潰すような真っ白な雪景色を、真っ赤に染めた記憶。


「これが僕の、何だってぇ?おいおい、その凄い力ってのを見せてくれるんじゃなかったのかよ、アラン君さぁ!?」


 歪んだ景色が元に戻ると、そこには先ほどと変わらぬこちらを馬鹿にするクリスの姿があった。

 安堵に、胸を撫で下ろす。


「はー・・・もういいや、お前。黙れよ、もう」


 無造作にこちらに近寄ってきたクリスは、アランが背負っていた荷物から鞘に収まったままの予備の剣を引き抜くと、それを振るう。

 鈍い衝撃が側頭部に奔り、視界がゆっくりと傾いていく。


「あー、時間無駄にした」


 急速に暗くなっていく視界の中で、こちらを見下すクリスの姿だけが鮮明に映っていた。


「ク、クリス・・・どうして、どうして今なんだ?」


 薄らぐ意識の中で、アランはそれを尋ねる。

 ずっと役立たずだと思われていた、それは分かる。

 でも、何故今なのかと。


「あ?そんなの物資がなくなってきたからに決まってんじゃん。『黄昏の霊薬』を手に入れるまで帰れないし、役立たずを切るなら今でしょ」

「なっ!?そんな・・・事で・・・」


 そして、答えを知って愕然とする。

 自分は単に、物資の節約のために切り捨てられたのだと知って。

 それほどまでに、どうでもいい存在だったと知って。


「・・・急ぐんでしょ、クリス」

「おぅ、悪い悪い!ほらこの荷物、今度はお前な」

「はぁ!?ちっ・・・はいはい、分かりましたよ」


 遠ざかっていく足音、それはもはや自分の事など気にもしていない。


「じゃあねー、役立たず君。悔しかったら、その『全自動過去改変』とやらで過去をやり直してみればぁ?一昨日きやがれってね・・・ま、出来る訳ないけどな!ぎゃひゃひゃひゃ!!」


 その途中にクリスはふと立ち止まると、そんな捨て台詞を吐いては再び歩き出していた。

 彼の口から洩れる下卑た笑い声はその足音よりも大きく、ダンジョンの壁に反響してキンキンと響く。

 それが聞こえなくなるより早く、アランの意識は途切れていた。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「―――、――ン」


 身体を揺すられる感触に、生温かい吐息が掛かる。


「アラン!ったく、いつまで寝てんだお前は!?ほら、さっさと行くぞ!」


 耳元で響く騒がしい声は、恐らくクリスのものだろうか。

 その苛立った様子に、急がなければと気持ちだけが急く。

 しかし何とも、目蓋が重くて仕方がない。


「・・・早くする」

「まぁまぁ、こんなに気持ちよさそうに寝ているんだから放っておいてあげましょう?こんな汚い場所で横になるなんて、私には信じられませんけど」

「ちっ・・・手間取らせんじゃねぇよ」


 続いて聞こえてきたのは、仲間達の声か。

 その呆れたような響きは、もうこれ以上眠り続ける事は許されないと告げている。

 その証拠に、急かすようにして四方八方からこの身体を揺り起こそうとする感触が届いていた。

 それらの感触に早く起きないとと焦りを感じながらも、アランはどこか安堵していた。

 あぁ、―――なくて良かったと。


「ふぁぁ・・・ごめんごめん。今起きるよ、皆!あぁ、でも安心した。何か僕、皆に捨てられる夢を見ちゃって・・・さ」


 周りから呼びかけられる声に目を覚まし、もう大丈夫だとそちらへと手をやった。

 そこには居眠りする自分に苛立ち、しかし待ってくれていた仲間の姿が。

 べちゃりと、不快な感触が手の平を汚す。


「ウ~・・・、ワン!!」


 身体を激しく揺すられる感触に、生温かい吐息が鼻先へと掛かる。

 自分を待ちわびる仲間を求めて伸ばした手の先には、ドロドロに溶けた皮膚にウジを湧かせているアンデッド犬の姿があった。


「ひっ!!?」


 慌てて周囲を目をやれば、そこにいたのは彼を待ちわびる仲間などではなく、彼を餌だと思って集まってきたアンデッドアニマルの群れであった。

 そしてそれらは、今にもアランに食いつこうとその腐り果てた口を開き、牙を剥く。


「うわあああぁぁぁぁぁ!!!?」


 ようやく事態を悟り、必死な形相で逃げだしたアランの鼻先をアンデッド犬の牙が掠める。

 そんな危機一髪な状況を切り抜けた事に安堵する暇もなく、アランは駆け出していた。

 その先には彼以外、誰の気配もないダンジョンの向こう側へと。




「はっ、はっ、はっ・・・くそっ!まだ来るのか!!」


 限界近くにまで上がった息に、足が鈍るのも承知で後ろを振り返ったのは、そこに希望を見出していたから。

 そしてその儚い希望を裏切られ、アランは悪態を漏らす。

 それは彼の背後に相も変わらず、アンデッド犬を先頭にしたアンデッドアニマルの群れが追いかけてきていたからだ。


「はっ!そ、そうだ!!力使えばいいじゃん!!僕の『全自動過去改変』なら、こんな奴らなんて・・・」


 振り切れない敵に上がった息、疲労の限界に震え始めた両足はもはや碌に踏ん張りも効かない。

 そんな絶体絶命の状況に諦めを感じ始めていたアランは、その唐突な閃きにはっと顔を上げる。

 そうだ力を使えばいいんだ、と。

 自分の力、「全自動過去改変」ならこんなピンチ何てことはない。

 そう思い出し、アランはその右手を掲げる。


「へへっ、それを思い出したらもうこっちのもんよ!さーて、どんな悲惨な結末を・・・ん?ちょ、ちょっとそこに人!!そんな所にいたら・・・!!」


 自分が望んだとおりに過去を改変する力、それを使ってアランは自らをここまで苦しめたアンデッド達にそれ相応の報いを受けさせようと、邪悪に唇を歪まさせる。

 その一瞬の思案の間にもアンデッドアニマルの群れから逃げる足は緩んでおらず、彼はいつの間にかダンジョンの中のちょっとした一室、その空間へと足を踏み入れていた。

 そしてそこには、思いもよらぬ先客の姿が。


「ん?」


 アランの声に振り返ったのは、眩いばかりに輝く金色の髪を伸ばした少女だった。

 彼女はそこでアンデッドと戦っていたのか、その足元にはそれら死体が幾つも転がっている。

 そして激しい戦いを物語るように、彼女が手にした剣は根元から刃が折れてしまったのか、柄しか残されていなかった。


「もしかして、冒険者?だったら、助けを・・・って、駄目じゃん!!剣折れちゃってんじゃん!!そこの人!そこは危ないから、逃げて逃げてー!!」


 目の前に突然現れた冒険者と思しき人物、それにこれ幸いと助けを求めようとしたアランは、彼女が手にする得物の姿に、すぐに希望を打ち砕かれてしまう。


「んー・・・?別に危なくはないかなー?」


 もはや彼女には頼れないと避難を促すアランに、少女はぼんやりとその場に立ち尽くすばかり。

 そのぼんやりとした表情は余裕か、それともただ単に事態を把握していないだけか。


「くっ・・・こうなったらやっぱり僕の力で―――」


 目の前の少女は一向に逃げる気配を見せず、このままでは彼女まで自分の巻き添えにしてしまう。

 儚さすら感じさせる目の前の少女の姿に、その凄惨な未来の姿を幻視したアランは、自らの力を振るう事でそれを変えようと試みる。

 伸ばした右手に、風が通り抜けた。


「―――だって、逃げる必要なんてないし」


 欠けた剣に、刃が伸びる。

 囁いた少女の声の終わり、アランは自らの背後で何かが倒れる音を聞いていた。

 振り返らずとも分かる、それは彼の背後に迫ろうとしていたアンデッドアニマルの群れが切り伏せられた音なのだと。


「・・・魔法剣」


 魔法剣。

 その名の通り魔力によって剣を形作り、それを振るう魔法の一種。

 それはある著名な魔法使いが発明し、その圧倒的な威力によって一世を風靡したものの、すぐに廃れてしまった過去の技術であった。

 何故、圧倒的な威力を持っていた筈のそれがすぐに廃れてしまったのか、その理由は単純だ。

 その魔法は、余りに膨大な魔力を必要とするのだ。

 そして何より、そんな技術を使うよりも魔力によって剣を強化した方が圧倒的に効率が良く、なおかつ便利であると人々がすぐに気付いてしまったからであった。

 そのため圧倒的な威力を秘めるものの、それを維持するために膨大な魔力を要する魔法剣は淘汰され、瞬く間に歴史の片隅へと忘れされてしまう。

 しかし仮に、魔法剣の魔力の浪費をものともしない、膨大な魔力の持ち主がいたらどうだろうか。

 そんな魔力の持ち主がもし、魔法剣を扱ったとしたら。

 その答えが、目の前にいる。


「あ、知ってるんだこれの事。近頃はあんまり分かる人もいなくて寂しかったんだよねー!」


 こちらが口にした言葉に嬉しそうに唇を歪める金髪の少女は、その魔力で作った刃を気軽に伸び縮みさせて見せる。

 それは常人には決して真似出来ない、膨大な魔力の持ち主だけに許された芸当であった。


「ま、このレア・ヴァイオレット様に掛かればこれぐらい余裕で・・・って、ちょっと!?前見て、前!!このままじゃぶつかる!!」

「・・・え?」


 七色に輝きを変えて見せていた刃を仕舞った少女は、その長い金髪を手で払っては得意そうな表情を見せている。

 しかしその少女が、突如こちらに顔を向けては何やら驚いた表情を見せていた。

 アランはずっとアンデッドアニマルに追われ、必死に逃げていたのだ。

 そしてそれは、レアと名乗った少女の実力に呆気に取られている間も変わってはいなかった。

 その結果どうなるか、それは明快だ。

 衝突である。


「くっ、これぐらい私なら・・・って、何で逃げ道を塞いでんのよ!?」

「え、いやそんなつもりじゃ・・・うわああぁぁぁ!!?」


 レアは突っ込んでくるアランの姿に、彼がもはや衝突を回避出来ないと踏んで、自ら身を躱そうと大きく横に飛び退こうとしていた。

 しかしそこには、力を発動しようと伸ばしたままであったアランの右手が。

 逃げ場を失った彼女は、もはや文句を零すことしか出来ない。

 アランはこちらを睨みつけてくるレアに向かって、真っ直ぐに突っ込んでいった。


「痛ててて・・・って、あれ?何でだろう・・・あんまり痛くない?」


 避けられない衝突に、思いっきり正面からぶつかったアランは、頭を擦りながら周りを窺う。

 そこには不思議な事に、まるで彼の衝撃を和らげるためにあるような柔らかな膨らみが広がっていた。


「~~~~~~!!?」


 声にならない叫びが聞こえ、手に触れた柔らかい何かが急激に熱を帯びていく。


「あれ、何だろうこれ・・・んー?」


 柔らかな膨らみに包まれながら、アランは手探りでそれが何かを探っていく。

 彼の手はそれの平らな部分に触れ、そこに生えた、そして途中で千切れてしまっている対の何かに触れていた。


「触るな!!!」


 右頬に、星が瞬いた。


「痛ってぇ!!?何すんだよ!!?」

「はーーー!?乙女の柔肌に手ぇ突っ込んどいて、何だとは何よ!!?当然の報いでしょ!?そ、それに・・・は、羽にまで触って」


 奔った衝撃にそこへと手を伸ばせば、二倍ほどにも膨らんだ頬が待っていた。

 弾き飛ばされ見上げた先には、胸元を押さえては真っ赤に顔を染めたレアの姿が。

 しかし彼女はどうやら、胸に顔を突っ込まれた事よりも恥ずかしい事があるかのように視線を彷徨わせていた。


「は、羽?羽ってそんなのが人に生えてる訳が・・・あれ、そういえばそれ・・・もしかして角?」


 俯き、何かを隠すように視線を迷わせているレアの頭からは、僅かに尖った何か突き出していた。

 こうして注目して見なければ気付かないそれは、間違いなく二対の角であった。


「っ!?そうよ角よ!!悪い!?魔族の血が入ってんだから、角ぐらい生えてても普通でしょ!!?」

「魔族!?魔族って・・・あの?」

「そーよ、あの魔族よ!!悪逆非道で、傲岸不遜な人類の天敵!その魔族でございますとも!!!」


 魔族。

 レアが言うように人類の天敵ともいうべき存在であり、その特徴は膨大な魔力と強靭な身体、そして多くは角と羽をもった姿であると言われる種族。

 であれば、アランが先ほど触れたのは彼女の背中に生えた羽であり、それは彼女が魔族の混血である証拠であろう。


「っ!ちょ、黙ってレア!!」

「はーーー!?魔族との混血とは会話も出来ませんか!?はい、出たよ差別!はいはい分かりました、分かりましたとも!!穢れた血族は黙りますとも!ふーんだ、いいですよーだ!!差別されるのには慣れてるもん!!」


 声高に叫ぶレアに、何かに気付いたアランが必死な様子で静かにするように呼びかける。

 しかしその言葉はどうやらレアの癇に障ったようで、彼女はさらに声を荒げさせると、唇を尖らせては大声で叫んでしまっていた。


「違うって!!差別とかそういうのじゃなくて!ここはダンジョンだから、そんな大声で叫んじゃ・・・あー、遅かったかぁ」


 誤解に必死に弁明するアランも、レアの背後に現れた存在を目にすると頭を抱えてしまう。

 そこにはレアのキンキンと響く大声に釣られたアンデッド達が、ぞろぞろと現れていたのだった。


「え?・・・あー、そういう事?ま、これぐらいなら大丈夫でしょ」

「・・・え?」


 アランの声に後ろを振り返ったレアは、そこに溢れかえるアンデッドの姿にようやく彼の言葉の意味を理解する。

 そうしてその大量のアンデッドに向かって、彼女は気軽な足取りで前へと進み出ていくのだった。


「ふーん、差別しないんだ私の事。ふーーーん・・・」


 その呟きを、アランは耳にしない。

 そして彼女が話した通り、それから始まったのはただ一方的な虐殺であった。




「す、凄い・・・」


 見慣れている筈であった、一流の冒険者の戦う姿というのは。

 しかし目の前で繰り広げられているその凄まじい光景に、アランは思わず言葉を失ってしまっていた。


「あぁ、もう!しつっこいなぁ!!」


 悪態を吐きながらも、その振るった刃はあくまでも華麗だ。

 彼女はその一薙ぎで、目の前のアンデッド達を一蹴する。

 それは圧倒的で、傲慢なほどの暴力の姿であったが、アランにはそれがまるで美しい舞踏のように見えていた。


「綺麗だ・・・」


 その余りの美しさにアランは思わず、それをそのまま呟いてしまう。


「・・・ふひ」


 その呟きにレアの身体がピクリと反応し、華麗な動きが僅かに乱れてしまう。

 しかし彼女はそれを補って余りある華麗な動きで、その失態を取り返して見せていた。

「凄いな。人に、あんな動きも出来るなんて・・・」


「・・・ふひ、ふひひひ」


 またも思わず漏れた呟きに、またも僅かに動きが乱れる。

 そして再び、超絶技巧で彼女はそれを取り返して見せる。

 その動きは失態を取り返すのに飽き足らず、まるで見せつけるような派手で華麗な動きであった。


「あぁ、こんな子と一緒に冒険出来たらよかったのに・・・」


 その美しさに、思わず漏れた呟きは、間違いなくアランの本音であった。


「・・・ふひ、ふひひひひひ。こんな子と一緒に冒険出来たらだって・・・ふーん、そっかぁ。そんな風に思っちゃうんだぁ・・・ふひ、ふひひひ、悪い気はしないなぁ」


 そしてそれは心からの本音であるからこそ、他人の心をも激しく揺り動かしてしまう。

 これまでよりもさらに激しく唇を歪ませ、気持ち悪い笑みを漏らしてしまっているレアは、アランの言葉をまるで噛みしめるように繰り返している。

 その動きは乱れに乱れ、まるで目の前の戦いなど忘れてしまったかのようだった。


「っ!?危ない、レア!!」


 そんな彼女の姿は、アランの目には絶体絶命のピンチに見えた。

 だから彼は飛び出す、彼女を自らの力で救おうとして。


「え?あぁ、これぐらい何てこと―――」


 しかしそれは、超一流の冒険者であるレアにとっては別にピンチでも何でもなく、彼女は魔法の刃を伸ばし余裕な様子でそれに対処しようとしていた。


「間に合えぇぇぇ!!!」 


 しかしその様子は、アランの目には入らない。

 そして、彼の力が発動した。




「はぁ、はぁ、はぁ・・・な、何とか・・・間に合った、か?」


 改変される過去に、一瞬目の前の光景が歪む。

 そうしてそれが晴れると、腕の中に自分よりも一回り小さな生き物の感触を感じた。

 それは先ほどまで目の前にいた少女で間違いないだろう、アランは安堵の吐息を漏らす。


「は?何だ、これ・・・?」


 目的の達成に胸を撫で下ろしたアランは、改めて周りへと目を向ける。

 彼はそこで目にしていた、蹂躙され踏みにじられ、虐殺されたアンデッドの姿を。

 そして、その中心に立っている自分の姿を。


「え、え?ど、どういう事?レア、これは君が―――」


 アランの右手は、まるでそれが自分がやったことだと示すかのように真っ赤に染まっている。

 そんな状況に混乱し、アランは助けを求めるように腕の中のレアへと声を掛ける。


「ぽー・・・」


 そこに待っていたのは頬を真っ赤に染め、夢見るような瞳でこちらを見上げるレアの姿であった。


「・・・へ?」


 完全に理解不能となったアランには、その呟きを漏らすのが精一杯であった。




(・・・うん、分かってる。分かってるんですよ、こうなっちゃったのは僕の所為だって。そりゃ、ちょっとは思いますって!あんな可愛い子が目の前にいたら!!少しはいい恰好したいなーって!その結果がこれですよ!!はー・・・やっちゃったぁ)


 ダンジョンの一室、その片隅に蹲り頭を抱えているアランは、自分の力が引き起こした事態に顔を青くしていた。

 彼の力、「全自動過去改変」は彼が望んだとおりに過去を改変し、現実を塗り替える。

 その圧倒的な力は時に、彼自身も意識していなかった願望までをも叶えてしまう。

 そのため、その力を振るう際には細心の注意が必要であり、それを怠ると取り返しのつかない事態を引き起こしてしまう。

 そう、丁度彼がチラリと振り返った先に待っているような事態を。


「あぅ!こっち見た・・・へ、変じゃないかな、私?大丈夫だよね・・・?」


 アランが向けた視線に、こちらを窺うように顔を向けていたレアは僅かに肩を跳ねさせると、急に身なりを気にするように身体をくねらせ始めている。

 そうしておかしなところがないか確かめた彼女は、不安げな表情でこちらを伺いながら、その頬を真っ赤に染めていた。


(・・・これ、完全に惚れちゃってますよね?どうやったんだよ、過去の僕!!教えてくれよ!!あー・・・でも流石にこれは駄目だよね、こんな卑怯な手段で女の子の心を手に入れるとか。うん、仕方ない。もう一度力を使って、なかったことに・・・)


 こちらをチラチラと窺っては、はにかんだり頬を押さえたり忙しない様子を見せるレアの姿は、間違いなく恋する乙女のそれだ。

 本来であれば諸手を挙げて歓迎したいその姿も、力を使って不正に手に入れたものだとすれば受け入れがたい。

 アランはその右手を掲げ、目の前の現実を塗り替えようと力を振るおうとする。


「な、何だろう・・・?え、えへへ・・・」


 こちらへと向いたアランの関心に、レアは嬉しそうにはにかんでは手をひらひらと振っている。

 ドクンと、心臓が跳ねた。


(・・・良くね?これもう、過程とかそういうのどうでも良くね?うん、いいよね!可愛いは正義、可愛いは正義!!!)


 可愛いは、正義である。

 その事実の前には、過程などどうでもいいのだ。


「っ!レア、ここにいたのか!?お前、また勝手にいなくなりやがって!!」

「そうだよー、心配したんだよー?」


 アランがその絶対不変の原則を噛みしめていると、この部屋へと冒険者の一団がやってくる。

 彼らはレアの姿を認めると慌ててそれに駆け寄っていっており、その様子から恐らく彼女の仲間達なのだろうと思われた。


「う、うん・・・ごめんね、エドガー」

「うっ!?わ、分かればいいんだよ、分かれば!!今度からは気をつけろよ!!」

「おやおや~、顔が赤いですぞエドガー君?どうしちゃったのかなぁ~?」

「うるせぇ!!オリバー、てめぇは黙って周囲の警戒でもしてろ!!」


 レアの周囲へと集まる彼女の仲間は、一目見ただけでも様々の種族の寄り合い所帯なのが分かる。

 長い耳のエルフもしくはハーフエルフ、小柄なノームと思しき少女、あそこにいる三つ目の女性は何という種族だろうか。

 他にもいくつかの種族のメンバーで構成されるその冒険者パーティは、その仲の良さを示すように朗らかに、それでいて賑やかに盛り上がっていた。


「ねーねー、レアー?さっきから気になってたんだけどぉ、あちらの方は?」


 レアの仲間の一人である、その茶色の髪で目元を隠したノームの少女がこちらへと視線を向ける。

 その言葉に、周囲の仲間達も一斉にこちらへと視線を向けていた。


「えっと、僕はですね先ほどそちらのレアさんに助けていただいた・・・いや、助けたかな?助けただな。えー、助けた―――」


 集まった注目に僅かに生じた尻込みを掻いた頭に覆い隠して、アランはレアとの事情を口にしながら彼らの下へと近づいていた。

 その視界の中を、金色のシルエットが切り裂いていく。


「わ、私達、付き合ってます!!」


 つかつかと早足で近づいてきたレアはアランの手を取ると、いきなりそんな事を口走っていた。


「・・・へ?」


 そしてそれはアランにとっても寝耳に水な情報であり、彼は頭を掻いたポーズのまま固まってしまう。


「・・・は?え、付き合ってって・・・はああぁぁぁ!!!?」


 その言葉に、一番激しい反応を見せたのはエドガーと呼ばれた少年であった。

 彼はアランとレアの顔を交互に見比べては、信じられないと口をあんぐりと開けてしまっている。


「うわー、うわー・・・さ、さっき出会ったばっかりだよね?じゃ、じゃあ一目惚れかな?一目惚れしちゃったのかな?」

「わははははっ!!!エドガーの奴、寝取られてやんのー!!!ぷー、くすくす」


 真っ赤に顔を染めたままアランの手を放そうとしないレアの姿に、ノームの少女は頬を押さえては顔を赤く染め、オリバーと呼ばれた女性はエドガーを指差しては腹を抱えて笑い出す。


「え、い、いや・・・これは、違くてですね」

「・・・違うの?」

「うっ!?い、いやー・・・やっぱりそうだったかなぁ、なんて」


 突然の事態についていけなくなり、思わず状況を傍観してしまっていたアランも、流石にこのままでは不味いと否定の言葉を告げようとする。

 しかしそんな決意も恋する乙女に斜め下から不安げに見詰められれば、一瞬の内に霧散してしまう。


「いや、でもやっぱり―――」

「おい、そこのお前・・・詳しく話を聞かせてもらおうじゃねぇか?えぇ?」

「あ、はい」


 それでもまだどこか煮え切らない態度で何やら言い訳を口にしようとしていたアランは、鬼の形相をしたエドガーに睨み付けられ、口にしようとしていた言葉を飲み込んでしまう。

 彼はもはや逃がしはしないと、アランの肩をがっちりと掴んでいた。


「あ、怪我してる・・・そっか、レアちゃんを庇って怪我したんだ。はぅ、そりゃ惚れちゃうよねぇ・・・いーなぁ。そうだ、手当てしとかないと!えっと、どこにしまってたかな?」


 エドガーによって為す術なくズルズルと引きずられていくアランの姿を目にしても、ノームの少女だけがまるで夢を見るかのようにその頬へと手を当てていた。




「・・・なるほどな、レアが危ない所をあんたが助けてくれた訳だ。そいつは感謝しねぇとな、なぁアランさんよ?」

「は、はぁ・・・」


 二人から一通り事情を聞いた後も、エドガーは腕を組んだまま憮然とした表情を崩さない。

 比較的、アンデッドの死体が周囲に散らばっていない場所へと移動した彼らは、アランとレアを囲んでは半円状に座り込んでいる。


「だがよ、これぐらいのアンデッドなんざレアが苦戦するような相手じゃねぇ。つまりだアランさんよ、あんたがやったのは余計なお世話って奴だ。分かるか?大体、レア。お前もお前だ、この程度でその・・・ほ、惚れるなんて・・・そ、そんなのおかしいだろ!!?」

「えー?別におかしくないんじゃなーい?女の子はねー、そういうシチュに弱い訳ですよ!そういうのが分からないから、エドガー君は簡単に好きな女の子を寝取られちゃうんじゃないですかねー?」

「ま、まだ寝取られたと決まった訳じゃねぇよ!!」

「おー?負けを認めないとは、男らしくないぞー!そういう所も女の子に嫌われるんだぞー?」

「ぐっ!?じゃ、じゃあ寝取られ・・・って、それ認めたら終わりじゃねぇか!!」

「わははははっ!!!はー、おもしろー・・・いやー、エドガー君で今までで一番笑わせてもらったわぁ」


 二人の事情をつぶさに聞き取ってもなお、その状況に納得のいかないという様子のエドガーは、しつこく食い下がってはそれを否定しようとしている。

 そんな彼をオリバーはからかい、それに激しく反応するエドガーの姿に更に笑い声を高くしては、足をばたつかせて笑い転げていた。


「アラン、大丈夫?それ、痛くない?」

「う、うん。もう痛くはないかな?手当てもしてもらったし・・・それより、さ。レア・・・その、近くない?」

「・・・迷惑、かな?」

「えっ!?い、いや!そんな事は全然ないよ、うん!」

「そうなんだ・・・良かったぁ」


 目の前でどんなにエドガー達を騒ごうとも、恋する乙女の目にはその相手しか目に入らない。

 レアはしっとりと濡れた瞳をアランへと向けながら、その肩へとしなだれかかる。

 その距離感に思わずアランが戸惑いを口にしても、彼女がチラリと窺うような上目遣いを向ければ、それに抗える男などいないだろう。

 そうして迷惑ではないと口にしたアランに、彼女は心底嬉しそうな笑顔を見せると、その言葉を抱きしめるように胸元を押さえていた。


「くっ!て、てめぇら!!ちょっと目を離した隙に、いちゃいちゃと・・・お、俺は認めねぇからな!!!」


 完全に二人の世界に入っているアランとレアの姿に、エドガーはこぶしを握り締めては涙ながらに叫んでいた。


「ちょっと!!うるさいよエドガー君!!ここはまだダンジョンの中なんだよ!?そんな大声出して、魔物が寄ってきちゃったらどうするの!!?」

「いや、声はユニーお前の方が・・・いや、でもそうだな。確かにこんな大声出してちゃ、いつ魔物が寄ってくるか・・・」


 そしてその情けないエドガーの姿は、ノームの少女ユニーに叱られることでさらに情けない事になってしまう。

 魔物の巣窟であるダンジョンで大声を出すのはご法度、それは冒険者からすれば基本中の基本だった。

 それを注意されたエドガーは、何か釈然としないものを抱えながらも納得するように頭を掻いている。


「ウオオオォォォン!!!」


 そして彼らは、どうしてそれが基本中の基本の教訓になっているか、身をもって知る事になる。


「あーぁ、言わんこっちゃない。ほら、どうすんのよエドガー。あんたの所為よ?」

「んなもん決まってんだろうが!ウルガザ、ロッドン!お前らはデカいのを頼む!!俺が正面を抑える!」

「うむ」「分かった!」


 ダンジョンの奥からぞろぞろと現れたアンデッドの群れに、エドガーはすぐに意識を切り替えると仲間へと指示を出す。

 その指示にドワーフのウルガザと、巨大な体躯の割りに幼い声で返事をしたロッドンが応えていた。


「あたしはー?」

「オリバー、お前はいつものようにサポートだ!ユニー、お前の魔力は温存しろよ!大物が出てくるかもしれないからな!」

「はいはい、りょーかい」「う、うん、分かった!」


 続くエドガーの指示に、オリバーとユニーもそれぞれの持ち場へと散っていく。


「レア、お前は―――」

「好きにしろ、でしょ?」

「ははっ、分かってんじゃねぇか!」

「ふふっ。それじゃアラン、行ってくるね!」


 最後にレアへと声を掛けたエドガーに、彼女はいつも事だと笑顔を見せる。

 それに気持ちのいい笑顔で応えたエドガーは、その両手に細身の剣を構えてアンデッドへと向かう。

 そして最後に、レアがアランへと声を掛けては持ち場へ駆けていった。

 その配置はアランを中心にした半円状であり、まるで彼を守るかのような陣形であった。


「・・・どうして、僕を守ろうとするんですか?」


 そんな彼らの姿は、アランには信じられないものだった。

 何故なら彼にとって仲間とは、自分を好き勝手こき使った挙句、あっさり見捨てるような者の事だったから。


「あぁ?そんなの当たり前だろ?何言ってんだ、あんた」

「そうそう!君はうちのレアちゃんを庇って怪我したんだから、今度はうちらが守る番ってね!」

「・・・私、頑張るから。見ててね、アラン」


 それは、冒険者としては当たり前の振る舞いだったのかもしれない。

 けれどもそれは、アランにとってはとても信じられないような光景で。

 思わず、涙が溢れてしまう。


「うぉ!?な、何泣いてんだよ、あんた!?」

「あー!!せんせーい、エドガー君がアラン君を泣かせましたー!!」

「違ぇって!!俺は何も・・・!」


 そんなアランの姿に、エドガーはぎょっとした表情を見せ、思わず固まってしまう。

 そんな彼らの姿をオリバーは大袈裟に茶化してはふざけていたが、それすらもアランにとっては眩しい光景だった。


「・・・僕も、僕も戦います!!」


 初めて目にした、本物の仲間、そして冒険者。

 だからだろうか、アランはじっとしていることが出来ずに、それに加わると口にしていた。

 自分も、彼らの仲間に成りたいと願って。


「あぁ?そんな必要は・・・へっ、まぁいい。いいか、足だけは引っ張んじゃねぇぞ!」


 そんなアランの言葉に、エドガーはそんな必要はないのにと呆れた表情見せる。

 しかしその決意を秘めた瞳を受け止めた彼が歪めた唇は、アランを歓迎するように僅かに微笑んでいた。




「って、全然戦ってねぇーじゃねーか!!」


 突如響き渡ったエドガーの大声は、呆れを通り越してもはや怒りに近くなった響きが含まれている。

 それもその筈だろう、勢い勇んで戦うと宣言したアランが、全く戦いに参加しようとせずに後方に控えているのだから。


「い、いや違うんですよ!!僕の力を使うには、ここの方が都合が良くてですね!決してさぼってる訳では!!」


 しかしそれも彼の力を考えれば、致し方ない事と言えた。

 「全自動過去改変」を使い、目の前の現実を塗り替えられる彼からすれば、下手に前線に出て危険を冒すよりも、後方に控えて全体を観察した方が都合がいいのだ。


「いや、僕の力って・・・お前、さっきから何もしてないじゃん!!」


 しかしその力を知らず、またその力を行使されても気付くことの出来ないエドガー達にとってすれば、アランは棒立ちのままただ突っ立っているだけに見えていた。


「アランは、頑張ってる!」

「そうだそうだー!アラン君は怪我してんだぞー、戦おうとしてるだけで十分だろー!恋敵だからって、ネチネチ絡むなんてダサいぞー!」


 しかしエドガーの傍目から見れば最もな意見も、恋する乙女とそれを野次馬して楽しんでいる連中には通じない。


「はぁ!?絡んではねーだろ!!大体、俺は当たり前のことを・・・」


 滅茶苦茶な理論で一方的に責められるエドガーは、目の前のアンデッドを切り伏せながら文句を零している。

 そう、彼らはそんなくだらないやり取りをしながらもアンデッドを軽々と葬り続けていたのだ。

 その強さは、アランがその力をほとんど振るう必要がないほどであり、そんな彼らであれば余裕をもってこの戦いを終えられる筈であった。

 ―――あいつが、ここにやってこなければ。


「っ!!!?お前ら、逃げ―――」


 それに、初めに気付いたのはエドガーだった。

 しかし、それが何になるだろうか。

 アランの目の前で彼らは何も出来ず、切り刻まれてしまうだけなのだから。


「・・・黄昏の、王」


 それはこのダンジョン、黄昏の墓所の主であるアンデッド、黄昏の王。

 かつてアランがその襲来をなかったことにすることで、ようやく退けることに成功した存在であった。

 猛烈な寒気にも、冷や汗が流れないのはそれが死を予感しているからだろうか。

 黄昏の王の落ち窪んだ眼窩に輝く真っ赤な瞳が、こちらへと向く。


「僕が・・・僕が、皆を救って見せる」


 瞬間、奔ったのは恐怖ではなく、仲間を救いたいという衝動だった。

 そして、その力がアランにはある。

 掲げた右手に景色が歪み、そこに望んだ現実が現れる。


「・・・なん、で?」


 筈、だった。

 アランの目の前に広がったのは、先ほどと変わらない切り刻まれたエドガー達の姿だった。


「直前を改変したぐらいじゃ、意味が・・・ない?だったらもっと―――」

「アラン、逃げて!!」


 エドガー達を救うには、彼らが襲われる直前を改変した程度では足りなかった。

 目の前の現実をそう解釈したアランは、さらに深く過去を改変しようと腕を伸ばす。

 視界から黄昏の王の姿が消え、すぐ傍からレアの声が聞こえた。


「・・・レ、ア?」


 突き飛ばしてきたレアの上半身を抱えたまま、アランは地面へと倒れる。


「えへへ・・・失敗、しちゃった。ごめん、ね・・・アラ・・・ン」


 彼女の下半身は、もうこの世のどこにも存在しなかった。 


「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?」


 力を、解き放つ。

 今度はもっと深く改変し、それでも彼女は再び二つに切り裂かれた。


「生き返れ、生き返れ、生き返れ、生き返れ、生き返れ、生き返れ、生き返れ、生き返れ、生き返れ、生き返れ、生き返れ、生き返れ、生き返れ、生き返れ、生き返れ!!!」


 改変する、切り裂かれる、改変する、押し潰される、改変する、引き裂かれる、改変する、焼き殺される、改変する、串刺しにされる、改変する、捩じり切られる、改変する。


「何で・・・何で、こうなる?前は、あの時は出来たじゃないか?あの時と何が違うんだよ!!?」


 何度繰り返してもレアは殺され、仲間の一人も救うことが出来ない。

 その絶望にアランは叫んだ、あの時と何が違うのかと。


「―――あぁ、そうかそういう事か」


 そして彼は思い出していた、あの時と何が違うのかを。


「レア。今度こそ、君を救ってみせるよ」


 彼の腕の中には、最初と同じように半分に切り裂かれたレアの姿が。

 初めての口づけは、血の味がした。


「―――さよなら、皆」


 あの時と違う事、それは全て始まりまで戻ったかどうか。

 そしてそれは、彼女との、彼らとの出会いをなかったことにするということ。

 右手を伸ばし、力を発動する。

 黄昏の王は怯えるように、その手を切り落とした。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「おい、アラン!」


 全ての始まりの時、呼びかけの声に目を覚ます。


「皆!!」


 そして駆け出した、彼らの下へ向かって。


「あぁ?おいどこへ・・・って、行っちまった。何だったんだあいつ?」

「さぁ?」


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「っ!?はぁ、はぁ、はぁ・・・」


 余りに長い時間の改変に、目が眩み息が乱れる。

 変えてしまった現実の歪みか、それとも単に目が霞んでいるだけか、見上げた先の景色がはっきりと見えない。

 だが、一刻も早くそれを見なければ。

 何故ならそこに、望んだ光景が広がっている筈なのだから。


「あぁ、良かった。本当に、本当に・・・」


 そこには、いつも通りに魔物と戦い終え、一休みしているエドガー達の姿があった。

 それは何の変哲もない、彼らの日常の一部だろう。

 それが無性に愛おしく、涙が溢れる。


「皆!!!」

「あん?・・・誰だ、あんた?」


 アランは溢れる感情のままに叫び、彼ら下へと駆けだしていた。

 そしてそんなアランの姿に、彼らは怪訝な表情を浮かべ、まるで彼の事を始めて目にするかのような反応を見せていた。

 いや事実、彼らは今、初めて出会ったのだ。

 だが、それが何だというのだ。

 例えそうなろうとも彼らを救いたいと、そう望んだのだから。


「って、うおおぉぉ!!?マジで何なんだよあんた!?」

「エドガー!!本当に無事で良かった!!良かったよぉ・・・」


 初対面の見知らぬ他人が、涙を流しながら飛び込んできたと思ったら、今度は思いっきり抱きつかれその胸で嗚咽を漏らされる。

 そんな突然の展開に戸惑うエドガーは、一流の冒険者にはあるまじきほどに為すがままになってしまっていた。


「誰、その人?エドガーの知り合い?」


 そんなエドガーの姿に、彼の仲間の一人が心配そうに声を掛けてくる。

 それは眩いほどに輝く金色の髪をなびかせ、その頂点に二対の小さな角が生えている、そんな少女だった。


「―――レ、ア?レア!!」

「うわぁ!?何々、今度は私なの!?」


 その少女、レアの姿を目にしたアランは両手を広げて、今度は彼女に向かって飛び掛かっていく。

 そんな彼の姿に、レアは慌てて逃げ惑う。

 しかしそれは、再会の喜びに箍が外れているアランの手から逃れられるほどの速度ではない。


「―――あぁ、そうだった」


 そして思い出す、彼女が抱きつかれることが苦手だったことを。

 その思い出はもう、どこにも存在しないけれど。


「本当に、本当に良かった・・・レア、君が生きていてくれて」

「えっ!?う、うん。どういたしまして?」


 見知らぬ男に突然抱きつかれると身構えていたレアは、その男が突如目的を握手に切り替えた事に戸惑いを隠せない。

 そしてその男が、本心から自らの無事を喜び涙を流す姿を目にすれば尚更だ。


「ねーねー、誰なのその人ー?レアちゃんのこれー?」

「オリバー!?ち、違うから!!?本当に、全然違うからね!!?」

「ぷぷぷ、本当かにゃー?」


 二人の奇妙なやり取りに、何やら新しい玩具を見つけたような表情で近づいてきたオリバーは、小指を立てながら彼らの関係を邪推してはからかっている。

 そんな彼女にレアはすぐさま否定の声を上げていたが、その頬は僅かに赤く染まっていた。


「・・・何だ、こんな所にいたのかアラン」


 そんな感動の再会に、響いた冷たい声。

 その主は、アランがよく知る人物だった。


「・・・クリス」


 それはかつてアランが所属していた冒険者パーティ、「翡翠の天秤」のリーダー、クリスであった。

 いや、かつてなのは過去の話だ。

 だから今はまだ―――。


「ったく、いきなりどこかに行きやがって、探したんだぞ?まぁ、いきなり持ち場を離れたんだ、どうなるかなんて分かってるよな?お前は―――」


 そうか、お前はまた僕を捨てようとしているのか。

 だったら―――。


「どうだ!一昨日来てやったぞ、コノヤロー!!」


 いつかお前に吐かれた台詞、その返事を今くれてやるよ。

 背中に抱えたままであった荷物からクリスの予備の剣を引き抜き、鞘に包まれたままのそれで彼の頭を思いっきり引っ叩く。

 それはかつて、目の前の男にアランがやられた仕打ちそのままだった。




「おいおい、えらい場面に立ち会っちまったな。ありゃ喧嘩別れだな」


 オマケとばかりに背負っていた荷物まで投げつけ去っていくアランの姿を見送ったエドガーは、感心するよう頬を掻きながらそう呟く。


「ねぇ、エドガー。何であの人、私達の名前を知ってたんだろう?」

「んー?変な事を気にするんだな。そりゃお前・・・俺達が有名になってきたからだろ?これでも俺達はAランク冒険者「紅蓮の盾」だぜ?」

「うん、名前だけなら知っててもおかしくない。でもあの人、私が抱きつかれることが嫌いな事も知ってたんだよ?」

「はぁ?そんなの別に・・・何でだろ?」


 初対面の筈の男が自分達の名前どころか、秘密にしていた特徴までもを知っていた。

 レアのその特徴は、仲間内でもエドガーとユニーぐらいしか知らないほどの秘密なのだ。

 それを見知らぬ男が明らかに知っていたような振る舞いを見せた、それがレアにはどうしても気になっていた。


「・・・気になる」

「あ、おいっ!?」


 そして、彼女は駆け出していた。

 ここを立ち去ったその男、アランの下へ。


「ねぇ君、ちょっと待ってよ!」


 これは、ここからもう一度始まる物語。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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