ランキング順位の決定権・選択権は、『読者』にしかないんですよ!~ランキング・テンプレに不満がある読者へ。そして何より『出版社』と『なろう』へ~
最近、読み専・読者側の視点からのエッセイが多いので、書き手側の視点に立って思うところを書いていきます(と言っても僕自身ほぼ読み専なのですが。←どないやねん)。
なろうテンプレは、初期から、魔法学園、異世界転生転移、主人公最強。チーレム、悪役令嬢、ざまぁ、追放、もう遅い!
時代と共に流行るのは違っていても、
「同じような作品ばかりがランキングに目に付く」という読者の意見は分かります。僕もそう思います。
長文あらすじタイトルがウザい。評価ptクレクレうざい。短編詐欺ウザい。
全く同意見です。
でも何故、作者がそんなことしていると思いますか?
答え、読まれないからです。
答え、評価する権利が読者にしかないからです。
『小説家になろう』は、作者の人数よりも、読者の人数の方が多いのです。
『なろうの流れを作っているのは、読者なんですよ』
というよりも『なろうにおいてランキング順位の決定権・選択権があるのは、読者だけなんですよ』
読み専の方々はこの意味が分かりますか?
ランキングが同じテンプレばかりになるのは、当たり前です。
ランキングのタイトルがあらすじのように長文説明タイトルばかりになるのは、当たり前です。
だって読み専の方々の大多数は、どれを読もうかとした時に『とりあえず目についた作品しか』読まないでしょ?
検索タグを付けたり外したり、自分好みの作品を探そうとせずに(スコップせずに)、
パッとサッと読む作品を選んでるだけでしょ?
とりあえず、日間ランキング見てみるか。あーなんだよどれも同じだなーって言ってるだけでしょ?
それを書き手側は分かってるからですよ。
それ以外は、読まれないと分かっているから、同じテンプレばかりになるんですよ。
そういった読者層が圧倒的に多い上に、ランキングが読者の評価ptでしか決まらないシステムなんだから、同じテンプレばかりがランキングに上がるのは当たり前なんです。
テンプレばかりのランキングを読者のせいにするなという意見は的外れですよ。読者のせいにするなというよりも、読者にしか決定権がないんですから。
なろうが、どんな作風やジャンルに偏るかの決定権は読者にしかないんですから。
自ら好みの作品を探し、評価ptを付けていく読者層が増えれば、ランキングは変わっていきます。
そんなこと言ったってなろうはテンプレの同じような作品ばかりじゃないかって?
いいえ、違います。
ランキングに限って言えば95%以上はテンプレです。しかしなろう全体で言えばそんなことはないんですよ。
なろうには今、約80万作品ありますがそのうち三割位はテンプレに当てはまらないです。つまり20万作品~30万作品は多種多様な作品群です。単純にそれらが読まれてなく、評価ptが付かなく打ち上がらず、埋もれているだけです。
しかもこの比率は昔よりどんどん下がってテンプレ作品に偏っていってます。
なろうではテンプレ以外読まれないと、なろうから去っていった書き手も多いでしょう。
「なろうの流れを作っているのは作者ではなく読者なんです」
と、ここまで読者のせいのような書き方をしてきましたが、ぶっちゃけ、テンプレ問題の原因のおおもとはそこじゃない(←どないやねん!)。
なろうのランキングがテンプレばかりになっているのは、
『ポイントでランキングを決めるなろうのシステム』
『ポイントだけみて書籍化する出版社』
この2つが最大の原因です。
なろうがランキング・ポイント制度じゃなかったら、読まれる比率が同じなら、もっと作者も書きたいように書いてるでしょう。あんな長文あらすじタイトルばかりではなく、真顔で人に言えるようなタイトルを付けるでしょう。
ポイントだけみて書籍化の打診をする出版社がいなければ、出版社へのアピールの為に、ポイントを稼げる、読者に受けやすいテンプレを量産する作者層はいなくなります。彼らは金にならないならなろうから去りますから。
なろうがポイントでランキングを決める今のシステムを変えるか、
出版社編集者がちゃんと作品からスコップして、ポイントに関係なく書籍化の打診をすればいいのです。
出版社編集者は自らをプロだと言うなら「ポイントだけ見て書籍化」の打診なんて、猿でもできるやり方しないで、自ら作品から探して作者に声かけすればいいんです。
約80万作品もあるんですから。
つまり、上から変えて行くのが一番手っ取り早いんです。ですがそうはならないでしょう。
なろうは今のユーザー数を減らしたくないし、出版社も例え質の高い作品があっても売れるか分からない作品より、ポイントが高く読者が付いている作品を打算的に書籍化を続けるでしょう(これが結果なろう作品はなろうユーザー以外から買われないに繋がり商業的には自ら市場を狭くしてますが)。
もっとぶっちゃけると、いっさいなろうからは書籍化、商業化をしなければいいんです。これで解決です。本当に書きたい人と本当に読むのが好きな人だけが残り、本来の意味での創作の場へとなります。ですが絶対に、ぜーたいにそうはならない。規模が大幅に縮小しますから。
ですので、なろうサイトを利用している立場でしかない僕たちに出来ることは、ランキングが気にいらないなら、コツコツと他の作品を探し、読んで気に入れば評価ptを付け、他者に広めたりして、押し上げるといった、読者側の地道な努力が必要になります(僕も出来てませんが)。
作者側には読者に合わせて読ませる為ではなく、まず自分が書きたいものを書いて下さい。おもしろければ読者側で拾いますから(僕も出来てませんが)。読者を信じて!
ここまでテンプレ否定のように書いて来ましたが、僕はテンプレ作品自体は嫌いじゃないんです(←どどどないやねん!)。
ですが書籍化したい為にポイント稼ぎにテンプレ量産。
創作の場ではなく読者を利用して、出版社へのアピールの場になっているランキングを見るとものすごく悲しくなります。
「出版社」には、これからもなろうから書籍化を続けるなら、ポイントだけみて書籍化の打診なんて猿でも出来るやり方しないで、プロだと言うなら、ポイントに関わらず、自ら作品から探して下さることを望みます。
80万作品もあるんです。選り取りみどりですよ。
「小説家になろう」には、本来の創作の場。本来の読者と作者の関係になるシステムを望みます。