悪い予感
生徒会室を後にして大和は下駄箱に行き、履いていた上履きから下校用の靴に履き替える。大和は家に向かって歩き出そうとしたときにさっき思い出せなかったある事をはっきりと思い出す。それは春奈に家の鍵を返してもらっていないことだ。大和の家はオートロックマンションでセキュリティーも堅く鍵がない状態で侵入すれば間違いなく不審者扱いされる。さてどうしたものか考えてみる。そもそも春奈の連絡先を知らない時点で大和が今から春奈を探して会うのは不可能だと気づく。とりあえず今日はネットカフェで一日過ごして明日学校で鍵を返してもらうが一番の得策だろうと考え歩き出す。
あの野郎のせいで今日はあまりゆっくりできないと心の中で思う。
「赤城?」
その時、女の子声が聞こえた。大和は声のする方向に振り向いてみるとそこには春奈がいた。
「家の鍵返しにきた。迷惑かけてごめん」
春奈から手渡される鍵を受け取る大和。
「あぁ気にしてない。それよりずっと待ってたのか?」
「うん。一つ聞いてもいい?」
「構わない」
「私との演習の時は手加減してくれたの?」
「違う。Sランク魔法と魔術は本来魔力の消費がAランクに比べてかなり激しい。だからむやみに使わないだけだ。生徒会長は俺の倍以上の魔力を持っているからそんな感じはしなかっただろうが、俺みたいに魔力が少ない人間がSランクを多用すれば魔力の枯渇状態にすぐに陥る。だから基本はAランクとBランクとCランク魔法と魔術しか使わないだけだ」
「それなら何故生徒会長との試合はSランクを使ったの?」
「お前も俺と生徒会長の会話を聞いていただろう? 本気で行かなければ間違いなく殺されていたからだ」
「そう。一ヵ月後の模擬戦は本気で行くつもり?」
「生徒会長と同じく俺たちは校内において緊急時以外はAランクまでの魔法、魔術しか扱う事ができない。だからSランクは使わない。今日は特例だ。それに出場するかもまだ決めていないし出来れば面倒だから出たくない」
「なら私とパートナー組まない?」
突然の事に大和が疑問に思う。
「どういう意味だ?」
「模擬戦はクラスの選抜の四人の代表が出場するわ。赤城なら上級生相手でも戦えるし出てみない?」
「断る。先程も言ったが出来れば出たくない」
「なら生徒会長に赤城が出場するようにお願いするしかないか……な?」
「無駄だ。模擬戦の選抜はクラス全員の意思により選抜メンバーを決定する。お前に負けた俺を選抜するやつはいないだろう」
大和は春奈の企みを回避すべく適当に言い訳をする。
「ならうちのクラスで一番強いのは誰?」
「早乙女」
「即答か。憎たらしいわね。どう考えても赤城でしょうが! それに皆の目が私の方が強いとなっていても私の次にって事には少なくともなっているわよ。学園ランカーとはそういうものなの。だから出てもらうわよ。いいわね?」
「だから俺の意思は?」
「ないわよ?」
春奈の顔を見ると高校生と言うよりは子供みたいに笑っている。大和は学校で見ていた時はもっと無愛想だったので少し驚いていた。春奈は今も無邪気に大和を見つめている。
「もういい。好きにしろ」
「ところで俺は家に着いたけど、お前何処まで付いてくるつもり?」
「え? 私の家もここだけど?」
「……え?」
春奈は言葉が出ない大和を見つめながら事情を説明する。
「実は家の鍵を奪った時に私のマンションと同じ鍵の事に気付いて、こうやって一緒に帰ってたってわけ」
「そうか」
「ちなみに何号室?」
「教えるつもりはない」
「八〇七号室だよね? 鍵に書いてあるの忘れた? 私八〇六号室だから改めて宜しく」
「は? そう言えば確かここは国家戦闘員並びに政界関係者のお坊ちゃま、お嬢様クラスしかいないはずだが」
「私は早乙女家長女で両親は政界の人間って言わなかったけ?」
「言ってない」
「そう。ちなみに生徒会長は八〇八号室って言ってた」
「え?」
「ん? 嬉しくないの? 私と生徒会長の隣の部屋なのに?」
「嬉しくない。お前達二人は人の意思を無視して話しを進めるからな」
「うるさいな~男ならグチグチ言うな。じゃあね」
「あぁ」
大和は部屋に入る。そして勘づく。早乙女とはたまたま隣なのだろうけど、女王陛下の記憶操作と言い部屋と言い絶対仕組みやがった。華が大和を近くで守りたいとか言いだして女王陛下が任せろとか言って隣の部屋にしたのだろうと。あの二人何だかんだ仲が良いからな。家族のいない大和は王室がバックアップに着く事で家の手配や必要な物、学校への手続きをしている。だから基本は任せきりだったが、まさか今日から三年間住む家がこんな事になるとは思いもよらなかった。それに無駄に広くて落ち着かない。あとでマンションのエントランスにあるコンビニで夜ご飯を買いに行くことにする。その前に荷物を整理して、お風呂に入る。シャワーで簡単に済ませて手早く上がる。本当はゆっくりしても良かったのだが何故か落ち着かない。テレビを付けると大和が昔から好きな番組が流れていた。心を失った当初は何も感じなかったが最近少しずつ心が癒えてきて昔の大和に戻ってきているように感じる。きっと華のおかげだろう。人の心の傷は中々治らないがそれは時間が解決してくれる事もあると聞く。
大和が自身に今の状況を言い聞かせるように説明していると家のインターホンが鳴る。とりあえず覗き穴から覗くと春奈がいた。大和は扉を開ける。
「どうした?」
「夜ご飯どうするの?」
「後で一階のエントランスのコンビニで買うつもりだけど?」
「一応聞くけど毎日そうしようとか考えてないわよね?」
「え? お前何当たり前の事言っているの」
「赤城は馬鹿なの? 栄養バランスとかあるでしょうが!」
「いや別に食べられれば俺は気にしないけど。それより用件を言え」
「とりあえず私の部屋に今から来なさい」
「なんで?」
「夜ご飯食べさせてあげるからよ」
「いや大丈夫だ」
大和の手を強引に引っ張り自分の部屋に連れて行く春奈と連れて行かれる大和を見るように華が丁度帰宅する。
「あらまぁ~。仲がいい事で。それよりこんなところで何をしているのですか?」
「生徒会長こんばんは。こいつが毎日コンビニで夜ご飯済ませようと考えていたので夜ご飯を食べさせてあげようかと思いまして」
「何か楽しそうね。私もお邪魔していいかしら?」
「いいですけど、ご飯が炊けるまで後十分ぐらいかかりますよ?」
「大丈夫ですよ」
「ではどうぞ」
「ならこのまま失礼するわね」
大和と華は春奈の部屋に案内されてリビングでご飯を待つ。
ご飯が炊けるのを待っていると華が春奈の顔を見つめている事に気付く。
「早乙女さんは何で赤城君に世話を焼いているの? 確か貴女のデータベースを見る限りそんな子じゃなかった気がしたけど」
「あぁ~それは昔命を助けてもらったからですよ。多分本人は覚えてないと思いますが」
「赤城君どうなの?」
「記憶にないな」
「やっぱり。昔魔人に捕まって奴隷になりかけたことがあるんです。その時、赤城に命を助けられたんですよ」
「もし宜しければもう少し詳しく聞いてもいいかしら?」
「いいですよ。宝来の魔事件です。中学三年生の頃、魔人に私の別荘が襲撃されました。魔人は政界で力を持っている両親を拉致目的で襲撃してきました。護衛をつけていましたが襲撃してきた魔人一人に全員殺されてしまいました。そして両親と私、妹達を連れ去らいました。アジトに着くと早速両親は拷問にかけられ私達姉妹三人は人質として牢屋に入れられました。しかしそれと同時に看守の魔人が私達姉妹の服を引き剝がしました。両親達の身も考えると抵抗はできませんでした。そのまま裸になった私達の胸を触り、下半身を触りとされるがまま泣きながらとにかく助けを求めました。こんな山奥ですし誰にも届かないと分かっていましたがそれでもきっと誰かが助けてくれると信じて……。魔人も人間なのでこのまま性行為をされるのだろうと思っていました。後ちょっとで前座と言われる行為が終わるその時、敵アジトに一人の脱走兵が圧倒的な力でやって来て敵を殲滅し私達姉妹と両親を助けてくれました。名前を聞くとファントムと教えてくれました。私達はファントムの空間魔法で国の領地まで転移させてもらい命を助けてもらったんです。今日赤城が生徒会長にファントムと言われているのを聞いて気づいたんです。私がずっと探してた人は目の前にいるんだって」
「成程。ってか脱走している時にそんな事したんですか?」
「言われてみればした記憶があるな。なんか探知魔法使っていたら助けてっていきなり何度も何度も言っている女の子達がいたからとりあえず空間魔法使って行ってみたら敵が十人ぐらいいた。それくらいなら何とかなると思いSランク魔法を時限式で四つ同時展開してみたら勝った記憶があるちゃあるかな。まぁ普通相手もあんな山奥で奇襲を受けるとは思わないから警戒心がなくて魔法発動と同時に勝手に死んだけどな。一応中にいた五人の人間には魔法障壁をかけた」
「相変わらず後先考えないのね。Sランク魔法四個って言ったらそれだけで魔力かなり使うと思いますが。それに赤城君の場合もうガス欠寸前じゃない」
「まぁな。今もだけど命に執着がないからとりあえず助けてってのが夜な夜な聞こえても耳障りで邪魔だったから魔法ぶっ放して静かにさせようぐらいの感覚だな」
「なら早乙女さんにとっては命の恩人でご飯は恩返しみたいなものなのね」
「そうですね。赤城が望むなら私に出来る事は何でもするつもりです」
「助けたのは彼の気まぐれだったみたいですし、そこまでしてあげなくてもいい気がしますが?」
華が横目で大和に怪しげな視線を送る。
「生徒会長にとって赤城はどんな存在なんですか? 私が見る限りですけど赤城の事に関しては偉く熱心に感じられますが」
「そうですね。早乙女さんと同じで私の命の恩人であり、私が唯一異性として好きになった人です」
「え? 赤城の事好きなんですか?」
春奈が勢いよく立ち上がって華に質問をする。
「そうですよ。私も女ですから好きな男性ぐらいは流石にいますよ。早乙女さんは好きな人いないのですか?」
春奈が少し冷静になり椅子に座る。
「いません。ただ向こうが付き合ってくれと言ったら考える相手はいますけど」
春奈は椅子に座ったかと思えば今度は手遊びをしてモジモジする。
大和は春奈の行動原理は一体なんなのだと思う。
「それを好きと言うのでないですか? 仮にその方を私が横から奪おうとしたら早乙女さんは諦めますか?」
「無理です。生徒会長が相手でも恋の邪魔はさせません」
「もはや好きと自分で認めていますけど、一応聞きますけどその方はどなたなのですか?」
「赤城ですけど何か問題でも?」
この瞬間、華と春奈の間に殺伐とした目に見えない何かがぶつかる。
春奈が大和に好意があった事を知ると華の目の色が変わっていた。
面倒な事にならなければいいがと大和は心の中で静かに願う。
「この私に宣戦布告ですか?」
「だとしたら何ですか? 好きな人を取られるのがそんなに怖いのですか?」
「えぇいいわ。絶対に負けませんから」
大和は一旦状況を落ち着かせる為に話題を変える。
「まぁまぁ二人共落ち着いてご飯食べないか?」
「分かったわ。とりあえず用意するから待ってて」
春奈が立ち上がりご飯の準備の為にリビングからいなくなる。
「大和? 浮気したら許さないわよ?」
「別にするつもりはない」
「なら大和は早乙女さんが告白して来ても振るの?」
「振る」
大和は即答した。確かに春奈はクラスの中では正直可愛いと思う。
今の大和の彼女は華だ。だから絶対に悲しませたくないと思っている。
「偉いきっぱりね」
華は大和が即答してきた事に驚く。大和も男の子なので自分の気持ちをストレートにぶつけてくる可愛い女の子には弱くてもしょうがないと思っていたから。
「華こそどうなんだ? これから他の男に告白されたらどうするんだ?」
「勿論お断りするわよ」
「俺よりいい男でも?」
「当然よ。私の素を知っているのは大和だけで、大和はどんな私でも受けいれてくれる。そんな安心感をくれる人よりいい人なんていないわ」
「世界は広いぞ」
「それに大和が家族を失った時に、残りの人生全て大和の為に生きるって約束したからね」
ここで大和が話題を変える。何か妬ましい事があるからではなく大和の平穏な学園生活を過ごす上でとても重要な事だったので先に念を押す事にする。
「早乙女とは事を大きくして喧嘩するなよ? 俺のクラスに支障が出るからな」
「相変わらず揉め事嫌いなのね」
「当たり前だ」
「それにその心配は必要ないわ。大和の生活が一人だとダメだと分かった以上、ここで恋の喧嘩をする必要はなさそうだし」
華は何故大和が自分と春奈の関係を心配しているかを大和の性格と過去の経験からすぐに理解する。だから正直に喧嘩をしないと伝えた。
「どういう意味だ?」
「ライバルと言う存在は常に自分を成長させてくれることを知らないの?」
「ちょっと待て。それはやめろ。俺の日常が壊れる」
大和は華の一言で日常が壊れる可能性がある事に気づき慌てるが華の手の中で遊ばれる。
「なら早乙女さんに付き合っている事を話すけどいいの?」
「…………」
「困った顔可愛いね」
「うるさい」
料理を持って春奈が戻ってくる。
「おぉ美味しそうだな。早乙女って料理得意なんだな」
「でしょ。もっと褒めてくれてもいいよ」
「あぁ肉じゃがにポテトサラダにお味噌汁どれも美味しそうだ」
「生徒会長?」
先程から黙っている生徒会長に春奈が何か思ったらしく声を掛ける。
「早乙女さん料理得意なんですね。羨ましいです」
「生徒会長は苦手なんですか?」
「こいつは戦場にいる時間が長かったから料理は基本しない」
「成程。口に合うか分かりませんがどうぞ食べてください」
三人で仲良く言う。
「いただきます」
「いただきます」
「いただきます」
「美味しい」
「そうだな」
「早乙女さん私に今度料理教えてくれないかしら?」
「別にいいですけど」
「ありがとうございます」
「なら生徒会長は赤城の国家戦闘員としての頃のお話を話せる範囲で教えてくださいよ」
「他言しない事が条件ですがそれでも良ければいいですよ」
「やった~」
食べる事に集中していた大和の意識が華と春奈に向けられる。今の二人の会話は大和にとって不利益となる内容が二つあった。一つは華が料理を覚えると言う事。これによりしばらくは料理の練習相手として大和が選ばれる可能性があること。通称毒見をしなくてならなくなる。二つ目は華が料理を教えてもらう代わりに俺の軍にいた頃の話をすること。春奈にもし軍にいた頃の話がばれれば大和の平穏な朝が壊れる可能性があることだ。
「待て。だから俺をそっちのけで話しを進めるな」
「ファントム? 早乙女さんにお話ししても構いませんね?」
華の声が急に低くくなってリアルで怖いので大和は大人しく上官の言葉に従うことにする。
「わかりました」
「あはは~。赤城ってすぐに折れるね~」
「赤城君は早乙女さん以外には中々頑固ですよ。なんせあの女王陛下に平気で取引を持ち掛けたり基本的に上官の意見を聞かなかったり、上官が今回だけでも私の部隊に戻ってくれないかと直接頭を下げてお願いしてもどこでもいいと言って聞きませんよ」
「へぇ~なら赤城は何で私にはすぐに折れるの?」
「お前が毎回俺の意思を無視して話しを進めるからだ」
「なら生徒会長に頭が上がらないのは?」
「こいつも俺の意志を完全に無視して話しを進める時があるからその時はいつも諦めてる」
「赤城って尻に引かれるタイプなんだね」
「知らん」
「なら仮に私と結婚したとして私が何かをお願いしたとして断れる所想像できる」
「できない」
「ならそうゆう事じゃん。試しに高校卒業したら結婚してあげてもいいよ? なんならお付き合いなら今からでもいいけど?」
「遠慮しておくよ。俺よりしっかりと早乙女の事を愛してくれて幸せにしてくれる男は沢山いるだろう。それに俺ともし付き合ったり結婚すれば間違いなくお前の立場も危なくなるしな」
「どうゆう事ですか?」
華が大和に聞く。
「生徒会長は知ってるだろう。国家戦闘員の中で俺がなんて呼ばれてるのか」
「成程」
華は大和の言葉に納得したようだが春奈は理解できていないみたいだ。
「どうゆう事ですか?」
「ファントムは国の一部の者から裏切者、脱走者と陰口を言われています。私が赤城君に好意を寄せてる事はある任務がきっかけで国家戦闘員にはバレています。その時に赤城君は先程の悪口を言われだしました。ほとんどは私に対する嫉妬によるものだと推測がたちますが、本当にそう思って言っている者もいると言う事です。早乙女さんがもし仮に赤城君とお付き合いまたは結婚すればその矛先が早乙女さんに向くリスクがあるということです」
「なんだそんな事か」
「そんな事って自分が何を言っているのか分かっているのですか?」
「わかっていますよ。それでも赤城があの時助けてくれなかったら私は魔人の性処理女として一生を過ごしていたと思います。それに比べれば些細なことじゃないですか。それに好きな人の為なら私はこの命すら捧げてもいいと思っていますから。だから赤城、私は側にいていいでしょ」
「そうか。リスクを考えての決断なら好きにしろ」
「そうさせてもらうわ。それに両親の立場は詳しくは言えませんが実はお二人の事は入学前に父に調べてもらって色々と知っていましたから想像はついていました」
「ところで赤城君は朝ご飯食べる人ですか?」
「まぁ気が向いた時に食べるぐらいかな」
「なら明日は私が朝ご飯を作りますね」
「ちょっと待て。生徒会長は料理出来ないだろう。どうやって作るつもりだ?」
「なら会長。私と作りませんか?」
「でも朝は忙しいのではなくて?」
「赤城の朝ごはんの為なら大丈夫です。むしろこの後会長の部屋で下準備して一緒に寝てそのまま朝作りましょうよ。どうせ部屋近いですし」
「なんで早乙女が乗り気?」
「赤城は恋のライバルと言う存在が常に自分を成長させてくれたり、時には助け合うことを知らないの?」
「知らない」
大和の悪い予感は見事に当たった。
華と春奈はどこか似ていて思考も似ているので息が合うような気が最初からしていた。
この二人を相手に朝はゆっくりしたいので作るなら夜ご飯にして欲しいとは言えなかった。
「まぁ期待しててよ」
「分かった。とりあえず帰って寝るから二人共じゃあな」
「お休み~」
「お休みなさい」




