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黒魔法使いファントム   作者: 光影
22/26

一日目終わり


 勝負が終わり今は大和、華、春奈の三人で帰宅している。春奈が嬉しそうに華に今日の勝利を話して、華が笑顔で聞いている。もうこの際、本当の姉妹でいいんじゃないかと思う。


「華さんは明日の試合何か作戦とかあるんですか?」

「勿論。春奈達と戦う前に負けたら嫌だからね」


 大和は何をどう間違ったら負けるのだと心の中で思った。その気になれば……と考えるだけで恐ろしい。人を見かけだけで判断すると痛い目に合う。特に華の場合は普段優しいので余計に。そして大和のお姉さんもそれは例外ではなかったので大和は人を見かけでは基本的に判断しない。愛花先輩のようなイレギュラー以外は。


「春奈は明日の予選決勝戦は作戦あるの?」

「ありますよ~」

「どんな作戦なの」

「それは明日の大和次第なので何とも言えないです」


 春奈が救援要請を大和にアイコンタクトでさりげなくする。大和は思った。ないならないと正直に言えばいいのに。一瞬春奈の救援要請を無視しようとした大和だが、そもそも明日の試合は大和が何とかするとか馬鹿げた作戦があった事を思い出す。


「大和しだいかぁ~」


 華が教えてくれと言わんばかりで大和を見てくる。


「今日とあまり変わらない」


 とりあえず嘘は良くないので大雑把に伝える。


「ってことは今日みたいに複合魔法使う予定なんだ」

「流石にそこまでは使わないと思う。あれは副会長だから使ったがそうじゃなかったらつかわなかった」

「成程。ところで一つ聞いてもいい?」

「なんだ」

黒炎(こくえん)はお姉さんの魔法なのに何故使えるの? 大和は闇の複合魔法は難しくてまだ使えないはずじゃ」


 大和の事を家族の次に知っているのではと思うぐらい華はなんでも知っている。


「そうだ。今日の魔法は姉さんの魔法だ」

「ならどうして使えるの?」

「華さんどうゆう事ですか?」


 春奈が疑問に思ったのか華に質問する。


「複合魔法は今日の試合で春奈が使った改変魔法よりとても難しいの。だから一人で全部しようと思えばかなりの練習を必要とするのよ。だから大和がお姉さんの魔法を使うには直接やり方を聞いて何年も練習しないと本来は使えないの。でも大和は闇属性の改変までしか一昨年までは出来なかった。要は私の知らない空白の一年で取得しようにも誰があれを教えて、どうやって修行をしたのかってなるの」


 華の春奈に対する説明は正確に的を射抜いている。大和は歩きながら感心する。


「姉さんに教えてもらったんだ」

「え?」


 華の顔が曇る。校内では華以外に大和の家族が死んだ事は黙っている。特に隠しているわけではないが聞かれないから言ってないと言った方がいいかもしれない。


「華さん?」


 春奈が華の顔が曇った事に気づく。

 仕方ないので、華に変わって大和が春奈の質問にとりあえず答える事にする。


「今日試合前に華と会った後、夢の中で姉さんと会った。そこで姉さんから姉さんの使える魔法と魔術を全て継承してもらった」


 流石にこれには華すら驚く。まぁ無理もないだろう。そもそも大和だって今日初めて記憶の中で継承が出来る事を知ったのだ。継承の概念がない人からしたら死んだ人の幽霊にでもあったのかなと考えてしまうだろう。


「継承?」

「あぁ。要は禁忌魔法の一種だな」

「成程」

「納得したか?」

「うん」


 華は何となく理解したみたいだが、禁忌魔法や魔術に対して知識の乏しい春奈は全く分からんって顔をしている。

 まぁ話す機会があれば春奈にも今度しっかりと話す事にする。それからしばらく三人で話していると家に着いた。


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