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メッセ―ジSOS

作者: ああささあ朝治

こんにー

「好きだ」

「お断りです」


俺の2年越しの恋は、破綻した。

知ってたさ。

脈がないことくらい。

迷いの余地もなく、バッサリとふられたにしては、たいしてダメージがなかった。

なんせ、新しく彼女ができた俺には敵などなかったからだ。

新しく、って言っても元々彼女なんていなかったけど。

16年間彼女無しだったけどさ。


告白をされた。

ふられた5分後に。傷心していた俺にはそれだけで十分だったんだ。

だって、傷心してたし。

弱っているすきにつけこまれたのかはわからない。

けど。

まあ、悪い子じゃないし、良いかな。と思い、なんとなく承諾した。

そんなに好きではなかったけど。

新しい彼女は、ちょっとヤンデレ気味だけど。


今どきの告白は、メッセージ、ラインなどで済ませてしまう場合も多いらしい。

そんな恋、大したものじゃないだろうと言ってやりたくなる。

直接会って告白をするのがめんどくさい、恥ずかしい、だるい、手間をかけたくない、といった心理が働いて手軽なメールで済ませてしまうのかもしれない。

そんな恋はすぐ破綻するだろう。

かるいメールのようにかるく。


そのことを友達に話したら、お前は人の気持ちが分かっていないと言われた。

そんなこと言うなら、お前だって俺の気持ちを分かってねえだろと思った。


告白がどれだけ勇気のいることか、直接会って真正面から対峙して愛の言葉を言うのがどれだけ恥ずかしいことなのか、俺はわかっているつもりだ。

それでふられて、気分がお葬式になったやつは数えきれないほどいただろう。

俺はそんなに落ち込まなかったけど。


まあ、俺は新しい彼女、もとい初めてできた彼女とイチャイチャするので何の問題もない。

こういう関係は長続きするものだろうか。

ちょっとおかしい彼女と一緒にいると、たまに命の危険を感じることもあるけれど、なんとかここまで2人一緒にやってきた。


気づけば付き合って2年、俺がこっぴどくふられたあの子に恋をしていた2年と同じ長さだ。

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ


今のは意味のない文字の羅列、たまにパソコンに触ると、永遠に「あ」のキーを押し続けてしまう。

あ、は最初にでてくる文字で、手軽なものだ。

あ、は特に意味もないのに、文頭につけられていることが多い。

あ、私がやりますよ。

あ、すみません。

あ、そうだったの。

あ、しまった。

あ、

あ、あ、

あ、あ、あ、

あ、あ、あ、あ、


俺の彼女も愛子ちゃんという名前だ。

愛が名前に入っているんだから、さぞかし愛のある子なんだろうなあ。



ちは

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