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枕の上に 希望の下に(12)

知ったことか

冷たい味がする

現実には無い

ほのかな風味だ

蜂鳥の嘴で

刺されたような

あることを認識しながら

触れてしまった仙人掌のような

遠い向こう側に

落ちる味だった



年季の入った灰皿は

洗い流されながら

所々で自称していた

角が丸くなるのは

綺麗に削れたからで

欠けただけでは角になる

場合よっては

ひとつふたつと増えてしまい

それら全てを削りあげるには

体力が要る

そんな体力など

誰も持ち合わせてはいない



残酷な世界だと言ったところで

何も変化は無いのだ

自己満足を鶴嘴代わりに

掘っているだけである

他人が泡吹くところを見ながら

一心不乱に掘っているのだ

知ったことか

そう思いながら



好きな場所で

好きなことを出来るなら

嫌いな場所へと

目を向けた方が良い

同じことをしているなら

彼方の重圧は計り知れない

豪傑な者が生まれ

豪傑な者同士で

潰し合いながら

肉を喰らい合っているのだから



安上がりな平穏を

安上がりだと

他人に言ってしまえるほど

安上がりではないが

形を残していくほど

満足していない

親が子供に言う

「あなたの為に」という言葉は

形を残していくほど

満足していない者が言う

増加していくかもしれないが

知ったことか

そう言って終わる



残酷な世界だと言ったところで

前と後ろは変わらない

自己中心的な物をスコップ代わりに

埋めているだけである

他人が埋めていることを知ろうと

全く関係無く埋めているのだ

知ったことか

そう思いながら



興味が無いの上には

何も感じないがある

他人が何を言っても

無意味なのは

その為だ

どうしたらいいか

知ったことか

そういう人も含めて

人類である

人を終わりにするのも

人なのだ

いつか見切りをつけるだろう

人を切るということを

背中に乗せながら



残酷な世界だと言ったところで

上と下は変わらない

己の存在を使っても

掘り進めない物がある

この世界には

不可能を

不可能にする力の方が大きい

知ったことか

そう思えることは

別に青臭くはない

人間に論理は元から無い

定義して作ったから

論理という物が

生まれただけである

知ったことか

そう思いながら

空想する








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