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#7 突破
とにかく中へ入るための手段を考える爻。
「どこだっ! 入り口……」
艾と出逢ったあの日、傘立てを持って出てきたあのドアを思い出した爻は……。
「ここかっ!」
ガチャ……ガチャガチャッ!
開店までまだ時間があるので、ドアは施錠されたままだった。
「くっ! ……艾さん! すみません。ドア壊します!」
ドアに耳を寄せ、近くに艾がいないことを確認した爻は、近くにあった石を手に取ると、ガラス部分を叩き割った。
ガシャャャン!
爻は割れたガラスの隙間から手を伸ばし、内鍵を外す。
「艾さん!」