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#6 アクシデント
「……今日は、休み……なのか」
朝方までかかり本を読み終えた爻は、読後の余韻に浸りつつ、艾の書店へとやって来たのだが。
ガタガタガタン!
シャッターの内側から、騒々しい音が聞こえた。
「なんだ? ……まさか、艾さん?」
咄嗟にシャッターを叩き、中にいるであろう艾へ向かって声を掛ける爻。
「艾さん? 俺です! 爻です! 大丈夫ですか? 何かあったんですか?」
……………………。
返答が無いことに不安を覚えた爻は、もう一度シャッターを叩こうと拳を作った。
「…………爻……さん」
その時だった。
うめき声にも似た微かな声が爻に届いた。