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#64 Heavy Rain 9
正体もわからず、どこに行けばいいのかも分からない爻は、ひとまず、事故に遭った現場へと行ってみることにした。
(あいつがあの場所にいたのには、何か理由があるに違いない)
(でも……その前に……)
爻はどうしても気になっていた、もう1人の存在を捜すことにした。
(万理姉、何で事故のこと知らないふりをしていたんだろう……)
手術室の前──
待合室──
万理華はいない。
(……ったく、どこにいるんだ?)
「……はい。順調です。爻は大丈夫かと……はい。また連絡します」
(……こんなところにいたのか)
電話を切った万理華は、端末を地面に叩きつけた。
(なっ! 万理姉?!)




