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#59 Heavy Rain 4
ふいに扉が開き、看護師さんが姿を見せた。
「こちらへどうぞ」
そう言って、扉の先へと通されたのは……。
「……はい」
茉莉の母親だった。
中での会話が気になった爻は、意識を扉の向こう側へと集中させる。
スクロールする爻の背景──
「口にするのは、本当に心苦しいのですが……娘さん、茉莉さんは……」
「ああ……そんな……」
青ざめた顔でショックを隠しきれない茉莉の母親。
(分かっていても辛いな……)
「あの子は……爻君はどうなんですか?」
「その事なんですが……ご相談があります」




