前へ目次 次へ 6/113 #5 待ちぼうけ 翌日── 爻(コウ)が書店に姿を見せることは無かった。 「本を読まないって言っていたのに、いきなり600ページの本は、分厚かったかなぁ……はぁ」 ため息をこぼす艾(よもぎ)。 「詩集とかにするべきだったか……」 仕事も手につかないといった様子で、先程から同じ本を磨き続けている。 そんな艾(よもぎ)の思いはただひとつ。 (どうか本を、嫌いにならないでください……) お客様がお会計を待っているのにも気付かず、目の前でため息ばかりを吐く艾(よもぎ)であった。 「……あのぉ、お会計」