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君色レイニードロップ  作者: ひな月雨音


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#5 待ちぼうけ

 翌日──


 コウが書店に姿を見せることは無かった。



「本を読まないって言っていたのに、いきなり600ページの本は、分厚かったかなぁ……はぁ」



 ため息をこぼすよもぎ



「詩集とかにするべきだったか……」



 仕事も手につかないといった様子で、先程から同じ本を磨き続けている。


そんなよもぎの思いはただひとつ。



(どうか本を、嫌いにならないでください……)



 お客様がお会計を待っているのにも気付かず、目の前でため息ばかりを吐くよもぎであった。



「……あのぉ、お会計」


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